【作品紹介】『2001年宇宙の旅』
題名/2001年宇宙の旅
原題/2001:A Space Odyssey
公開日/1968年4月6日(152分、カラー、シネラマ)
日本公開/1968年4月11日
製作会社/MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)
製作/スタンリー・キューブリック
監督/スタンリー・キューブリック
脚本/スタンリー・キューブリック、アーサー・C・クラーク
撮影/ジョフリー・アンスワース、ジョン・オルコット
編集/レイ・ラヴジョイ
音楽/リヒャルト・シュトラウス、ヨハン・シュトラウス、アラン・ハチャトーリアン、ギョルギ・リゲッティ
美術/トニー・マスターズ、ハリー・ラング
特撮考案/スタンリー・キューブリック
特殊効果/ウォーリー・ヴィーヴァース、ダグラス・トランブル、コン・ペダースン、トム・ハワード
出演/キア・デュリア(デヴィット・ボーマン)、ゲイリーロックウッド(フランク・プール)、ウイリアム・シルヴェスター(ヘイウッド・フロイド博士)、ダグラス・レイン(HALの声)、ダン・リクター(月を見るもの)、レオナルド・ロシター(スミスロフ)、マーガレット・タイザック(エレナ)、フランク・ミラー(地上管制官)、ヴィヴィアン・キューブリック(フロイト博士の娘)ほか
配給/MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)
受賞/1968年アカデミー賞、特殊視覚効果賞(スタンリー・キューブリック)受賞
●ストーリー
約400万年前のアフリカ。肉食を知らない人類の祖先「猿人」は絶滅の危機に瀕していた。そんなある夜、群れの眼前に謎の黒い石版「モノリス」が突如として現れ、それに触れた猿人達は「武器を用いる」という啓示を受ける。骨という武器を手に入れた猿人達はバクを撲殺して食肉を得、他の群れを殺して水飲み場を確保し、絶滅の危機からこの星の支配者へと変貌を遂げたのだった。
西暦1999年、地球衛星軌道上のスペースシャトルにはフロイド博士ただ一人が搭乗していた。彼はある特命を帯びて月へ向かう途中で、それは月面で謎の黒い石版が掘り出されたのでそれを調査せよというものだった。衛星軌道上に浮かぶ宇宙ステーションで月連絡船に乗り換えて月に向かうフロイド博士。月では伝染病発生の噂が流れていたが、それは謎の石盤発掘を他国に悟られないためにアメリカ政府が流したデマだった。月に到着した博士は会議の後、早速発掘現場であるティコ・クレーターに向かう。そこには猿人の前に現れた「モノリス」と同形の物が発掘されていた。やがてモノリスは太陽の光を浴び、謎のノイズを発するのだった。
西暦2001年、木星へと向かう惑星探査船「ディスカバリー号」の船内。現在活動しているのは船長のデイヴィット・ボーマンと副船長のフランク・プール2人だけで、残りのクルー3人は惑星探査が専門なので人工睡眠中だ。宇宙船の全ての管理を行っていたのはコンピューターHALだ。活動中のクルー2人はHALの監視とマスコミ対応が主な仕事で、退屈ながらも平穏無事な空気が船内に流れていた。突如HALがアンテナの故障を予報した。2人はアンテナの修理を決定し、船外活動を経て問題の発生したユニットを交換する。ところが持ち帰ったユニットには何の異常も見られなかった。悩んだ2人は発生の原因を突き止めようと、問題があると報告されたユニットをアンテナに戻し、実際に故障が発生するか確かめる事にした。しかし同時にもっと深刻な事態であるHALの故障である可能性を考慮し、HALの切断も検討していた。
予定通りプールがユニットをアンテナに戻すために船外に出た。するとスペース・ポッドが暴走しプールを弾き飛ばしてしまった。あわてたボーマンは別のポッドでプールを救出する。その間にHALは人工冬眠中の3人を殺害した。ボーマンはプールを抱えポッドで船に戻ってきた。しかしHALは船内に入るのを拒否。読唇術で2人が自身の切断を検討している事を知ったHALは、全ての人間を排除する実力行使に出たのだった。HALに翻意の可能性がないことを悟ったボーマンはプールの遺体を遺棄し、ポッドの扉を爆破するという強硬手段で船内に戻った。すぐにHALのロジック・メモリー・センターにおもむき、切断作業に着手する。その時、突然秘匿されていたビデオ・メッセージが流れ、この旅の本当の目的が告げられた。画面に現れたフロイド博士は、2年前に月で謎の石盤が発掘され、それが地球外知的生命体のものだと判明した事。その石盤が信号を発した先に木星があった事。その調査に5人のクルーとHALが当たる事。そして真の目的はHALにしか知らされていなかった事が告げられた。
木星圏にただ一人到達したボーマンは軌道上に巨大なモノリスを発見し、スペース・ポッドで調査に向かった。すると突然宇宙空間から光が溢れ出し、その中に吸い込まれていった。夢とも現実ともつかない光の回廊を抜けたボーマンは白いホテル風の部屋に到着する。そこには食事もベットも用意されていた。しかし時間の進むスピードが早く、あっという間に年を取り死の床についた。するとそこにモノリスが現れ、手を延ばすとボーマンは胎児(スター・チャイルド)に変貌を遂げ、地球圏へと帰還した。スター・チャイルドとして宇宙に浮かぶボーマン。その瞳が見詰める先には青い地球が光っていた。