【上映情報】『恐怖と欲望』オフィシャルサイト&ディザー


 『恐怖と欲望』の日本初公開に向けてのオフィシャルサイトとディザーが公開になっていたのでご紹介。紹介文にもあるように、キューブリックはこの『恐怖…』を忌み嫌っていて、1991年にコロラド映画祭、1994年にはニューヨークのフィルム・フォーラムで上映された際「訴訟も辞さない」と強硬な態度で臨み、中止に追い込もうとしたほど。

 没後は何度か企画上映され、本国アメリカでは既にTVでオンエア、DVD/BDとしてリリース済です。また、それなりにネットで検索すれば・・・観れます。(当然字幕はないですが)でも、多分劇場公開は今回が最初で最後でしょうから、この機会は逃さないでおきましょう。どうしても観に行けない方は日本版DVD/BDのリリースも当然あり得ますので、それを待ってみるという手もあります。

 ところで上記のような経緯もあるので、キューブリックの遺志を尊重するなら「観ない」という選択肢もあるかと思います。ただ、一度オフィシャルに公開してしまったものは、例え本人が気に入らないといっても後から取り消す事はできませんので、これはキューブリックには諦めてもらうしかなさそうです。実は『恐怖…』だけでなく自主制作第二弾『非情…』も封印しようと試みたようです。さすがに世界公開(日本でも短縮版として公開)され、フィルムが世界中に散逸してしまっていたので、回収は不可能だったみたいですが。

 この事からも分かるように、キューブリックはハリウッドで製作した『現金…』を自身のデビュー作と見なしていたようです。当時は自主制作の2作品は知られていませんでしたからそれで良かったのですが、有名になって以降は自主制作映画だけでなくドキュメンタリー映画まで掘り起こされてしまったのは、このブログで紹介している通りです。

 肝心の作品ですが、オフィシャルサイトやディザーでは期待感を煽っていますが、過度な期待は禁物です。所詮は自主制作ですし、役者もほとんどが素人。『非情…』でさえあのデキですからあとは推して知るべしかと思います。当時のキューブリックの年齢(24歳)や置かれた状況、その頃の映画のレベルを加味して判断すべきでしょう。それがどの程度のものなのか・・・そして「キューブリックらしさ」はどこまで垣間見えるのか・・・。今から公開が楽しみです。

 


 

TOP 10 POSTS(WEEK)

【考察・検証】キューブリックはなぜ『2001年宇宙の旅』の美術デザインを手塚治虫に依頼したか?また、もし参加していればどうなっていたか?を検証する

【台詞・言葉】『時計じかけのオレンジ』に登場したナッドサット言葉をまとめた「ナッドサット言葉辞典」

【考察・検証】作品タイトルを『短期除隊兵(ショート・タイマーズ)』から『完全被甲弾(フルメタル・ジャケット)』に変更したキューブリックの真意とは

【考察・検証】『シャイニング』の【初公開版(146分)】【北米公開版(143分)】【コンチネンタル版(119分)】の違いを検証する

【上映情報】『2001年宇宙の旅』の日本での上映記録のまとめ

【考察・検証】『アイズ ワイド シャット』の儀式・乱交シーンについてのスタッフの証言集[その1]儀式シーンのリサーチについて

【台詞・言葉】ハートマン先任軍曹による新兵罵倒シーン全セリフ

【関連動画・関連記事】1980年10月24日、矢追純一氏によるキューブリックへのインタビューとその裏話

【関連動画】4K UHD『時計じかけのオレンジ』とDVD、BDの画質を比較した動画

【関連動画】『2001年宇宙の旅』の未公開シーンとセット画像を集めた動画と、クラビウス基地で登場したハンディカメラをニコンがデザインしたという説明の信憑性について