【愛機】IBM XT


 1984年1月にIBM XTと写真に収まるキューブリックです。詳細な型番まではわかりませんが、1984年といえば丁度『フルメタル・ジャケット』を製作中の頃、まだWindowsは存在していませんでした。こんなに早くからPCを導入していたのですね。妻であるクリスティアーヌによると、キューブリックはずっとコンピュータが一般化するのを待ちわびていて

「パーソナル・コンピュータの登場は彼が生まれてこのかたずうっと登場を待ち望んでいたものが実現したようなもの」(引用:『写真で見るその人生』)

だったそうです。

 こういった記念写真を残しているところを見ると、キューブリックにとって初パソコンだったんでしょうね。プリンターもありますし当時総額いくらくらいだったのでしょうか?どこかしら誇らしげなキューブリックがとても微笑ましいです。撮影場所は「セント・オールバンズの近くの自宅」とありますので、死去するまで住んでいたハートフォードシャーの邸宅だと思われます。

 その後どういうPC遍歴を辿ったかは不明ですが、フレデリック・ラファエルの『アイズ・ワイド・オープン』によると「シフトを押しながらF8を押す。そうするとメニューが出てくる・・・」などとラファエルに指示していた所を見ると、最期までPC+Windowsだったようです。機種は『2001年…』で多大な協力をしてくれたIBMだったと思いたいですね。

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