【機材】ローライフレックス・スタンダート(Rolleiflex Standard)

ローライフレックス・スタンダートを持ってポーズを決める若き日のキューブリック

 キューブリックがルック社のカメラマン時代に愛用していたローライ社製の二眼レフカメラ。フィルムは通常の35mmより大きく6cmあるブローニーで、ブローニーカメラ(中判カメラ)と呼ばれています。フィルムが大きい分画質が良いので、主に風景写真やプロカメラマンなどプロフェッショナル専用というイメージがありますが、愛好家も数多くいて、デジタル全盛の現在でも隠れた人気があります。ファッションカメラマンがファインダーを上から覗き込みながらハンドルでフィルムを廻してシャッターを切るシーンなんかをよく見かけますが、あれがブローニーカメラです。

 フィルムは35mm(24×36mm)とは縦横比が異なり、6×4.5cm判、6×6cm判、6×7cm判、6×8cm判、6×9cm判とさまざまありますが、ローライフレックス・スタンダートは6×6(ロクロク)用なのでその名の通り正方形になります。写真集『写真で見るその人生』のP37~43に掲載されているノートリミングでベタ焼きされた正方形の写真は全てこれで撮ったものだと思われます。キューブリックはカメラマン出身なので映画撮影ではスタンダードサイズにこだわった・・・などどいう論を唱える人は、カメラといえば35mmかデジカメしか知らないのでしょう。プロである以上、どんな縦横比のフィルムでもキッチリと構図を決めて撮る事ができます。もちろんキューブリックも、です。当たり前の話ですね。

 しかし映画はそうはいきません。上映館や再生装置(TVなど)によって縦横比が大きく変わってしまいます。これにはキューブリックも頭を抱えた事でしょう。なにしろ撮影時には構図を完全に決めていても、再生場所によってそれが崩れてしまうのですから。それへのせめてもの対策はここで記事にしています。

 当時キューブリックはこれ以外にもスピード・グラフィックやコダック・モニター620、コンタックス、ライカIIIも愛用していたようです。本人所有のスピード・グラフィックの実物は現在LACMAで開催中のキューブリック展で展示されています。

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