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【スペシャルレポート】Bunkamura ル・シネマ渋谷宮下で『アイズ ワイド シャット』35mm上映を鑑賞してきました

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 2023年10月7日、Bunkamura ル・シネマ渋谷宮下で『アイズ ワイド シャット』35mm上映を鑑賞してきました。作品についての考察は他の記事に譲るとして、この「35mm上映」という企画の是非について考えたいと思います。  まず、上映側の事情として、35mm(フィルム)上映には専門の技術が必要であり、技術者の育成、技術の継承という意味からもこういった定期的な上映が必要であるということは理解しています。ですが視聴者側として、現在デジタルでより鮮明な映像で視聴できる環境があるにもかかわらず、フィルム上映をあえて鑑賞する意義はあまりないな、というのが正直な感想です。  もちろんキューブリック存命時のフィルムをそのまま視聴できるというのは滅多にない機会ですし、それはそれなりに堪能させていただきました。ですが、私が個人的にDCP上映との差を感じるのは「音響」についてです。それは映像以上に決定的な差として存在しています。やはり没入感が違うんですね。フィルム世代の私でさえそう思うのですから、デジタル世代にとってはそれ以上でしょう。これではフィルム作品の良さを次世代に伝える際、大きなハンデになりかねません。  当ブログでもフィルム作品のDCP化で音響の貧弱さを何度か指摘していますが、映像はスキャナの高性能化でどうにかなっても、音響については現在の多チャンネル、デジタル音響にいったん慣れてしまったら、なかなかそれを「味」として認識しづらいものがあります。フィルムの粒状感は「味」と言えるんですけどね。  この記事を映画関係者がご覧になっているかどうかわかりませんが、デジタルスキャンの高精細化はこのぐらいにして、フィルム作品の劣悪なサウンドトラックをデジタル時代にふさわしいクリアで迫力ある音響にリマスタリングできる技術の確立を、切にお願いしたいですね。

【上映情報】Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下にて『アイズ ワイド シャット』『A.I.』が35mmフィルムで上映決定

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「ワーナー・ブラザース創立100周年記念上映"35ミリで蘇るワーナーフィルムコレクション" selected by ル・シネマ」開催決定  「ワーナー・ブラザース創立100周年記念上映"35ミリで蘇るワーナーフィルムコレクション" selected by ル・シネマ」を2023年9月29日(金)から11月2日(木)まで、Bunkamura ル・シネマ渋谷宮下にて開催致します。100年の歴史を彩った作品の中から、上映劇場であるBunkamura ル・シネマ渋谷宮下が15作品を厳選し、貴重な35ミリフィルムでの上映を行います。『ダーティハリー』から上映が始まり、最後はトム・クルーズと日本の渡辺謙らが共演した『ラストサムライ』という濃厚なラインアップ。『アイズワイドシャット』は12年ぶり、『ビフォア・サンセット』は13年ぶりの上映となります。ワーナー・ブラザースの60年代後半から2010年代までの代表的作品を、35ミリフィルムで鑑賞できる貴重な上映となります。是非、この機会にお楽しみください。 作品セレクションについて  ことの発端は昨年末の打ち合わせでした。  ワーナー・ブラザースが100周年を迎える2023年度、ちょうどル・シネマも「Bunkamura ル・シネマ渋谷宮下」のオープンを控えており、ならばその偶然を祝し、「ル・シネマの映写機を使って、35ミリフィルム上映で100周年企画をやりませんか?」というお話になりました。  普段は上映している映画の大きさもタイプも異なり、お互いに接点も少ないワーナー・ブラザースとBunkamura ル・シネマ。そんな我々がセレクトをすることで、数々の名作を見つめ直す新たなきっかけが生まれてくれたら...と、あれもこれも上映したいと悩みつつ、スタッフたちと選んだのが今回のラインナップです。  まずワーナー・ブラザースの顔といえばクリント・イーストウッド。数ある作品からやはり代名詞である『ダーティハリー』は外せない...、「大人になったらあんな風にアンサンブルの似合う女性になりたい」と憧れた『おもいでの夏』、青春のサーフィン・ブームど真ん中、ラストシーンに胸を熱くした『ビッグ ウエンズデー』、鮮烈な映画体験として記憶に残る『ガープの世界』...などと妄想していたら、いきなり仕事を忘れ、いち映画フ...

【関連記事】トム・クルーズ(を)、『アイズ ワイド シャット』脚本家が「自己中心的な仕切り屋」と批評

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 トム・クルーズ(61)が、主演作『アイズ・ワイド・シャット』の脚本家フレデリック・ラファエル(91)から「自己中心的な仕切り屋」と非難されている。同1999年作で監督を務めた故スタンリー・キューブリックと仕事をした際に経験した問題について以前から語ってきたラファエルが、今回、一度も会ったことがないというトムを自身の新刊の中で批判したかたちだ。  ラファエルは新著『ラスト・ポスト』に掲載した手紙の中で、トムとキューブリックの妻クリスティアーヌ・ハーラン、その弟ヤンが自身のウィキペディアに不名誉な書き込みをして、キューブリックの「歴史」から自身を抹殺しようとしたと指摘している。  メール・オンラインによると、ラファエルはこう綴っているという。「私が最終版の『アイズ・ワイド・シャット』にはあまり関わらなかったというハーラン一家による絶え間ないキャンペーンが続いている」「ハーラン一家とクルーズ様は、私のウィキペディア・ページに誹謗中傷を書き込むことに成功した」  「名誉毀損で訴えることもできるだろうが、私はそのような現代的なスキルや、それを推し進める陰鬱なエネルギーも持ち合わせていない」「私はこれまで嘘つきと呼ばれたことは一度もない。ハーラン一族や、自己中心的な仕切り屋であり、私が一度も話したことのないトム・クルーズからはそう言われている」「撮影後、彼は私に仕事をくれた。私を鎖につないで置く方が良いということだろう」  また91歳のラファエルは、トムと当時結婚していた共演の女優ニコール・キッドマンについても言及。「クルーズとキッドマンが、キャリア的合併ではなく本物の情熱で繋がっていると本当に言えるだろうか?」「キッドマンは多くの人にとって長年スターであり続けているが、彼女の映画の中で1本でも、もう一度観たいというものを思いつくだろうか」と続けている。  ウィキペディアには、1999年のインタビューでトムが、ラファエルが回顧録『アイズ・ワイド・オープン』の中で、キューブリックとの経験を批判的に語っていることに対し、「彼(ラファエル)はスタンリーが生きていたら書いていなかっただろう。日和見主義で利己的、正確さに欠ける。僕はあの男を全く知らないし会ったこともない。後で人々がどのように行動するのか目にするのは興味深いことだった」と語っていたと記載されていた。 (引用: よろず〜ニ...

