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ジョーカーやカウボーイが使用したM16ライフル |
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銃を撃たないシーンではモデルガンを使用。指のような突起物が特徴 |
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銃を撃つシーンでは実銃を使用。突起物がない |
『フルメタル・ジャケット』の後半の市街戦で使用されたM16ライフル。この時撮影用に使用されたのが日本の会社MGC社製のモデルガンというのは良く知られた話で、赤丸で示した突起物の形状を見れば容易に識別可能。発砲シーンでは実銃(アメリカ空軍採用のモデル604)の空砲で、それ以外はこのモデルガンを使用したそうです。これをもって「完全主義者のキューブリックにしては・・・」という論を展開する方を見かけますが、映画撮影では安全を優先させ、必要のないシーンではダミーを使うと言うのは常識です。特に危険がつきまとう戦争映画の撮影で、必要のないシーンまで本物のライフルを使って撮影するなどあり得ません。そうでなくても映画撮影での事故(死亡事故)は珍しくないのですから。
大体「カメラに映るもの全て本物でなければならない」なんて言い出したら映画なんて作れません。要はキューブリックの求めている高いクオリティに達していればいい訳で、そういう意味ではMGC社製のM16はキューブリックのお眼鏡にかなった高品質のモデルガンである、とガンマニアやユーザーは胸を張っていいんじゃないんでしょうか。