【パロディ】スタバで「 I am Spartacus!」

 スターバックスを狙ったフラッシュモブと呼ばれるイタズラ動画が話題となっています。 

 剣闘士の男性は注文待ちの行列に並び、飲み物を注文しました。 そして準備が出来て店員が”スパルタカスさん”の呼び出しを行ったとき、 男性や他の仲間達が「私がスパルタカスだ!」と口々に叫んだのです。 これはスタンリー・キューブリックの「スパルタカス」の有名なシーンを再現したものでした。 事情を知らないスタッフや他の客はこの光景に衝撃を受け、そして大声で笑うしかなかったそうです。 

 最後に剣闘士の男性はゆっくりと余韻を残し、「私がスパルタカスだ。どうもありがとうございました。」と言いました。 この一連のパフォーマンスに店の中は拍手の渦に包まれました。 

 いたずらを主催したグループは、他にも数々の動画を撮影し、ネット上にアップロードしているとの事です。 

(引用:Mirror News/2013年11月29日



 ちょっと笑わせていただきました(笑。真面目な話をすれば、このシークエンスは『スパルタカス』で脚本を担当したダルトン・トランボが、共産主義者は仲間を売るようなマネはせず、連帯が強い事を示す意味で採用したものです。しかし時代は流れ、そんな共産主義の理想などこんなギャグのネタ程度にしかならなかったようです。

 キューブリックもこんな偽善まみれの嘘くさいシークエンスなど撮りたくはなかったでしょうけど、我慢して仕事に徹したんでしょう。その不満は次作『ロリータ』でのこのセリフで皮肉ってます。

 そんなキューブリックの態度に怒り心頭だったのが主演のカーク・ダグラス。その怒りは有名な「才能あるクソッタレ」へと繋がっていきます。

 でも、こうしてパロディにされるほど、このシークエンスは定番ネタとして定着しているって事ですよね。この事を存命中のカークはどう思っているのでしょうか。キューブリックはいち早く次作でパロディにしていますから、世の中は当時キューブリックが感じていた方向に動いた、と言えるでしょうね。

TOP 10 POSTS(WEEK)

【ブログ記事】1999年3月7日スタンリー・キューブリック監督の逝去に当たり、当ブログ(当時個人ホームページ)に寄せられたファンの追悼メッセージ集

【台詞・言葉】ハートマン先任軍曹による新兵罵倒シーン全セリフ

【考察・検証】『フルメタル・ジャケット』の幻のシーン「生首サッカー」は真実か?を検証する

【TV放映情報】NHK BSプレミアムシネマで2月26日(水)午前0:05より『フルメタル・ジャケット』オンエア決定

【上映情報】「午前十時の映画祭15」で『2001年宇宙の旅』『時計じかけのオレンジ』上映決定!!

【関連記事】スタンリー・キューブリックが好んだ映画のマスター・リスト(2019年11月22日更新)

【関連記事】『2001年宇宙の旅』1968年公開、スタンリー・キューブリック監督の叙事詩的SF。その先見性に驚く

【ブログ記事】11人の映画監督がスタンリー・キューブリックを語る

【インタビュー】『バリー・リンドン』の撮影監督だったジョン・オルコットのインタビュー[その1:ロケーション撮影、フィルター、照明、ネガフィルムについて]

【考察・検証】「フィクション」を「ドキュメント」するカメラマンの眼