【関連記事】カリフォルニアを車で行く。 ⑦ハーストキャッスルへ

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スパルタカス』でクラッススの別荘として登場したハースト城 〈前略〉 【Vol.7】サンタバーバラ→サンシメオン(ハーストキャッスル)  古き良きカリフォルニアの空気が漂うセントラルコースト。サンルイス・オビスポ・カウンティはその中心に位置する、風光明媚(めいび)な景観と広大なワインカントリーに囲まれたエリアです。そこで今回は、その中にあるサンシメオンという美しい海岸線の街を目指します。  ここはかつて新聞王と呼ばれ、メディアコングロマリット「ハースト・コーポレーション」の創業者でもあるウィリアム・ルドルフ・ハーストが育った町。彼はこの美しい海岸線を見下ろす丘の上に、膨大な資金を投じて豪華絢爛(けんらん)な城を建設しました。それが「Hearst Castle(ハーストキャッスル)」です。完成後は妻と別居してここで愛人と暮らし、ハリウッドスターや政財界の要人をここでもてなし、まさにメディア王としての生活を謳歌(おうか)したのでした。 〈中略〉  映画のロケなどの商業撮影はほとんど許可されていませんが、なぜか以下の次の二つのプロジェクトにだけは撮影許可が出ています。一つはカーク・ダグラス製作総指揮、スタンリー・キューブリック監督の1960年公開の映画『スパルタカス』。ローレンス・オリヴィエ扮(ふん)するクラッススの別荘として、ハーストキャッスルがスクリーンに登場しています。もう一つは2014年のレディ・ガガの『G.U.Y.』のミュージックビデオです。ネプチューン・プールとローマン・プールで撮影されました。 (引用: エスクアィア日本版/2023年7月13日 )  メディア王ハーストは、映画ファンなら誰もが知るオーソン・ウェルズの傑作『市民ケーン』のモデルとして有名ですが、その邸宅であるハースト城が商業撮影を許可していないとは知りませんでした。確かにロケにはおあつらえ向きの施設なのに、頻繁に映画に登場しているという印象はなかったですね。  その希少なロケ作品に『スパルタカス』が含まれるわけですが、キューブリックは『市民ケーン』を高く評価していたので、そのモデルとなったハーストの居城でのロケ撮影に感慨深いものがあった・・・のかどうかは証言がないので不明です。ただ、キューブリックが思い通りに作れなかった(不満タラタラだった)本作であっても、ほぼ全編においてキューブリックの判断と...

【関連動画】元アメリカ海軍が解説「映画でよく見るありえない設定」とは? | GQ JAPAN

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 元アメリカ海兵隊歩兵のジェームズ・ラポルタが、「ジャーヘッド」、「フルメタル・ジャケット」、「ハクソー・リッジ」、「ハートブレイク・リッジ」など、映画の有名なシーンが現実にどこまで忠実かをレビューする。 (引用:動画説明文より)  解説者は『フルメタル・ジャケット』の「ジェリー・ドーナッツ・シーン」を評しています。そして「ベトナム戦争当時を描いたものとしてはかなり正確」とし「『フルメタル・ジャケット』がアメリカ海兵隊に与えた影響は大きい」とも。これはこの方だけでなく、海兵隊の退役軍人が口を揃えてそう評しています。公開当時一部の評論家から「リアルさに欠ける」との批判もあった『フルメタル…』ですが、評論家の言う(映画の世界の中での)リアルさと(実際の軍隊での)リアルさは違う、ということなんでしょうね。

【スペシャルレポート】四谷三丁目駅・曙橋駅最寄、新宿区荒木町のロックバー『テキサスフラッド』で「レッドラム」

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「レッドラム」と「ジャック・ダニエル」と「ジャック・ニコルソン」でとっても『シャイニング』  新宿区荒木町にあるロックバー『テキサスフラッド』に「レッドラム」というラム酒が置いてあります。もちろん元ネタは『シャイニング』でダニーがつぶやく謎の言葉。スペルをひっくり返せば・・・という、ファンなら誰もが知るトリックです。そのトリックもボトルに再現されていて、なかなか凝っていますね。 「レッドラム」のボトルのアップ。ボトル裏側に印刷された「REDRUM」を正面から読むと・・・  味はかなり甘めのラム酒なので、基本的にはカクテルベースで使うお酒だと思いますが、ショットバーでもなかなか置いていませんし、普通のバーならなおさらです。ですので「自分で買うほどじゃないけど、ちょっと試しに飲んでみたい」と思われたなら、『テキサスフラッド』ならストレートでもロックでもソーダ割りでも好きな飲み方で楽しめます。もちろんロックバーですので、BGMはロック(1960~1970年代がメイン)ばかり。店名を聞いてピンと来る方もいるかと思いますが(詳しくは こちら )、大音量でロックとお酒に酔ってみたいという方にはうってつけです。  実はこのお店、マスターとは個人的に長い付き合いがありました。残念ながらコロナ休業中の一昨年初め、急病により他界されてしまいました。現在は奥様がマスターの遺志を継いで営業を継続中です。場所は東京メトロ四谷三丁目駅と都営地下鉄曙橋駅が最寄の新宿区荒木町。狭くて細い路地「柳新道通り」の中ほどの建物の2階です。行かれる方はGoogleマップ必須です。かなり迷いやすい場所ですが、ストラトを飾った電飾看板が路地にありますので、それを目印にお越しください。 じんまりとした店内と、居心地の良いカウンターと椅子 柳新道通り中ほど、入口階段前にある電飾看板にはストラトがくっついています ロックバー『テキサスフラッド 』 【OPEN】火・水・金・土曜日 午後6:00~10:00 【住所】東京都新宿区荒木町7-2 【電話】03-3351-2969 【MAP】 Google Map 【HP & Blog】 https://texasflood.blog.jp/ 【Facebook】 https://www.facebook.com/master.tekifura 【Twitter】 ht...

