【撮影・技術】タイトルバック(Title Background)

キューブリック作品のタイトルバックを集めた動画

 タイトルバックとは、映画やテレビドラマなどの映像作品において、オープニングやエンディングなどで、タイトルの題字やスタッフクレジットが入っている部分のこと。

 キューブリックはこのタイトルバックについて、あまりこだわりはなかったようで、

 「メインタイトル(タイトルバック)のことは全然気にかけていない。とても凝っていて感心したものもあるが、凝ったメインタイトル製作費の無駄遣いに過ぎず、その映画を損なうものだと思う。私の見方は非常に単純だ。映画の最初のショットは観客が席についてから最も興味深いものであるべきだということだ。タイトルと比べて映画の中身がつまらなく見えることに加えて、凝ったタイトルというのは、アニメーション、特殊効果、オプティカル処理、それに大抵、非常に高いデザイナーを意味する。これはつまり相当多くの経費がかかるということだ。私ならその費用を映画自体にかける方を選ぶ」(引用:イメージフォーラム増刊 キューブリック)

と明言している。

 実際、キューブリック作品には凝ったタイトルバックの作品は皆無で、シンプルなものばかり。それも大抵は黒バックに白抜き文字が多く、例外的に『時計じかけのオレンジ』がカラフル仕様になっている程度。それでも『2001年宇宙の旅』は言うに及ばず、『時計…』『フルメタル・ジャケット』『博士の異常な愛情』『ロリータ』(最後の2作品は発想が似ている)など、最低限の映像で最大級の効果を上げていている。


TOP 10 POSTS(WEEK)

【台詞・言葉】ハートマン先任軍曹による新兵罵倒シーン全セリフ

【考察・検証】キューブリック版『シャイニング』でオーバールック・ホテルに巣食う悪霊の正体とは

【台詞・言葉】『時計じかけのオレンジ』に登場したナッドサット言葉をまとめた「ナッドサット言葉辞典」

【関連記事】1972年1月30日、ザ・ニューヨーク・タイムス紙に掲載されたキューブリックのインタビュー

【関連記事】音楽を怖がってください。『シャイニング』『2001年宇宙の旅』『アイズ・ワイド・シャット』・・・巨匠キューブリックが愛した恐怖クラシック

【考察・検証】『2001年宇宙の旅』に登場する予定だった宇宙人のデザイン案を検証する

【インスパイア】『時計じかけのオレンジ』と「アイドル」に親和性?『時計じかけのオレンジ』にインスパイアされた女性アイドルのPVやMVのまとめ

【関連動画・関連記事】1980年10月24日、矢追純一氏によるキューブリックへのインタビューとその裏話

【関連記事】早川書房社長の早川浩氏、アーサー・C・クラークと一緒に『2001年宇宙の旅』を鑑賞した思い出を語る

【パロディ】『時計じかけのオレンジ』のルドヴィコ療法の被験者にさせられたアニメキャラのみなさまのまとめ