【プロップ】ピースバッジ(Peace Badge)


 主人公のジョーカーが胸に付けていた「ピースバッジ」。平和の象徴である鳩の足跡をシンボライズしたもので、反戦平和のシンボルとして60年代に大々的に流行、反戦運動家も好んで使用したのはよく知られていますが、これを付けていたからといって『フルメタル…』を反戦映画と解釈するのは早計すぎ。今一度この主人公の「ニックネーム」を思い出してみて欲しい。

 また、ヘルメットに「Born To Kill(生まれながらの殺し屋)」と落書きされていたり、上官に「何故ピースバッジを付けているんだ?」との問いに、「ユングの二面性に関係するからです」と答えているからといって、『フルメタル…』を善と悪、正気と狂気の二面性を描いたものと解釈するのは早計すぎ。今一度この主人公の「ニックネーム」を思い出してみて欲しい。

 ・・・結局、戦争なんて「たちの悪い冗談」でしかない。戦場で浪費される兵士の命以外は。「弾丸は冗談を言わない」からね。

TOP 10 POSTS(WEEK)

【ブログ記事】1999年3月7日スタンリー・キューブリック監督の逝去に当たり、当ブログ(当時個人ホームページ)に寄せられたファンの追悼メッセージ集

【台詞・言葉】ハートマン先任軍曹による新兵罵倒シーン全セリフ

【考察・検証】『フルメタル・ジャケット』の幻のシーン「生首サッカー」は真実か?を検証する

【TV放映情報】NHK BSプレミアムシネマで2月26日(水)午前0:05より『フルメタル・ジャケット』オンエア決定

【上映情報】「午前十時の映画祭15」で『2001年宇宙の旅』『時計じかけのオレンジ』上映決定!!

【関連記事】スタンリー・キューブリックが好んだ映画のマスター・リスト(2019年11月22日更新)

【関連記事】『2001年宇宙の旅』1968年公開、スタンリー・キューブリック監督の叙事詩的SF。その先見性に驚く

【ブログ記事】11人の映画監督がスタンリー・キューブリックを語る

【インタビュー】『バリー・リンドン』の撮影監督だったジョン・オルコットのインタビュー[その1:ロケーション撮影、フィルター、照明、ネガフィルムについて]

【考察・検証】「フィクション」を「ドキュメント」するカメラマンの眼