【ブログ記事】1999年3月7日スタンリー・キューブリック監督の逝去に当たり、当ブログ(当時個人ホームページ)に寄せられたファンの追悼メッセージ集

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 1999年3月7日、スタンリー・キューブリック監督は突然スターチャイルドになってしまいました。その時の衝撃は今でも忘れることはできません。以下のメッセージはその突然の訃報に接し、急遽設けた追悼用の掲示板(BBS)に書き込まれたファンのメッセージです。これらは全てをプリントアウトし、ワーナーブラザーズに郵送させていただきました。ワーナーからは「遺族に伝えたいと思います」という内容の丁寧なお礼のメールが届いたことを、当時のホームページ上でご報告させていただいた記憶があります。  それから24年が過ぎた現在、キューブリックをリアルタイムで知る方達が鬼籍に入りつつあります。それと入れ替わるようにキューブリックをリアルタイムで知らない世代(存命時には生まれていたが、存在を知ったのが逝去後)が「リアルタイム世代が知っているキューブリック像とは異なるイメージ」を語るようになってきました。もちろん現在キューブリックは存命していないので、存命当時の「生きているキューブリック像」を彼らは語りようがないのですが、それもこれも「悪しきキューブリック伝説(デマ)」が、(アクセス集めを目的に)あまりにもネットに流布され続けたためだと危惧しております。  この「当時のファンの追悼メッセージを公表する」という試みは、そんな「悪しきキューブリック伝説」を少しでも訂正したいという意図があります。もちろんお名前は伏せ字にさせていただいておりますが、メッセージの内容の著作権は書き込まれた方ご本人にあります。もし「メッセージを公表しないでほしい」という方がいらっしゃいましたらご一報ください。削除対応させていただきますので。  なお、管理人のログ管理がズボラであったため、全メッセージを保存できていなかったことをお詫びいたします。本当はこの2~3倍くらいあったのですが・・・。申し訳ございません。 3月7日に亡くなった、スタンリー・キューブリックについてご記帳ください。 (※掲示板の設置日:1999年3月9日) ------------------------------------------------------------------------ (無題) 投稿者:k***** 投稿日:03月09日(火)19時44分39秒  ショックです。 監督が創造する近未来がとても好きでした。 いつみても新...

【関連記事】キューブリックの初期作品『拳闘試合の日』『恐怖と欲望』『非情の罠』『現金に体を張れ』『突撃』のサントラを担当したジェラルド・フリードが逝去

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 「ルーツ」でエミー賞を受賞し、「スタートレック」、「ギリガン君SOS」の作曲家であるジェラルド・フリードが95歳で死去  画期的なミニシリーズ「ルーツ」でエミー賞を受賞し、「スタートレック」から「ギリガン君SOS」まで1960年代の音楽を担当し、テレビを見ていた世代に忘れがたい印象を残した作曲家ジェラルド・フリードが、金曜日、コネチカット州ブリッジポートのセント・ビンセント病院で肺炎のため亡くなりました。95歳だった。  フリードは幼なじみのスタンリー・キューブリックに映画を教わった。フリードは新進監督の最初の短編である1951年の「拳闘試合の日」を作曲し、その後、キューブリックの最初の長編4本を作曲することになる。その後、「恐怖と欲望」、「非情の罠」、「現金に体を張れ」、そして1957年の反戦映画「突撃」まで、キューブリック監督の長編映画4作品の音楽を担当した。また、ロバート・アルドリッチ監督のもとでは、『シスター・ジョージの殺意』(68年)、『遅すぎた英雄』(70年)など4作品の音楽を担当している。  その他、ジャック・ニコルソンのデビュー作『クライ・ベイビー・キラー』(58)、ロジャー・コーマン監督の『マシンガン・ケリー』(58)、異人種間結婚物語『ワンポテト、ツーポテト』(64)、シルヴィア・プラスの映画化『ベルジャー』(79)などを担当した。1975年には、ウォルパー監督の「Birds Do It, Bees Do It」でアカデミー賞にノミネートされ、オリジナル楽曲賞にノミネートされた唯一のドキュメンタリー映画となった。  1928年2月13日、ブロンクスで生まれたフリードは、ニューヨークのハイスクール・オブ・ミュージック・アンド・アートに通った。ジュリアード音楽院でオーボエを学び、1948年から1956年まで、ダラス交響楽団、ピッツバーグ交響楽団、ニューヨークのリトルオーケストラで第一オーボエ奏者を務めた。1957年にロサンゼルスに移り、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団で1シーズン演奏した。  フリードは1928年2月13日、ブロンクスに生まれ、ニューヨークのハイスクール・オブ・ミュージック&アートに通った。ジュリアード音楽院でオーボエを学び、1948年から1956年まで、ダラス交響楽団、ピッツバーグ交響楽団、ニューヨークのリトルオーケ...

【関連記事】スティーブン・スピルバーグ、スタンリー・キューブリックの『ナポレオン』を「大作にする」。HBOで7部作の限定シリーズとして企画が決定

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キューブリックによる『ナポレオン』の衣装の試作。左の少女は長女のカタリーナ、右は次女のアンヤ?  スタンリー・キューブリックの失われたプロジェクトのひとつ、ナポレオン・ボナパルトの大規模な伝記映画は、ここ7年間、HBOのために製作されてきたものだ。  少なくとも10年前から関わってきたスティーブン・スピルバーグは、現在「大作を製作する」と語っており、このプロジェクトはプレミアムケーブルネットワークのための7部作になる予定だそう。  Deadlineによると、このプロジェクトはまだ開発段階だが、シリーズ化のオーダーは間近だという。  ベルリン映画祭でスピルバーグ監督は、「クリスティアン・キューブリックとヤン・ハーランの協力のもと、スタンリーのオリジナル脚本『ナポレオン』をもとに、HBOのために大作を制作しているところです」「ナポレオンは7部作のリミテッドシリーズとして取り組んでいます」と語っている。 (引用: Deadline.com/2023年2月21日 )  何年も噂になっては消えていたキューブリックの『ナポレオン』の映像化ですが、スピルバーグの名前が挙がってからもずいぶんと時間が経ってしまいました。その本人がここまでの発言をするのですから、期待してもいいのではないでしょうか。  記事には監督の名前が挙がっていませんが、過去にはキャリー・フクナガ、バズ・ラーマンの名前が取りざたされていました。スピルバークが『ナポレオン』の映像化を企画しているというニュースは管理人が知る限り、一番古いものですでに2013年に報じられています。  それから約10年、ここにきてこのニュースです。実現の可能性は高いと・・・見ていいんでしょうね?

