【トリビア】ジャズ・ドラマー(Jazz Drummer)

1950年3月3日、ルック誌の取材時にジョージ・ルイス・アンド・ヒズ・バンドとセッションをするキューブリック

  キューブリックはハイスクール時代、ドラマーとして数々のオーケストラやダンスパーティーなどで演奏していたそうだ。その腕前はというと当時のクラスメートによると、

 「彼は、熱心に練習に来て演奏していた。スウィングやジャズ、流行の曲などを演奏している時が、一番練習に集中していた。驚くのは、練習に彼がカメラを持ってこなかったことだ。バンドに全力投球ていた。ドラムが上手だった彼はリズムをとるだけではなく、ソロもこなした」(『映画監督 スタンリー・キューブリック』より)

と証言している。キューブリックは一時期はかなり真剣にジャズ・ドラマーになる事を考えたという。しかし後にツアーばかりのミュージシャンの生活を知るに及び、こんなに大変で体力的に厳しいならならなくてよかった、という旨の発言をしている。

 キューブリックのこのドラマーとしての資質は映画製作にも活かされ、撮影時のアドリブを好み、まるで俳優とジャムセッションをするかようにアイデアの応酬を繰り広げていたようだ。その後の編集作業でもサウンドトラックと合わせたリズミカルな編集などにその影響が見て取れる。

TOP 10 POSTS(WEEK)

【台詞・言葉】ハートマン先任軍曹による新兵罵倒シーン全セリフ

【考察・検証】キューブリック版『シャイニング』でオーバールック・ホテルに巣食う悪霊の正体とは

【台詞・言葉】『時計じかけのオレンジ』に登場したナッドサット言葉をまとめた「ナッドサット言葉辞典」

【関連記事】1972年1月30日、ザ・ニューヨーク・タイムス紙に掲載されたキューブリックのインタビュー

【関連記事】音楽を怖がってください。『シャイニング』『2001年宇宙の旅』『アイズ・ワイド・シャット』・・・巨匠キューブリックが愛した恐怖クラシック

【考察・検証】『2001年宇宙の旅』に登場する予定だった宇宙人のデザイン案を検証する

【インスパイア】『時計じかけのオレンジ』と「アイドル」に親和性?『時計じかけのオレンジ』にインスパイアされた女性アイドルのPVやMVのまとめ

【関連動画・関連記事】1980年10月24日、矢追純一氏によるキューブリックへのインタビューとその裏話

【関連記事】早川書房社長の早川浩氏、アーサー・C・クラークと一緒に『2001年宇宙の旅』を鑑賞した思い出を語る

【パロディ】『時計じかけのオレンジ』のルドヴィコ療法の被験者にさせられたアニメキャラのみなさまのまとめ