【ブログ記事】『2001年宇宙の旅』のイラストレーター、ロバート・マッコールが描いた不採用シーンのストーリーボード

  『2001年宇宙の旅』で広告のアートワーク全般を担当したロバート・マッコールが描いたストーリーボードです。スペース・ポッドがスターゲートを抜け、通常空間に戻るシーンのようです。クラークの小説版によると第42章の「見知らぬ空」のワンシーンだと推察できます。

 以前ここでも指摘したようにキューブリックは一旦はクラークの小説の忠実な映像化を試みていたようです。しかし結果そうならなかったのは小説をそのまま映像化すると陳腐になる、既に予算や時間を費やしすぎてしまった等の判断があったのだと思われます。キューブリック自身がインタビューで「わざと曖昧にする必要はなかった」と答えているように、リアルで説得力のある映像表現を目指していたら結果的に曖昧にせざるを得なかった、という事でしょう。

 キューブリックはその後、この「映像を暗喩・象徴的に使用し、演技や台詞で全て説明してしまう事を避ける」という手法を好んで使うようになり、キューブリック作品の代名詞になっています。どうしても具体的に「そのものズバリ」を見せてしまう映像の特性を逆に利用したこの方法論はキューブリックが初めて用いたものではありませんが、「劇」映画が主流のハリウッドの映画界でここまで徹底的に、しかも高いクオリティを持って表現し続けたのはキューブリックが初めてである、と言い切って良いでしょう。

TOP 10 POSTS(WEEK)

【台詞・言葉】ハートマン先任軍曹による新兵罵倒シーン全セリフ

【台詞・言葉】『時計じかけのオレンジ』に登場したナッドサット言葉をまとめた「ナッドサット言葉辞典」

【関連記事】「十代のキューブリックがニューヨークの地下鉄であなたの祖母を密かに撮影したのでしょうか?」キューブリックのルック社時代の写真『地下鉄シリーズ』、新たに18枚のプリントが見つかる

【考察・検証】『シャイニング』の【初公開版(146分)】【北米公開版(143分)】【コンチネンタル版(119分)】の違いを検証する

【関連動画】『時計じかけのオレンジ』のサントラに『太陽の序曲』『ぼくは灯台守と結婚したい』の2曲が採用されたサイケデリック・フォークグループ「サンフォレスト」について

【パロディ】『時計じかけのオレンジ』のルドヴィコ療法の被験者にさせられたアニメキャラのみなさまのまとめ

【考察・検証】『アイズ ワイド シャット』の儀式・乱交シーンについてのスタッフの証言集[その1]儀式シーンのリサーチについて

【関連書籍】戸田奈津子 金子裕子著『KEEP ON DREAMING』で語った、『フルメタル・ジャケット』翻訳家降板事件の戸田氏の言い分

【関連動画】4K UHD『時計じかけのオレンジ』とDVD、BDの画質を比較した動画

【関連記事】手塚治虫『惑星ソラリス』『2001年宇宙の旅』を激賞する