【関連記事】キューブリックの未亡人、クリスティアーヌ・キューブリックが主催していた『チルドウィックベリー・アートフェア』が終了に

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2021年に開催された『チャイルドウィックベリー・アートフェアー』の様子。動画制作はカタリーナの三男、ジャック・ホッブス キューブリック所有のチャイルドウィックベリー邸、毎年恒例のアート&クリスマスイベントを中止  米国の映画監督スタンリー・キューブリックの遺族は、彼がかつて住んでいた英国でのアートフェスティバルとクリスマスマーケットを今後開催しないことを明らかにした。ハートフォード・シャーにあるチャイルドウィックベリー・エステートでのイベントは、20年にわたり彼の芸術家の妻が主催していたものです。クリスティアーヌ・キューブリックは現在90歳で、そろそろ引退の時期だと感じています。娘のカタリーナ・キューブリックは、主催するのは「大変な仕事」であり、母はもうそれをしない「権利を得た」と考えている、と語っています。 〈以下略〉 (引用: BBC.com/2023年1月12日 )  キューブリックの長女、カタリーナは「私の母は5月に91歳になり、もうやりたくないと思っています。大変な仕事ですが、彼女は自分の役割を果たしたと思います」と語っているそうなので、残念ですが昨年のクリスマス・マーケットが最後ということになるそうです。  キューブリックとクリスティアーヌは『突撃』のラストシーンに登場するドイツ人少女としてキャスティングされたのをきっかけに恋人同士になり、結婚し、その後の生涯を「良き伴侶」として過ごしたのですが、1999年にキューブリックが亡くなった後も自身は画家・アーティストとして活動を続けてきました。キューブリックはクリスティアーヌに女優の仕事を続けて欲しかったのですが、クリスティアーヌは女優業にはあまり乗り気ではなく、画家になりたかったと語っています。そんなクリスティアーヌをキューブリックは頼りにし、作品中のあちこちに飾られた絵画はクリスティアーヌの作品であったり、『2001年宇宙の旅』では異星人の造形を手伝ったりもしています。  また、それ以上に重要なのは、映画製作で悩んだり苦しんだり落ち込んだりした時に、励まし続けたのはクリスティアーヌだったという事実です。他人には自信たっぷりに振る舞うキューブリックでしたが、うまく事が運ばないと自虐的になることもあり、そんなキューブリックを精神面で支えたのがクリスティアーヌだったのです。  そのクリスティアーヌも今年5月で...

【ブログ記事】『2001年宇宙の旅』公開直後のキューブリック本人によるラストシーンのネタバレコメント

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"What happens at the end of the film must tap the subconscious for its power. To do this one must bypass words and move into the world of dreams and mythology. This is why the literal clarity one has become so used to is not there. But what is there has visceral clarity. It is for this reason that people are responding so emotionally. The film is getting to them in a way they are not used to. Obviously, in making the film we had to have some specifics in order to design, build and shoot. This has no value to the viewer even if he thinks otherwise."Here is what we used for planning:"In the Jupiter orbit, Keir Dullea is swept into a star- gate. Hurtled through fragmented regions of time and space, he enters into another dimension where the laws of nature as we know them no longer apply. In the unseen presence of godlike entities, beings of pure energy who have evolved beyond matter, he finds himself in what might be described as a human zoo, created from his own dreams and...

【パロディ】アイドルグループのクマリデパート『2060年チェリーブロッサムの旅 』が、何から何まで『2001年宇宙の旅』だった件

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 タイトルも歌詞もMVも衣装も何もかもが『2001年宇宙の旅』な、クマリデパートの『2060年チェリーブロッサムの旅 』という曲がありましたのでご紹介。  あまり一般には知られていない(?)アイドルですが、「なに?管理人ってアイドル詳しいじゃん!」と思われるかもしれません。実はYouTubeのオススメに出てきたドクター・フィールグッド(昨年ウィルコが亡くなってしまいました。泣)のライブ映像をクリックしたところ、突然広告としてこのMVが流れ始めたのです! ドクター・フィールグッドのつもりがアイドルだったという落差と、どう見たって元ネタは『2001年…』以外ありえないMVをただ呆然と見てしまい、いつもならさっさと「広告をスキップ」をクリックするのですが、それを忘れて全編見入ってしまいました。  演じているご本人たちは元ネタをご存知かどうかわかりませんが、最後にアレが登場してますます唖然!良くも悪くも徹底していて、ここまでくると「まあ・・・ご自由にどうぞ・・・」と思うほかないですね。

