投稿

2009の投稿を表示しています

【プロップ】1969 アダムスプローブ16(1969 Adams Probe 16)

  『時計じかけのオレンジ』でアレックス達が乗り回していた車は劇中では「デュランゴ95」という名称ですが、小道具ではなく実在する車で、本当は「アダムスプローブ16」といいます。英国人兄弟デニス&ピーター・アダムスが製作し、1969年ロンドン・モーターショーでデザイン賞を獲得。ミドシップされたエンジンはオースチン1800のものを搭載しています。3台製作され、映画で登場したのはグレー塗装の3台目で、ルーフを外してアレックスたち4人が乗り込んで撮影に使用されたそうです。

【撮影・技術】自然光撮影(Natural Lighting)

  外光(太陽光)をそのまま使用した撮影。外光を模した照明を使う場合もそう呼ばれる。100%外光を使っていなくても補助光として人工照明を使う場合もある。『バリー・リンドン』では自然光撮影にこだわったが100%自然光という訳ではなく、一部で補助的に人工照明も使っている。

【プロップ】卓球台(Ping Pong Table)

  キューブリックはスポーツは得意な方ではなかったが、卓球は好きだったらしく自宅にも卓球台があるくらいで、よく俳優と卓球をしたそうだ。それも撮影現場で自分が優位に立てるようにと、けっこう本気で勝とうとしていたらしい。『ロリータ』のキルティの屋敷に卓球台がある理由は、キューブリックがメイソンに、「キルティの奇抜なライフスタイルを象徴する物を置きたいのだがいいアイデアはないか?」と訊ねたところ、卓球台を提案され、採用したようだ。  キルティは東洋の哲学に精通している、という設定があったので「東洋→中国→卓球」となったのかも知れませんね。

【登場人物】ブリンドン卿(幼少期)(Young Bullingdon)

  『バリー・リンドン』で、レディ・リンドンと先夫であるリンドン卿との間に産まれた長男。バリーとは財産の相続権を巡って確執の対象となる。演じたのは後に映画監督として有名になるドミニク・サヴェージ。成長したブリンドン卿はレオン・ヴィタリが演じている。

【俳優】ドミニク・サヴェージ(Dominic Savage)

 『バリー・リンドン』でブリンドン卿の幼少期を演じた。その後映画監督として有名になり、『Nice Girl』 (2000)、『When I Was 12』 (2001)、『Out of Control 』(2002)、『Love + Hate』 (2005)、『Born Equal 』(2006)、『大暴落 サブプライムに潜む罠(Freefall)』(2009)、『Dive』(2010)、『True Love』(2012)、『The Secrets』(2014)などのTV映画やTVシリーズの監督として活躍している。  1962年11月23日イギリス・ケント州出身。

【台詞・言葉】R作戦(Wing Attack Plan R)

 『博士の異常な愛情』で発動した、ソ連に対する核攻撃計画の名称。ソ連の核奇襲攻撃に対して命令系統が混乱した際に、下級指揮官の独断で報復核攻撃を行う、というもの。

【プロップ】テニスボール(Tennis Ball)

 『シャイニング』でジャックがホテルの壁に投げつけて遊ぶテニスボール。投げつけっぱなしにしたボールはホテル(の霊)が受け取り、ミニカーで遊ぶダニーに転がして返した。『初公開版』ではそれ以上の意味があり、無事ホテルから脱出したダニーにアルマンが「忘れ物だよ」と渡すシークエンスがある。それはアルマンがこの事件の黒幕であり、テニスボールはもっと霊的なものの象徴として扱われている。

【台詞・言葉】シェル・ショック(Shell Shock)

 『突撃』で最前線の塹壕を視察しに来たミロー大佐に、精神的に不安定になっている兵士を「シェル・ショックです」と説明したところ「そんなものはない」と吐き捨てられ、殴られた。当時は塹壕における砲弾の爆発音や振動によって引き起こされる「戦争神経症」という意味だったが、同じ症状が戦闘行為全般によって引き起こされることが確認され、現在では心的外傷後ストレス障害(post traumatic stress disorder, PTSD)呼ばれている。

【関連記事】スコセッシ監督が選んだ映画史上最も怖いホラー映画11本は?

 オスカー監督マーティン・スコセッシが、最新サスペンスホラー「シャッター・アイランド」とハロウィンにちなんで、米WebサイトThe Daily Beastに「映画史上最も怖いホラー映画11本」を発表した。  同サイトは、バニティ・フェア誌(84~92)やニューヨーカー誌(92~98)の元名物編集長だった「雑誌編集者の殿堂」ティナ・ブラウンが08年4月に立ち上げたオリジナルのニュース記事を集めたサイト。  たとえば「シャイニング」なら、ジャック・ニコルソンが妻(シェリー・デュバル)が籠もるホテルのドアに斧で穴を開け、あの穴に顔を出して笑いながら「ジョニーが来たぜ」と言う“最も怖いシーン”が動画として添えられ、スコセッシ監督らしいコメントが付いている。「私は決してスティーブン・キングの小説を読まないから、それがどんなに忠実に映画化されたかどうか分からないが、キューブリックは堂々と怖すぎる映画をこしらえている」  「キャット・ピープル」のジャック・ターナー監督が1957年に手がけたホラーの古典「Night of the Demon」は日本未公開だが、81年に「淫獣の森」としてリメイクされている。 「たたり」(ロバート・ワイズ監督、1963) 「吸血鬼ボボラカ」(マーク・ロブソン監督、1945) 「呪いの家」(ルイス・アレン監督、1944) 「エンティティー/霊体」(シドニー・J・フューリー監督、1982) 「夢の中の恐怖」(アルベルト・カバルカンティ監督ほか、1945) 「チェンジリング」(ピーター・メダック監督、1979) 「シャイニング」(スタンリー・キューブリック監督、1980) 「エクソシスト」(ウィリアム・フリードキン監督、1973) 「Night of the Demon」(ジャック・ターナー監督、1957) 「回転」(ジャック・クレイトン監督、1961) 「サイコ」(アルフレッド・ヒッチコック監督、1960) (引用: 映画.com ニュース/2009年11月2日 )  スコセッシはキューブリック好きですからね。あとはなかなかマニアックなチョイスではないでしょうか?でもモノクロってそれだけで怖さ5倍増し(当人比)になるので、古い作品の方が有利になる気がしますけどね。

