【キューブリック展】SHIFT誌によるLACMAスタンリー・キューブリック展のレポート
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2012年11月からロサンゼルスのLACMAで開催された『スタンリー・キューブリック展』 |
私たちは、幸いにもロサンゼルス・カウンティ美術館(以下、LACMA)での、スタンリー・キューブリックの多分野に渡る素晴らしい展示の最終週に間に合った。すでにこの展覧会は終了しているが、キューブリックファンには、理由はどうであれ、私がこの展示で経験したことをぜひ紹介したいと思う。
〈中略〉
LACMAによると、8ヶ月の展示期間中243,792名が訪れ、美術館はキュレーション的なミッションとして、シネマという分野を引き続き考えていきたいとしている。展示は、監督の並外れたビジョンと手法、一方で彼の作品が近代の芸術作品として世界的に認識されるにあたって、どのようにその影響が広まっていったのかということにもスポットを当てている。
キューブリックが決して完成させることのなかったプロジェクト「アーリアン・ペーパーズ」や、1969年に製作費と諸々の問題で廃止しなければならず、その後も作られることのなかった「ナポレオン」についての展示室もあった。また、「バリー・リンドン」のキャンドルライトのシーンで有名なカール・ツァィストのレンズのf/0.7とf/0.5についてエキスパートたちの間で白熱した話題など、技術的な展示も見られた。
そしてもう一つ注目すべき点が、様々な宗教団体からキューブリックあてに送られた、タイプライターで打たれた手紙である。「ロリータ」に対する非難や、引き破られた「時計じかけのオレンジ」についての新聞のクリッピングが入っていた。当時、若者が「時計じかけのオレンジ」に魅了され、殺人を犯したり、影響されたギャングが攻撃をしたことで、彼の作品は社会的に認められず “危険な映画” とされてしまったのだ。
〈以下略〉
(引用:SHIFT/2013年9月)
日本語で読めるキューブリック展のリポート記事がありましたのでご紹介。日本ではあまり話題にならなかったので、こういった記事は助かります。ただ誤記が一カ所、
「2001年宇宙の旅」で使用されたフロント・プロジェクション(静止しているものがあたかも動いているように見せる技術など)
これは「フロント・プロジェクション」じゃなく「スリット・スキャン」の事ですね。多分元記事が間違っているんでしょう。
キューブリック展は規模に対しての集客の問題から日本での開催は難しそうですが、ルック社時代の写真展ならなんとかなると思うのですが。前にも書きましたが関係各位の皆様には是非ご検討をよろしくお願いいたします。