【関連記事】キューブリックに直接会ってインタビューを敢行した数少ない(唯一?)の日本人、映画評論家の河原畑寧(かわらばた・やすし)さんが逝去されました

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ジェローム・アジェルの『メイキンク・オブ・2001年宇宙の旅』の原書(左)と訳本(右)  映画評論家の河原畑寧(かわらばた・やすし)氏が4日、肺がんのため死去した。88歳だった。葬儀は近親者で済ませた。喪主は妻、設子さん。  東京大学卒業後、1957年に読売新聞社入社。69年から映画評を担当し、カンヌを始めとする数多くの国際映画祭も取材した。94年の定年退職後は映画評論家として活動。2017年に日本映画ペンクラブ賞と「映画の日」特別功労章を受けた。著書に「映画への旅」がある。 (引用: 読売新聞/2023年2月07日 )  キューブリックファンには馴染み深い、映画評論家の河原畑寧さんが逝去されました。故人のご冥福をお祈りいたします。  河原畑さんといえば、ジェローム・アジェルの『メイキンク・オブ・2001年宇宙の旅』(上記画像)で唯一紹介されている日本人の評の執筆者として有名です。初公開時に作品の本質を見事に言い当てているのはさすがですね。この件に関して、同じくキューブリックファンには忘れらない映画評論家の石上三登志氏は「当人は(掲載の事実を)知らなくて僕が教えた」「悔しかったよ、もう。笑」と羨ましがっていました。  その河原畑さんは、キューブリック本人に直接会ってインタビューを敢行した数少ない(唯一である可能性も)日本人です。そのインタビューはイメージフォーラム1988年6月号に掲載されています。キューブリックが河原畑さんのインタビューを受ける気になったのは、『メイキング…』での好意的な評が影響したのではないかと想像しています。キューブリックは意外と評価や評判を気にする人なので。  河原畑さんのような「『2001年…』リアルタイム世代」が次々に鬼籍に入るのは年代的にしかたがないこととはいえ、とても寂しい限りです。現在の若い映画ファンはキューブリックをリアルタイムで知らないせいか、神格化するか鬼畜扱いするかの二極化が進んでいるような気がします。私たちのような「キューブリックリアルタイム世代」がなるべく正しいキューブリック像を伝え、残していくことはますます重要になってくるでしょう。河原畑さんのお力には及ぶべくもないですが、私もソースに基づいた正しい情報発信を肝に銘じつつ、河原畑さんへの感謝と哀悼の意を表したいと思います。

【パロディ】みすず学苑のTVCMが『2023年学苑生の旅篇』というなんともアレな件

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 みすず学苑ってどっかで聞いたな、と思っていたら、電車のドアのステッカー広告で、謎の弥生人が登場するというブッ飛んだビジュアルで話題の学習塾(予備校)ですね。ですので『2023年学苑生の旅』という、単なる思い付き以上でも以下でもない(笑)このCMも、その延長線上ならなんら不思議ではない・・・ということなんでしょう。  このみすず学苑、運営元は新興宗教団体で、学校法人格は取得していないそうです(・・・)。まあこれ以上は触れない方がベターですね(汗。

【関連記事】マクドナルドが不良のたまり場にならないための秘策は「Wi-Fiをオフにしてベートーヴェンを流す」

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キャットレディがアレックスをぶん殴る像もベートヴェン。このように劇中にはベートーヴェンがいくつも登場している  深夜まで開いているファストフード店やファミリーレストランが抱える悩みの1つに、不良やホームレスがたむろしてしまうことがあります。イギリス・ウェールズ地方のレクサム市にあるマクドナルドでは不良がたむろしないようにするため、Wi-Fiをオフにした上に、店内のBGMをベートーベンなどのクラシック音楽に切り替える対策を行っていると報じられています。 〈中略〉  ヒューズ警部補は「有名なファストフード店が夕方17時からクラシック音楽を流すことで、地元で手に負えない不良がベートーヴェンの愛好家でない限り、いくつかの問題は阻止できるはずです」とコメントしました。  なお、地元メディアのWales Onlineは「映画『時計じかけのオレンジ』では、ベートーヴェンの交響曲第9番やエルガーの『威風堂々』などのクラシック曲がチンピラ集団による凶悪行為のBGMとなっていました」と述べ、マクドナルドの試みがうまくいくかどうかはまだわからないとしています。 (引用: Gigazine/2023年2月1日 )  『時計じかけのオレンジ』で不良集団(ドルーグ)の暴行のテーマ曲になっていたのはロッシーニの『泥棒かささぎ』やジーン・ケリーの『雨に唄えば』で、必ずしも『第九』ではなかったのですが、まあ細かいことは置いといて、店内のBGMをクラシックに変える程度のことでそういった不良行為が抑止できるとはちょっと思えません。まあ、あまり真面目に受け取るような記事ではないとは思いますが(Gigazinだし。笑)、昨今問題になっている回転すし店などにおける飲食テロ行為も、元を辿れば稚拙な「承認欲求」「存在感誇示」ですので、BGMを変えた程度のことでどうにかなる問題でもない気がします。Wi-Fiオフは効果あるかも知れないですが。  ところで『時計…』とマクドナルドといえば、劇中に登場したレコードショップ「チェルシー・ドラッグストア」が現在マクドナルドになっています。そのマクドナルドが不良対策でベートヴェンを流す・・・なんとも皮肉めいた話ですね。

【関連記事】頼もしい!トム・クルーズ、トッド・フィールド監督のデビュー作をワインスタインの魔の手から救っていた

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「ビルとニック」で『アイズ ワイド シャット』に出演したトムとトッド  最新作『TAR/ター』(5月日本公開)で16年ぶりにメガホンをとり、賞レースを賑わせているトッド・フィールド監督。そんなフィールド監督がこの度、2001年の長編デビュー作『イン・ザ・ベッドルーム』について、俳優のトム・クルーズがワインスタインの魔の手から救ってくれたと明かした。 〈中略〉  本作はサンダンスで高評価を受けた後、ミラマックスが権利を獲得するが、当時ミラマックスを仕切っていたのは、近年数々の性暴力が明るみに出て有罪判決が下ったハーヴェイ・ワインスタインだった。彼は制作者から作品を取り上げ、好きに編集することで悪名高かったそうだ。  フィールド監督は「バスルームで泣いた」と当時を振り返り、トム・クルーズに電話して、酷いことが起きたんだと訴えたそうだ。するとトムは、「君がすべきことはこうだ。6ヵ月かかるけど、彼に勝てるぞ。僕がこれから言うことを1つずつ、確実に実行するんだ」とアドバイスをくれたそうだ。  すでにプロデューサーとしても活躍していたトムのアドバイスは、まず、ワインスタインに映画を好きに編集させ、試写で悪い評価を受けさせる。その上で、サンダンスでの高評価を提示し、オリジナルの編集で公開させるというものだったそう。フィールド監督はトムのアドバイスに従い、見事オスカー候補入りを果たしたというわけだ。 〈以下略〉 (引用: クランク・イン!/2023年1月17日 )  『アイズ ワイド シャット』のビルとニックの心温まる話が報じられていたのでご紹介。  『アイズ…』は撮影期間が一年以上と長期間に渡ったので、出演者同士で仲良くなる時間もたっぷりあったんでしょうね。トム・クルーズとトッド・フィールドは友人同士になったみたいです。そのトッドが映画監督に転身したのは知らなかったのですが、よりによってセクハラ・パワハラの権化、ハーヴェイ・ワインスタインと絡むことになってしまうとは。今更この御仁の擁護をする人などいないでしょうが、トムがトッドにしたたかな「生き残り戦略」を指南し、見事思惑通りに事が進んだようです。  業界をしたたかに生き抜いたキューブリックも他の映画監督や俳優などによく相談され、今回のトムと同じように業界で生き抜く戦略を指南していたそうなのですが、キューブリックの場合、悪評(しか...

