【インスパイア?】さよならジュピター(Bye Bye Jupiter)

 いやもうね、宇宙船のデザイン画や参加したスタッフのそうそうたるメンバーを見たとき、「やっと日本にも世界に誇れるSF映画が誕生する!」と興奮し、期待したものです。その結果はというと暗澹たるもので、当時の映画ファン、SFファンを絶望の淵に叩き込んで踏みつけて、そのプライドを木っ端微塵に打ち砕くものでした・・・。

 この『さよならジュピター』のプロット、木星を太陽化するアイデアは『2001年宇宙の旅』の続編『2010年』に、宇宙開発を促進する事業者と過激な自然保護団体の対立は『コンタクト』に似ているんですよね。そういった要素を上手くまとめればひょっとしたら傑作になった可能性があるだけに非常に残念です。(原作はそれなりに評価されているそうです。)

 上記の予告編を観れば一目瞭然、『2001年…』や『スター・ウォーズ』の影響は明白です。でも同年に公開された『2010年』との差は歴然としていて、SFとは全くかけ離れたユーミンの歌も痛々しい限り。この日本で実写SF映画に期待するのは金輪際止めてしまおうと決意させるのに十分な代物でした。「2001年を超えてみせる!(by 小松左京)」・・・ああ悪い冗談ですね。

TOP 10 POSTS(WEEK)

【ブログ記事】1999年3月7日スタンリー・キューブリック監督の逝去に当たり、当ブログ(当時個人ホームページ)に寄せられたファンの追悼メッセージ集

【台詞・言葉】ハートマン先任軍曹による新兵罵倒シーン全セリフ

【考察・検証】『フルメタル・ジャケット』の幻のシーン「生首サッカー」は真実か?を検証する

【TV放映情報】NHK BSプレミアムシネマで2月26日(水)午前0:05より『フルメタル・ジャケット』オンエア決定

【上映情報】「午前十時の映画祭15」で『2001年宇宙の旅』『時計じかけのオレンジ』上映決定!!

【関連記事】スタンリー・キューブリックが好んだ映画のマスター・リスト(2019年11月22日更新)

【関連記事】『2001年宇宙の旅』1968年公開、スタンリー・キューブリック監督の叙事詩的SF。その先見性に驚く

【ブログ記事】11人の映画監督がスタンリー・キューブリックを語る

【インタビュー】『バリー・リンドン』の撮影監督だったジョン・オルコットのインタビュー[その1:ロケーション撮影、フィルター、照明、ネガフィルムについて]

【考察・検証】「フィクション」を「ドキュメント」するカメラマンの眼