【関連作品】『死なない脳』(The Brain That Wouldn't Die)

 ああ、なんという無惨な姿に!『恐怖と欲望』で木に縛りつけられてしまう悲劇のヒロイン、ヴァージニア・リース嬢が約10年後の1962年に出演したB級カルトホラー映画『死なない脳』。あの可憐なヒロインがあわれにもこんな姿になってしまうとは・・・。でもこのB級感がマニア心を強烈にくすぐりますね(笑。

 ストーリーは人体実験に取り憑かれている医者が美人助手の恋人を連れて運転中に事故に遭い、彼女の頭だけを持って自分だけ生還。それを再生させ、その頭にくっつける胴体を探しに街へ行くが、肝心の彼女は怒り心頭(まさに「頭」だけに)。同じ境遇の哀れな仲間とともに復讐をする・・・というお話。これかも分かるようにかなりグロいです。

 1962年といえばキューブリックはちょうど『ロリータ』の頃。メジャー監督の仲間入りし、これからって時ですね。そのキューブリックのデビュー作『恐怖…』を手伝ったリースはそれをどう思っていたのでしょうか。キューブリックは『恐怖…』を忌み嫌っていたので、彼女の存在は「なかった」ことにしてたでしょうから、そういう意味ではアンラッキーかも知れません。リース自身もそんなに作品には恵まれたとは言えませんが、女優としてはそこそこ活躍できたようではあります。

 上記は予告編ですが一部ではカルト的人気があるようで、『美しき生首の禍』のタイトルでDVD化もされています。けっこうキてますよ。

TOP 10 POSTS(WEEK)

【台詞・言葉】ハートマン先任軍曹による新兵罵倒シーン全セリフ

【考察・検証】キューブリック版『シャイニング』でオーバールック・ホテルに巣食う悪霊の正体とは

【台詞・言葉】『時計じかけのオレンジ』に登場したナッドサット言葉をまとめた「ナッドサット言葉辞典」

【関連記事】1972年1月30日、ザ・ニューヨーク・タイムス紙に掲載されたキューブリックのインタビュー

【関連記事】音楽を怖がってください。『シャイニング』『2001年宇宙の旅』『アイズ・ワイド・シャット』・・・巨匠キューブリックが愛した恐怖クラシック

【考察・検証】『2001年宇宙の旅』に登場する予定だった宇宙人のデザイン案を検証する

【インスパイア】『時計じかけのオレンジ』と「アイドル」に親和性?『時計じかけのオレンジ』にインスパイアされた女性アイドルのPVやMVのまとめ

【関連動画・関連記事】1980年10月24日、矢追純一氏によるキューブリックへのインタビューとその裏話

【関連記事】早川書房社長の早川浩氏、アーサー・C・クラークと一緒に『2001年宇宙の旅』を鑑賞した思い出を語る

【パロディ】『時計じかけのオレンジ』のルドヴィコ療法の被験者にさせられたアニメキャラのみなさまのまとめ