【パロディ】「もしジョージ・ルーカスが『2001年宇宙の旅』を監督したら?」というパロディ動画

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 「もしジョージ・ルーカスが『2001年宇宙の旅』を監督したら?」というパロディ動画がTwitterで話題になっていましたのでご紹介。  いや、無駄に完成度が高いのが素晴らしいですね。ダース・ベイダー的扱いのHALのオチも効いています。ボーマンの映像のサンプリングも違和感なく合わせているし、なるほど、ディスカバリー号の形状はなんとなくデス・スターに似てますね。  エンドクレジットにもクラークの名前を入れるという懲りよう。妙に説得力があります(笑。でも、管理人に謎の感動を呼び起こさせたのはオープニングのロゴ!このロゴあってのジョン・ウィリアムズ(ジョン・ウィリアムスあってのこのロゴ?)です。  ところでこの動画の作者、約一年前に「もしスタンリー・キューブリックが『スター・ウォーズ』を監督したら?」という動画もアップしています。こちらはイマイチ。この反省を生かしての、今回のこの動画の完成度なのかも知れませんね。

【関連動画】ソニー公式がアップロードした『博士の異常な愛情』の字幕付き予告編

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 特別版DVDやBDに収録されている『博士の異常な愛情』の予告編に字幕を付けた動画をソニー公式がアップしていましたのでご紹介。  この予告編を制作したのは、オープニング・シークエンスも担当したパブロ・フェロ。キューブリックは当初アーサー・リプセットにオファーしていたのですが断られてしまったために、当時CMディレクターをしていたパブロ・フェロにオファー。ものの見事にキューブリックの期待に応えたのでした。BGMやナレーションは『Dr. Strangelove and the Fallouts: Love That Bomb』が使用されています。  ところで予告編最後の「月曜日、もしくは再来週の木曜日。もしくは日、水、金、火、土曜日に見てください」ってどういう意味なんでしょう・・・?当時のギャグか何かなんでしょうか?謎です。

【関連記事】ギャレット・ブラウン講演会~カメラを人間の目の感覚に近づけ続けてきた人生

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記事内で紹介されているステディカムのデモ映像。モデルの女性はギャレット・ブラウンの奥さん(当時はガールフレンド)  10月6日、ナックイメージテクノロジーにおいて、ステディカムの開発者であり、オペレーターであるギャレット・ブラウン氏の講演会が開催された。ギャレット・ブラウン氏の来日は39年ぶりとのこと。このたび日本でステディカム・ゴールド・ワークショップが開催され(レポートはこちら)、それに合わせての来日になる。ステディカムの登場は映像史に残るエポックメイキングな出来事であり、その証言を聞こうと多数の来場者が詰めかけけた。聴衆は大半が映画やテレビのカメラマンなど映像撮影関係者だった。(主催:銀一) 〈中略〉 「ロッキー」から「シャイニング」そして100以上の映画につながっていく  「ロッキー」は60万ドルの低予算映画で、スタローンは自分で書いた脚本で、自分が役者としても入りたかったから、役者代ももらわなかったほどだった。  もちろんこの「ロッキー」は大成功をおさめるのだが、その2年後の「シャイニング」は、ギャレットさんは「私にとってのマスタークラス」だったという(もちろん、彼一流のジョークが半分)。つまり、スタンリー・キューブリックは映像へのこだわりが半端ではなく、1つのテイクで40も50も繰り返すので、まさにワークショップのような撮影になってしまったというのである。体力的には大変そうに思えるが、実は3分のテイクで3分のプレイバック、そして3分の口論の時間があり(笑)、ちゃんと休む時間があったから楽だったという。  「シャイニング」で庭にある巨大迷路のなかでダニー(子供)を追いかけるシーン。実は雪のシーンだが、実際は1000Wのライトが照らされた40度のセットで、木についているのは雪ではなく発泡スチロール、地面は塩、ミストはオイルスモーク。迷路のシーンを撮るのに3か月もかかったという。本当の迷路なので、この中でセットが火事になったら焼け死ぬ可能性もあったと振り返った。  「シャイニング」は一年のプロジェクトだった。 〈以下略〉 (引用: VIDEO SALON/2018年10月23日 )  『シャイニング』で印象的に使用されたカメラ・スタビライザー(安定装置)「ステディカム」の開発者、ギャレット・ブラウンが来日して講演したそうなのですが、その内容の記事がありましたの...

