【プロップ】アドラー・ユニバーサル39 タイプライター(Adler Universal 39)

タイプライターの初登場時は薄いベージュ色をしている

このシーンでは濃いグレーに塗り替えられている

『メイキング・ザ・シャイニング』を編集中のヴィヴィアンと撮影に使用されたタイプライター。場所はおそらく自宅ではないかと思われる

 あまり指摘されていませんが、実は作品内でタイプライターの色が淡いベージュ色から濃いグレーに変わっています。これはキューブリックが塗り直しの指示をしたそうで、担当した美術部門のロン・パンターによると「おそらく他との色調を合わせようとしたからではないか」との事です。(個人的にはタイプライターの紙が薄い黄色なので、本体の色と同化するのを避けたかったのではないか、と推察しています)

 確かにタイプライターが初めて画面に登場するシーンと、ウェンディがジャックの様子を見に来た時とは色が若干違うようです。その後のジャックが悪夢にうなされるシーンや、「All work and no play・・・」を発見するシーンでははっきりと色が濃くなっているのが分かります。また、初登場時のシーンではロゴの横にシールの跡のようなものがありますが、後のシーンではそれがなくなっています。塗り直した際に剥がしたのだと思われます。

 撮影に使われた現物はその後、三女のヴィヴィアンが使用していたようですが、ヴィヴィアンは『アイズ…』の頃にアメリカに渡ってしまったので現在の所在は不明です。残念ながら『スタンリー・キューブリック展』に展示中の物は同機種の別物、という事になります。塗り直した跡もないですし、色も違いますのでそれは歴然としていますね。

TOP 10 POSTS(WEEK)

【関連記事】抽象的で理解の難しい『2001年宇宙の旅』が世に残り続ける理由

【関連記事】ジム・モリソンとドアーズがシネラマドームで『2001年宇宙の旅』を観た夜

【関連商品】『2001年宇宙の旅』のHAL 9000のようなデザインのファズ・ペダル、その名も「TMA-1 Fuzz」が登場

【パロディ】『ルパン三世』TVシリーズ(セカンドシーズン)のLDのジャケットが『時計じかけのオレンジ』だった件

【原作小説】Amazon Kindleにサッカレーの小説『バリー・リンドン』が新訳で登場。しかも398円の超破格値!

【ブログ記事】キューブリック作品の映像が、隙のない完璧なものに見える理由

【パロディ】洋楽パロで有名なNHKの番組『ハッチポッチステーション』の再編集版『2001年(2004年)夢中の旅』のオープニングがやっぱり『2001年宇宙の旅』だった件

【台詞・言葉】『時計じかけのオレンジ』に登場したナッドサット言葉をまとめた「ナッドサット言葉辞典」

【ロケーション】キューブリック作品が製作された撮影地一覧(概略)

【ブログ記事】『シャイニング』のオーバールックホテルの外観モデルになったティンバーラインロッジが、キューブリックに幽霊が出る217号室を変更して欲しい旨を伝える手紙