【ブログ記事】『コンバット!』をパクったと言われても仕方のない、北米版『恐怖と欲望』DVD/BDのパッケージデザイン
北米版『恐怖と欲望』DVD/BDに描かれているライフルとその先に付けた銃剣のイラストですが、これを見てこのTV番組のオープニングを思い出した方は多いのでは?管理人は『コンバット!』をリアルタイムで観ていた世代ではありませんが、それでも有名なテーマ曲は知っていました。いくら『恐怖…』の内容が偶然『コンバット!』と似ているからといって、それに似せたパッケージデザインを採用する神経が分かりません。ひょっとして『コンバット!』と間違ってこのBDを購入させようとするミス・リード戦略なのでしょうか?
もちろんキューブリックとは何の関係もない話です。『コンバット!』は1962年から1967年までアメリカABCで製作・放映され大人気となり、日本でも放映されました。当たり前ですが、その頃『恐怖…』はキューブリックによって固く封印されていたので、ABCの関係者が『恐怖…』に影響を受けた可能性は皆無です。
何故こんなパクリと言われても仕方の無い、インチキ臭い事をしたのでしょう?北米版販売元のキノ・ローバー社の姿勢は非常に疑問です。日本の販売元のアイ・ヴィー・シーさんはこのデザインを採用しませんでしたので一安心・・・と思っていたのですが、いくつかのグッズで銃剣のイラストを使っているようです(溜息。誰か止める人はいなかったんでしょうか?これじゃキューブリックの『恐怖…』は『コンバット!』のパクリ(あるいは逆に『コンバット!』は『恐怖…』のパクリ)などと誤解されかねません。内容が似ているだけに両者ともにいい迷惑です。
ここで明言しておきます。キューブリックの劇場用映画処女作『恐怖と欲望』と、アメリカABC製作のTVドラマ『コンバット!』。この両者には何の関係も、関連性もありませんし、影響云々もありません。全てはキノ・ローバー社が恣意的に(と考えざるを得ない)ライフル銃と銃剣のイラストをパッケージに採用したのが元凶です。その「元凶」は、日本版の販売元にも誤解を与えて(この事実を知らなかったとすれば)しまいました。こういった販売戦略は中小の配給会社や販売代理店ではよくある事とはいえ、コンプライアンスが叫ばれて久しいというのに、甚だ残念という他ありません。