【撮影・技術】リア・プロジェクション(Rear Projection)

『アイズ ワイド シャット』で使用されたリア・プロジェクション

 スクリーン・プロセスの一種で、過去に一般的だった撮影技術。演技者の背景にスクリーンを設置、それに裏側から背景映像を映写する事によって、スタジオ内でロケをしなくてもロケをしたような映像が撮れる。背景映像さえ準備できればどんな場所でも撮影可能だが、問題点もあり、背景映像を裏から映写するために演技者との映像の鮮明度に差がでてしまい違和感がでてしまう事。この点を克服したフロント・プロジェクションという方法もあるが、これは前面から背景画像を映写するので、演技者の衣装や小物、前面のセットにつかえる材質(反射するものやエッジがぼやけているものは不可)に制限があり、一長一短がある。

 キューブリック作品では『現金に体を張れ』の競走馬銃撃シーンなどで初めて使用され、以降『シャイニング』の車内のシーン、『アイズ ワイド シャット』でクルーズが街を歩くシーンまで使用された。現在はデジタル合成が一般化している。

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