【インスパイア】1984年5月に発表された12インチシングル曲、ニュー・オーダーの『Murder』で、『2001年宇宙の旅』のリゲティとHALがサンプリングされている件

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 1980年代イギリスのニュー・ウェイブ、もしくはポスト・パンク(現在では「オルタナ」というカテゴリーで語られることが多いでしょうか?)を代表するロックバンド、ニュー・オーダー。そのニュー・オーダーが1983年に発表したセカンドアルバム『Power, Corruption & Lies』(『権力の美学』の邦題が一般的)の発表後、1984年5月にベルギーのみでFACTORY BENELUXよりリリースされた、12インチシングル曲『Murder』に、『2001年宇宙の旅』のリゲティとHALがサンプリングされているのでご紹介。ニュー・オーダーは熱心なファンではなかったので、この情報は知りませんでした。確かにリゲティの『レクイエム』と、HALの声が聴こえてきますね。  このニュー・オーダーは『ウルトラヴァイオレンス』でも『時計じかけのオレンジ』を引用しています。今更語るまでもないですが、ロック史にその名を残す、錚々たるミュージシャンやアーティストにキューブリックは引用されまくっています。以前「映画ファン的にはキューブリックは基礎教養ではないか?」ということを書きましたが、ロック(音楽)ファンにとっても、もはや避けて通ることのできない映画監督だと思っています。まあ、そんなこと私が改めて指摘するまでもなく、ミュージシャンやロック(音楽)ファンにキューブリックファンは多いのは周知の事実ですね。

【スペシャルレポート】東京・京橋の国立映画アーカイブにて開催中の『ポスターでみる映画史 Part 4 恐怖映画の世界』に行ってきました

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写真撮影は入口のコーナー(第1章)のみ可 ●概要 会場:国立映画アーカイブ 展示室(7階) 会期:2022年12月13日(火)-2023年3月26日(日) 開室時間:11:00am-6:30pm(入室は6:00pmまで) *1月27日と2月24日の金曜日は11:00am-8:00pm(入室は7:30pmまで) 休室日:月曜日および12月27日(火)~1月3日(火)は休室です。 観覧料:一般250円(200円)/大学生130円(60円)/65歳以上、高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料 *料金は常設の「日本映画の歴史」の入場料を含みます。 *( )内は20名以上の団体料金です。 *学生、65歳以上、障害者、キャンパスメンバーズの方はそれぞれ入室の際、証明できるものをご提示ください。 *国立映画アーカイブが主催する上映会の観覧券(オンラインチケット「購入確認メール」またはQRコードのプリントアウト)をご提示いただくと、1回に限り団体料金が適用されます。 主催:国立映画アーカイブ ・マスク着用のない方の入館をお断りします。 ・来館者全員に検温を行います。37.5℃以上の方は入館をお断りいたします。  誕生から120年以上のあいだ、映画は見る人にさまざまな感情を呼び起こしてきました。中でも、「恐怖」は人々を抗いがたく引きつけてきました。スクリーンに現れる異形の怪物、人間の心の闇を暴くサイコホラー、あるいは鮮烈な映像表現で綴られる超常現象と、映画は幅広い形で観客に恐怖を提供してきたのです。日本においても、無声映画の時代から怪談文化と結びついた時代劇映画が数多く作られてきただけでなく、1990年代以降は「Jホラー」と呼ばれる作品群が生み出されるなど、恐怖映画は今なお大きな存在感を放ち続けています。  シリーズ「ポスターでみる映画史」の第4回となる「恐怖映画の世界」は、国立映画アーカイブのコレクションを中心に、映画草創期から連綿と作り続けられてきた恐怖映画のポスターを取り上げる展覧会です。『カリガリ博士』といった古典から、ダリオ・アルジェントらのイタリアン・ホラー、『ジョーズ』などのパニック映画、そして日本の怪談映画やJホラーの最新作まで、観客を怖がらせ楽しませてきた諸作品の系譜をたどります。工夫の凝らされたポス...

【インスパイア】とっても『2001年宇宙の旅』なモニタ画面が登場する、椎名林檎 の『JL005便で ~Flight JL005~ (B747-246 Mix by Yoshinori Sunahara) / 砂原良徳』のMV

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 椎名林檎の新しいMV『JL005便で ~Flight JL005~』(砂原良徳リミックス)がとっても『2001年宇宙の旅』だったのでご紹介。  この曲は現在発売中のリミックスアルバム『百薬の長』に収録されていて、MVの監督は児玉裕一氏が担当。椎名林檎は以前も宇多田ヒカルとのコラボ曲『二時間だけのバカンス』で『2001年宇宙の旅』インスパイアMVを制作していますが、調べてみるとこのMVの監督も児玉裕一氏。よっぽど『2001年…』がお気に入りなんでしょうね。

【スペシャルレポート】国立映画アーカイブで上映された35mm版『バリー・リンドン』を鑑賞してきました。

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上映会場入口で当時のポスターがお出迎え  2023年1月15日、12時から東京・京橋の国立映画アーカイブ小ホールで上映された、35mm版『バリー・リンドン』を鑑賞してきました。  アスペクト比はキューブリック指定のヨーロッパビスタで、もちろんワーナーロゴもソウル・バスがデザインした当時のものです。フィルムの状態は傷や汚れが目立つ箇所もあり、色彩の退色もありました。もちろんこれらは「公開当時のフィルムで鑑賞しているという価値」を感じさせるもので、むしろメリットと言えます。そんなことを感じながらフィルムで見続けていると、映像ソフトやTVオンエア、配信時の不自然なまでの「彩度上げ」に猛烈な違和感を感じるようになってきました。特に、画面自体が発光する液晶テレビでの視聴は、『バリー・リンドン』の古色蒼然とした空気感を台無しにしているように思えます。  もちろん、作品は作品自体を視聴していただかない限りは価値がないものなので、お手軽に過去の名作を視聴できる現在の環境は喜ぶべきことではあります。ですが、薄型フルHDテレビ普及時(2010年代)にあった「過度な鮮明映像競争」は映像ソフト、特にBDに悪い影響を与え、元ネガの色調を過度に「彩度上げ」に補正してしまい、その作品の本来の価値を損ねているように感じます。この『バリー・リンドン』でもそれは同じで、本作のBDは色調の不自然さはもちろん、アスペクト比がキューブリックの意図したヨーロッパビスタではなく16:9でトリミング、オープニングロゴも雰囲気をぶち壊すメタリックデザインと、とても「作品愛」を感じさせる商品ではありません。  その「過度な鮮明映像競争」の反省からか、現在は元ネガの色調を尊重するという方向にシフトしています。それは日本未発売のクライテリオン版『バリー・リンドン』の評判の良さからも伺えます。ただ、このクライテリオン版は日本語字幕未収録なので、マニアな方以外にはなかなかオススメづらい商品ではあります。であれば、まだブラウン管テレビでの視聴を想定していた頃のDVDの方がお勧めできるでしょう。解像度は720ピクセルですが、フルサイズのネガサイズで収録されていて、色調もBDほど極端な「彩度上げ」ではありません。DVD版にはデジタルリマスター前と後のバージョンがありますが、もちろんお勧めはデジタルリマスター版です。中古市場で安価に...

