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  このマスターリストによると、キューブリックはアシスタントだったアンソニー・フュリューインに勧められてこの『パシフィック231』を鑑賞、その感想は「今まで観た中で最も完璧に編集された映画の一つ」だったそうです。

 上記の動画をご覧いただければその理由は一目瞭然、様々なアングルから撮られた映像の細かいカットのつなぎあわせと、サウンドトラックに合わせたリズミカルな編集はいかにもキューブリックが好みそう。以前ご紹介したアーサー・リプセットの『ベリーナイス、ベリーナイス』もそうですが、こういうの大好きなんでしょうね。

 監督はジャン・ミトリ、音楽はアルテュール・オネゲル。wikiによるとオネゲルは大の機関車好きで「私は常に蒸気機関車を熱愛してきた。私にとって機関車は生き物なのであり、他人が女や馬を愛するように、私は機関車を愛するのだ」と語ったそうです。作曲は1923年、映画の制作は1949年なので、この作品は既存曲に合わせて撮影・編集されたニードルドロップということになります。この点もキューブリックが好んだ要因のひとつでしょうね。

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