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 このシーンは1968年1月のテト攻勢の一部であるフエ市での戦いを描いている。戦車が前進し、海兵隊が戦車の後ろに回る。しかし、その後、銃撃があった。つまり、事前に見通しを立てていたわけだ。でも、面白いのは、海兵隊員が立ち上がってすぐに、事前照準したそのエリアに入っていくんだ。もし私が悪者、つまり敵だったら、海兵隊がすぐそこにいる間にもう一度発砲していただろう。でも、彼らはそんなことはしない。

 はっきり言っておくが、ここはフエ市とはまったく似ていない。フエ市には、あのような高いビルはない。ビルが密集している。操縦スペースもあまりない。だがここではとても開放的に見える。これはロンドンの郊外、ベクトン・ガス工場で撮影されたからだ。ロンドン郊外だから曇り空なんだ。そのため、フエの戦いではほとんどの時間曇り空で、航空支援が入りにくかった。

 さて、冒頭で建物から発砲が始まったとき、スナイパー1人ではなく、機関銃が何丁も設置されていることにお気づきだろうか。スナイパーなら2、3発撃ってその場から逃げ出すだろう。彼らはその場にいるから動くのは難しい。だから海兵隊は、この地域を砲撃して彼らを攻撃しようとするんだ。

 そうだ、そこで彼は写真を撮っている。兵士が立派なカメラを持っているのは珍しいことではなかった。たまに休暇が取れるからね。サイゴンやホーチミンに行ったりね。将校であれば、香港やそのような場所に行くことができ、それほど高くなくても本当にいいカメラを買うことができた。

 そして、これはベトナム人民軍のスナイパーだっただろう。ベトナム人民軍のスナイパーは特定の標的を狙う。ベトコンのスナイパーは混乱と恐怖を引き起こすだけの戦術を使う傾向があった。だからランダムに誰かを撃つ。無線ヘッドセットをつけて無線で話している男がいたら、おそらく将校だろう。格好の標的だ。視覚的な部分や設定が、私にはすべて間違っているように見える。曇り空以外は現実的だ。どうだろう。たぶん6点かな。

(引用:SCREEN RANT / Stanley Kubrick's 1987 War Movie Has Some Visual Details "Wrong," Says Expert/2024年1月26日




 専門家が言うならまあそうなんだろうな、という感想ですね。公開当時から「フエ(ベトナム)には見えない」という評はあったし、CGでいくらでもリアルな映像が作れる現在からすると、リアリティに欠けると言う評価は納得できます。

 ですが、公開当時に「撮影は全部ロンドン周辺とイギリス南部」と何の事前情報もなしに看破できた人はほとんどいなかったと思います。少なくとも管理人は違和感なく受け入れていました。まあ、これもキューブリックの飛行機嫌いと遠方ロケ嫌いがなせる技なのですが、本人も「奇跡のように1平方キロに及ぶ廃墟が見つかった。本当の建物を破壊するというこのような機会に巡りあったものは、未だかつてないと思う」と満足げだったので、まあいいんじゃないでしょうか。

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