【撮影・技術】タイトルバック(Title Background)
キューブリック作品のタイトルバックを集めた動画
タイトルバックとは、映画やテレビドラマなどの映像作品において、オープニングやエンディングなどで、タイトルの題字やスタッフクレジットが入っている部分のこと。
キューブリックはこのタイトルバックについて、あまりこだわりはなかったようで、
「メインタイトル(タイトルバック)のことは全然気にかけていない。とても凝っていて感心したものもあるが、凝ったメインタイトル製作費の無駄遣いに過ぎず、その映画を損なうものだと思う。私の見方は非常に単純だ。映画の最初のショットは観客が席についてから最も興味深いものであるべきだということだ。タイトルと比べて映画の中身がつまらなく見えることに加えて、凝ったタイトルというのは、アニメーション、特殊効果、オプティカル処理、それに大抵、非常に高いデザイナーを意味する。これはつまり相当多くの経費がかかるということだ。私ならその費用を映画自体にかける方を選ぶ」(引用:イメージフォーラム増刊 キューブリック)
と明言している。
実際、キューブリック作品には凝ったタイトルバックの作品は皆無で、シンプルなものばかり。それも大抵は黒バックに白抜き文字が多く、例外的に『時計じかけのオレンジ』がカラフル仕様になっている程度。それでも『2001年宇宙の旅』は言うに及ばず、『時計…』『フルメタル・ジャケット』『博士の異常な愛情』『ロリータ』(最後の2作品は発想が似ている)など、最低限の映像で最大級の効果を上げていている。