【プロップ】ディスカバリー1号(Discovery 1)
『2001年宇宙の旅』に登場した、 アメリカの惑星探査宇宙船。地球軌道建造され、軌道~月軌道間の処女飛行でテスト、それから木星を経由し、最終的に土星へと向かう探査の旅に出発した(小説版 『2001年…』による。映画版では目的地は木星)。推進力は熱核反応炉を利用したプラズマ推進で、先端の球形の部分が居住区とポッド・ベイ、 HALを設置しているロジック・メモリー・センターがあり、居住区は遠心力を利用して人工的に重力を作り出す仕組みになっている。コードネームは「XD-1(エックスレイ・デルタ・ワン)」で、交信時に管制官がディスカバリー号をそう呼んでいる。全長ついては700フィート(213m)、400フィート(122m)、140mと諸説ある。
何かと物議を呼んでいるディスカバリー号の形状だが、気密室は球形が理想的だし、放射線の悪影響を考えると、そこからなるべく離れた場所に原子炉を置くのは理にかなっている。本当はその原子炉の熱を拡散させるための放射翼がつく予定だったが、キューブリックが「(飛行機の)翼にしか見えない」との理由で却下した。「精子を模した」とか、「恐竜の背骨に見える」というのは、科学的リアリティを追及した結果、そうなっただけなのかもしれない。
NASAがこの名前をスペースシャトルに採用した時、誰もが不吉なものを予感したが、全5機体の内、2機体喪失しつつもこの機体は生き残っているので、逆に運が良い名前かも知れない。もしくは、搭載コンピュータに何も名前をつけなかったのが功を奏したのかも。
映画用に制作された模型は全長50フィート(約15.2m、54フィートという情報も)と15フィート(約4.6m)の二種類あったそうで、 素材はファイバーグラスが使用された。