【関連記事】ジョン・レノンとオノ・ヨーコのかつてのパーソナルアシスタント 2人について逸話を語る

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ジョンの写真を撮るダン・リクター。後ろにはヨーコの姿も  1969年から1973年まで、ジョン・レノン(John Lennon)とオノ・ヨーコ(Yoko Ono)のパーソナルアシスタントとして一緒に生活し、一緒に仕事をしていたダン・リヒター。2人について、英デイリー・テレグラフ紙で語っています。  現在83歳の俳優でパントマイマーのリヒターは、1968年のスタンリー・キューブリック監督の名作『2001年宇宙の旅』のオープニングシーンにも出演しています。  リヒターがヨーコと初めて会ったのは1964年の東京でした。当時、2番目の夫である映画プロデューサー兼アートプロモーターのアンソニー・コックスと結婚していたヨーコはリヒターと最初の妻ジルとロフト・スペースをシェアしていました。その後も、リヒターとジルはヨーコとの友情を保ち、1969年の夏にジョン・レノンとヨーコがロンドン郊外の家ティッテンハースト・パークを購入した後、レノンとヨーコと一緒に住むことになりました。 〈以下略〉 (引用: amass/2023年1月4日 )  ダン・リクター(リヒター)は『2001年宇宙の旅』で猿人の「月を見るもの」を演じていますが、そのリクターはジョンやキューブリックよりも先にヨーコと知り合っていたのですね。そういえばヨーコはパフォーマンス・アーティストでした。ヨーコとは東京で共通の友人を通じて出会ったそうですが、パントマイマーであるリクターとは同じパフォーマーとして意見があったのかもしれません。ジョンとヨーコの出会いの経緯は有名なので省きますが、その後ジョンとヨーコは恋人同士になり、その関係からジョンの邸宅「ティッテンハースト・パーク」に取り巻きとして住むようになったようです。  邸宅でリクターはカメラマン(主に記録係)として働いていて、名曲『イマジン』のPV、名盤『ジョンの魂』のジャケ写もリクターによるものです。リクターはジョン&ヨーコがニューヨークに引っ越した後、1973年頃に別れたらしいですが(失われた週末で別居した頃?)、ジョンのニューヨーク時代はドキュメンタリー『ジョン・レノン、ニューヨーク』に詳しいです。そこには「愛と平和」どころか「セックス&ドラッグ&ロックンロール(おまけに浮気に別居)」な悪童ジョン・レノンの姿が生々しく語られていますので、興味の...

【パロディ】1986年の大ヒット曲、ジェネシスの『ランド・オブ・コンフュージョン』のMVに『2001年宇宙の旅』のパロディ?

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 いや、この曲もMVも当然知ってはいたのですが、「骨を投げたら電話の受話器に」のシーンははっきりと覚えていなかったです。そういえばあったかな~?という程度ですね。  それもこれも当時MVを流す番組が乱立し、しかも限られた時間内で多くのアーティストを採り上げなければならない関係上、ほとんどフルバージョンで流れなかったんですね。フルは『ソニー・ミュージック・TV』ぐらいだったと記憶しています。その証拠にマペットになったメンバーや、レーガン&ナンシー夫妻、カダフィ大佐などははっきりと覚えていますので。  それにしてもこの頃の「フィル・コリンズのジェネシス」ってロック史的にどのような評価なんでしょうか?ジェネシスと言えば五大プログレッシブバンドの一角としてピタガブ時代ばかり語られているような気がします。1980年代はピンク・フロイドやイエス、ジェネシスなど1970年代のベテランプログレバンドがこぞってポップ化(産業ロック化)し、やたらヒットを飛ばしていましたが、2020年代の現在、この時代のプログレバンドについて語られる機会は懐メロ以外ほとんどないような・・・。1980年代がリバイバルブームになっていると言われて久しいですが、『混迷の地』と歌いながら、どこかボジティブでバカっぽくてカネの臭いがする(良くも悪くもキラキラしていた)のはこの時代ならではです。この「臭い」を感じさせてくれないと「Back to The 80's」と言われても「違うんじゃね?」と、リアルタイム世代の管理人は思っちゃいますね。

【TV放映情報】2023年は『2001年宇宙の旅』で幕開け。2023年1月1日(日)午後7時よりBS 8Kでオンエア

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NHK BS8K『8K完全版 2001年宇宙の旅』 <字幕スーパー><レターボックスサイズ> 映画史にさん然と輝く、巨匠スタンリー・キューブリック監督の傑作SF映画。70ミリで製作された超大作のオリジナル・ネガをもとに8K化し、修復を行った8K完全版。 1968年、当時最高のクオリティーを誇る70ミリフィルムで製作・公開されたSF超大作を、オリジナル・ネガをもとに8K化し、色彩や傷などの修復を行った8K完全版。謎の物体モノリスと人類との出会い、宇宙船ディスカバリー号の木星への旅など、知的好奇心に満ちた物語と、巨匠スタンリー・キューブリック監督の圧倒的な映像美が、8Kによって細部まで鮮明によみがえる。今なお最高のSF映画とされる映画史上の傑作。 【監督】スタンリー・キューブリック,【出演】ケア・ダレー,ゲイリー・ロックウッド,ウィリアム・シルベスター,【脚本】スタンリー・キューブリック,アーサー・C・クラーク <20:27.38-20:30.23 インターミッション> (引用: NHKホームページ )  もう何度目かわからないBS8Kでの『2001年宇宙の旅』のオンエアです。年末年始に『2001年』がオンエアされることは過去も多かったのですが、8K版が登場してから通常のBSシネマではオンエアしてくれなくなりました。おそらく8K普及を狙ったNHKの戦略的判断だと思いますが、やっぱりBSで気軽に観たいです。  ところで川崎のチネチッタで 「<ザウンドレボリューション 2022-23>『2001年宇宙の旅』<特別興行>」 と題して大晦日に再上映があったそうです。やっぱり年末年始は『2001年…』ですね。