【関連書籍】『スタンリー・キューブリック~写真で見るその人生』クリスティアーヌ・キューブリック著(原題:A Life in Pictures)


 『スタンリー・キューブリック DVDコレクターズBOX』の特典映像としてリリースされた、『ア・ライフ・イン・ピクチャーズ』の書籍版と言うべき写真集。編集はもちろん未亡人のクリスティアーヌで、セレクトされている写真は、撮影現場の裏側を伺う事ができる貴重なものから、決してプライベートを明かそうとしなかったキューブリックの私生活が伺える写真も多数掲載。

 「個性的な子供時代」から「周囲にも自らにも厳しい芸術家」、そして「良き普通の父親」までセレクトされた写真やキャプションを読む限り、キューブリックに関する良からぬ噂話(隠匿者とか、パラノイアとか)を払拭したいかのようなクリスティアーヌの姿勢は理解できるが、個人的にはもっと「刺激的」な写真が見たかった気がする。また、キューブリックの前妻や前々妻にはあまり触れていなかったり、俳優やスタッフとのトラブルや対立といった否定的な部分にはほとんど立ち入っていない。全体的に綺麗にまとまりすぎだろう。まあ、身内(クリスティアーヌ)が身内のプライベートを見せるわけなので、自ずと限界はあるだろうが。

 あと、付録とはいえ、巻末のクレジットのリストは見にく過ぎる。「これを決定版としたい」とのクリスティアーヌの意志とは裏腹に、ろくにレイアウトもせずただ単にテキストを流し込んだだけの代物で、英文に慣れない日本人には全く不親切なつくり。全体的にも、フォントの詰めが甘く、仕事が非常に雑でやっつけっぽい。多少時間がかかっても、もっと丁寧に作り込んで欲しかった。「愛育社」の名前とは裏腹に、愛が感じられないのは非常に残念だ。

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