【インスパイア?】さよならジュピター(Bye Bye Jupiter)

 いやもうね、宇宙船のデザイン画や参加したスタッフのそうそうたるメンバーを見たとき、「やっと日本にも世界に誇れるSF映画が誕生する!」と興奮し、期待したものです。その結果はというと暗澹たるもので、当時の映画ファン、SFファンを絶望の淵に叩き込んで踏みつけて、そのプライドを木っ端微塵に打ち砕くものでした・・・。

 この『さよならジュピター』のプロット、木星を太陽化するアイデアは『2001年宇宙の旅』の続編『2010年』に、宇宙開発を促進する事業者と過激な自然保護団体の対立は『コンタクト』に似ているんですよね。そういった要素を上手くまとめればひょっとしたら傑作になった可能性があるだけに非常に残念です。(原作はそれなりに評価されているそうです。)

 上記の予告編を観れば一目瞭然、『2001年…』や『スター・ウォーズ』の影響は明白です。でも同年に公開された『2010年』との差は歴然としていて、SFとは全くかけ離れたユーミンの歌も痛々しい限り。この日本で実写SF映画に期待するのは金輪際止めてしまおうと決意させるのに十分な代物でした。「2001年を超えてみせる!(by 小松左京)」・・・ああ悪い冗談ですね。

TOP 10 POSTS(WEEK)

【インスパイア】『2001年宇宙の旅』のHAL9000に影響されたと思われる、手塚治虫『ブラック・ジャック』のエピソード『U-18は知っていた』

【関連記事】キューブリックは『時計じかけのオレンジ』のサントラにピンク・フロイドの『原子心母』の使用を求めたがロジャー・ウォーターズが拒否した話をニック・メイソンが認める

【関連記事】撮影監督ギルバート・テイラーが『博士の異常な愛情』の撮影秘話を語る

【関連記事】英誌『Time Out』が選ぶ「映画史上最高のベストセッ●スシーン50」に、『アイズ ワイド シャット』がランクイン

【関連記事】抽象的で理解の難しい『2001年宇宙の旅』が世に残り続ける理由

【台詞・言葉】ハートマン先任軍曹による新兵罵倒シーン全セリフ

【オマージュ】キューブリックの孫、KUBRICKの『MANNEQUIN』のMVがとっても『時計じかけのオレンジ』だった件

【台詞・言葉】『フルメタル・ジャケット』でのハートマン軍曹の名言「ダイヤのクソをひねり出せ!」のダイヤとは「●ィファニーのカフスボタン」だった件

【関連記事】2021年9月30日に開館したアカデミー映画博物館の紹介記事と、『2001年宇宙の旅』の撮影プロップ展示の画像

【インスパイア?】「白いモノリス」らしき物体が登場するピンク・フロイド『ようこそマシーンへ(Welcome to the Machine)』の公式MV