投稿

2020の投稿を表示しています

【ブログ記事】『アイズ ワイド シャット』の未公開シーンの撮影風景3枚

イメージ
   『アイズ ワイド シャット』の未公開シーン。どの画像もアリスが海軍士官との浮気願望を覚えた、夏の休暇で行ったケープコッドのシーンだと思います。1枚目は「ザ・スタンリー・キューブリック・アーカイブ」にも掲載がある、以前から知られていたボート遊びのシーン、2枚目はニコール・キッドマンが乗馬をしているシーン、3枚目は珍しいトム・クルーズが自転車に乗るシーンです。  ケープコッドはwikiによるとアメリカ東海岸の有名な避暑地で、ケネディの別荘があることでも知られているそうです。日本で言えば軽井沢のようなイメージでしょうか?原作小説『夢奇譚』では一家の休暇はデンマーク(舞台はウィーン)だったのですが、秘密のパーティーのパスワードもデンマークであったため「偶然にしてはできすぎ感がある」ということで、避暑地はケープコッド、パスワードは「フィデリオ」に変更したのだと思います。そもそも舞台が19世紀末のウィーンから20世紀末のニューヨークに改変されているので「デンマーク」は使うことはできませんでしたが。  キューブリックの飛行機嫌いのため、撮影はアメリカのケープコッドで行われたはずがなく、似た風景のおそらくロンドン郊外のどこかだと思います。原作小説でもこの休暇のくだりはあまり重要ではないので、撮影をしていたこと自体が驚きなのですが、どのシーンも「休暇といえばサイクリング、乗馬、ボート遊び」的なありきたりなシチュエーションですし、回想シーンの予定でしょうから映画でも重要度は低いですね。カットするかもしれないけどとりあえず念のために撮影しておいた・・・という程度だと思います。

【考察・検証】『フルメタル・ジャケット』のエンディングに使用された『黒くぬれ!』は、キューブリックのファーストチョイスではなかったのではないか?という推論

イメージ
ダナンの基地に置かれたミッキーマウスの人形  1988年に公開されたスタンリー・キューブリック監督作品『フルメタル・ジャケット』。そのエンディング曲に使用されたザ・ローリング・ストーンズの『黒くぬれ!(Paint It, Black)』ですが、公開当時、映画ファンやロックファンの間ではあまり評判が良くありませんでした。なぜなら当時流行していたベトナム戦争映画では必ずロックが使われていたし、しかもよりによって「誰でも知っている」レベルのありきたりな曲だったからです。  この使用についてキューブリックは 「ストーリーをまとめたいと思うなら、あの曲を使うよ。また、ローリング・ストーンズはあの頃のシンボルのようなもので、あの曲はちょうどいい時期に世に出てきた。だからあの時代はローリング・ストーンズ抜きには語れないんだ」(引用元:キネマ旬報1988年3月上旬号) と発言しています。時代の象徴のストーンズという意味はわかりますが、では他の曲ではなくなぜ『黒くぬれ!』なのかはこれではわかりません。一説によるとキューブリックはポップ・ミュージックに疎く、この曲が「有名すぎるぐらい有名な曲」だということを知らなかったのではないか?という話もあります。  キューブリックにしてはあまりにも安易(たとえ「戦争の真実は権力によって黒く塗りつぶされる」という意図だとしても)ではないか?と考えた管理人は、他に理由があるのではないかと考え、「実はキューブリックはこの『黒くぬれ!』はファースト・チョイスではなかったのでは?」と、以下のような仮説を提唱しています。  キューブリックは当初、行軍で『ミッキーマウス・クラブマーチ』歌うシーンに続けて、エンディングに『ミッキーマウス・マーチ』のオリジナルバージョンを使用する予定だったが、ディズニーから許可が下りず、仕方なくセカンンドチョイスとして『黒くぬれ!』を使用した。  その根拠として、キューブリックは『ミッキーマウス・クラブマーチ』について 『ミッキーマウス・クラブ』の歌は実際に海兵隊員によって歌われたんだよ。もっとも「MICKY MOUSE」ではなく「FUCKED AGAIN」と歌ってたけどね。この『ミッキーマウス・クラブ』の歌を歌ったのは18~19歳の少年兵で、彼らは数年前までTVで『ミッキーマウス・クラブ』を見ていたんだ。彼らがつい最近まで子供だ...

【ブログ記事】スタンリー・キューブリック監督に関する「超マニアック」クイズ

イメージ
 スタンリー・キューブリック監督に関する「超マニアック」クイズを作成しました。設問は10問までしか設定できませんでしたので、自主制作の『恐怖と欲望』『非情の罠』、キューブリックが自作と認めていない『スパルタカス』は省きました。  自分自身のマニア度を客観的に評価できないので、設問の難易度設定には苦労しました。タイトルに「超マニアック」と入れましたが、人によって難易度の感じ方はさまざまだと思います。管理人もTwitterで見かけるこういったクイズに何度か挑戦したことがあるのですが、「激ムズ」といいながらそんなに難しくない(ほとんど答えがわかり、数問だけカンで答えれば全問正解してしまう)ものが多いのですが、当ブログが作る以上、そんなに簡単では「その程度?」と思われるのも嫌なので、キューブリック全作品を一通り観ただけでは全問正解できない程度には難しくしました。また、「ひっかけ問題」もありますので注意してお答えください。  もちろんこの結果で「キューブリック愛」をはかろうというものではないので、「お遊びのひとつ」程度とお考えいただければいいと思います。それよりも解説を充実させることで、遊んでいただいた方にキューブリックに関する知識を増やしていただけるように配慮したつもりです。ですので、ぜひ解説も読んでくださいね。  それでは、 こちら から皆様の挑戦をお待ちしております!

【関連動画】激レア!!『時計じかけのオレンジ』1973年のTVスポット

イメージ
  これはすごい!よくこんなの残っていましたね。1973年にTVスポットとして使用された16mmフィルムなのですが、30秒に収めるために予告編の後半部分がカットされています。途中「R指定」というナレーション(多分)が入るのもレア。タイトル画像にもR指定と明確に表示されていて、公開当時物議を醸した映画であることが伺えます。下記の劇場版の予告編と比べてみると編集具合がよくわかりますね。