【登場人物】HAL9000

 『2001年宇宙の旅』に登場し、余りにも魅力的なキャラであったためか、あっちこっちで引用、ネタ、パロディにされた、恐らく世界で一番有名なコンピュータ。

 HALとは、Heuristically programmed ALgorithmic computer (学習能力をプログラムされたコンピュータ)の略称。しかし、一般にはこの映画の協力企業である、IBMのアルファベットを一文字分だけ前にずらしたもの、 との説が知られている。 クラークは「偶然」を力説するが、当時IBMが映画に全面協力していたのだから、この一致に気付かない訳がない。秘密主義で内容は全く知らせられないまま協力させられられた揚げ句、いざ蓋をあけてみれば自社のロゴを付けたコンピュータが人間と敵対するお話だったなんて事じゃ、IBMもたまったもんじゃない(実際に当時は社員に『2001年…』を見ないようにとのお達しがあったようだ)。そんなIBMの怒りの火消しにやっきになったクラーク先生、というのが実際だったのだろう。

 また、世界で初めて歌を歌ったコンピュータはIBM700/7000シリーズだった。歌はもちろん『デイジー・ベル』。この事実からも「HALはIBMのもじりではない」という説明に説得力はない。

 尚、HALの声は当初ナレーターとして予定されていたダグラス・レインが担当した。

TOP 10 POSTS(WEEK)

【インスパイア】『2001年宇宙の旅』のHAL9000に影響されたと思われる、手塚治虫『ブラック・ジャック』のエピソード『U-18は知っていた』

【関連記事】キューブリックは『時計じかけのオレンジ』のサントラにピンク・フロイドの『原子心母』の使用を求めたがロジャー・ウォーターズが拒否した話をニック・メイソンが認める

【関連記事】撮影監督ギルバート・テイラーが『博士の異常な愛情』の撮影秘話を語る

【関連記事】英誌『Time Out』が選ぶ「映画史上最高のベストセッ●スシーン50」に、『アイズ ワイド シャット』がランクイン

【関連記事】抽象的で理解の難しい『2001年宇宙の旅』が世に残り続ける理由

【台詞・言葉】ハートマン先任軍曹による新兵罵倒シーン全セリフ

【オマージュ】キューブリックの孫、KUBRICKの『MANNEQUIN』のMVがとっても『時計じかけのオレンジ』だった件

【台詞・言葉】『フルメタル・ジャケット』でのハートマン軍曹の名言「ダイヤのクソをひねり出せ!」のダイヤとは「●ィファニーのカフスボタン」だった件

【関連記事】2021年9月30日に開館したアカデミー映画博物館の紹介記事と、『2001年宇宙の旅』の撮影プロップ展示の画像

【インスパイア?】「白いモノリス」らしき物体が登場するピンク・フロイド『ようこそマシーンへ(Welcome to the Machine)』の公式MV