【台詞・言葉】やあ、みんな!(Hi, There!) 拝啓、ジョン様(Dear John)

 『博士の異常な愛情』で、コング機長がまたがった核爆弾に書かれていた落書き。「Dear John」には隠れた意味があって、戦地にいる夫に向けた手紙で「Dear John」の書き出しで始まる場合は「あなたの留守中に好きな人ができたの、サヨナラ!」という意味だそう。

【俳優】ラデ・シェルベッジア(Rade Serbedzija)

 『アイズ ワイド シャット』で、レインボー貸衣装店の店主。キューブリックはこういうアクの強い俳優、ホントに好きですね。他の出演作は『セイント』('97)、『スペース・カウボーイ』('99)、『M:I-2』('00)、『スナッチ』('00)『バッドマン ビギンズ』('05)、『ザ・フォッグ』('05)、『ハリー・ポッターと死の秘宝PART1』('10)、『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』('11)など。  1946年クロアチア生まれのセルビア系クロアチア人。

【登場人物】ミリチ(Milich)

  『アイズ ワイド シャット』で、レインボー貸衣装店の現店主。髪の毛が薄くなったとか内科医のビルとのかみ合わない会話も面白いが、娘とロリ日本人2人とのやりとりも面白い(ほんとは笑えないけど)。

【俳優】オーブリー・モリス(Aubrey Morris)

 『時計じかけのオレンジ』でアレックスの保護観察官デルトイド氏を演じた。TVの出演も数多い。  他の出演作は『火曜日ならベルギーよ』(1969)、『王女テラの棺』(1971)、『ウィッカーマン』(1973)、『リストマニア』(1975)、『新シャーロック・ホームズ/おかしな弟の大冒険』(1975)、『ウッディ・アレンの 愛と死』(1975)、『失われた航海』(1979)、『オックスフォード・ブルース』(1984)、『スペースバンパイア』(1985)、『レイチェル・ペーパー』(1989)、『クリスマスに願いを』(1990)、『マイ・ガール2』(1994)、『エッジ・オブ・ダークネス』(1995)、『ボーデロ・オブ・ブラッド/血まみれの売春宿』(1996)、『ブラム・ストーカーズ/マミー』(1998)、『人喰い人魚伝説』(2001)、『ウィークエンド ~爆破まであと1198分。史上最悪の2日間~ 』(2008)、『スピーシーズ・デビル』(2008)など。  1926年6月1日イギリス・ハンプシャー州出身、2015年7月15日死去。享年89歳。

【ロケーション】塹壕(Trench)

  第一次世界大戦を象徴する軍事的要害。機関銃や重火器が登場し、銃弾を避ける為には地面に穴を掘ってそこに潜む重要性があり、そこで人が通れる溝を掘り進め、そこを戦略拠点や通路、生活空間とした。難点は溝であるために雨の際には雨水が流れ込んだり、また生活排水が溜まりやすく非常に不衛生だったため、伝染病や凍傷などの病気が発生した。  『突撃』では塹壕を出て蟻塚へ向けて突入するが、これは合理的な戦法とは言えず、本来なら塹壕をジグザグに掘り進めて敵陣へにじり寄る戦法が採られる。ただこれには時間を要するのですぐ戦果を上げるのは不可能だ。この点でミロー将軍とダックス大佐は対立するのだが、結果は暗澹たるものだった。

【登場人物】アニマルマザー(Animal Mother)

 『フルメタル・ジャケット』でジョーカーと睨み合う屈強な海兵隊員。どことなくいい奴っぽさもある。原作だとただ凶暴だけなイメージが強かったけど。

【俳優】アダム・ボールドウィン(Adam Baldwin)

 『フルメタル・ジャケット』で、アニマルマザーを演じた。最近はTV出演が多いようだ。主な出演作は『マイ・ボディガード』(1980)、『普通の人々』(1980)、『D.C.キャブ』(1983)、『俺たちの明日』(1984)、『マチョコレート・ウォー 』(1988)、『ジャッカー』(1988)、『プレデター2』(1990)、『真実の瞬間(とき)』(1991)、『ラジオ・フライヤー』(1992)、『ハートブレイク・タウン』(1992)、『ブロンドの標的』(1993)、『ワイアット・アープ 』(1994)、『キルトに綴る愛』(1995)、『インデペンデンス・デイ』(1996)、『パトリオット』(2000)など。  1962年2月27日アメリカ・イリノイ州シカゴ出身。

【関連記事】スタンリー・キューブリック未完の企画「アーリアン・ペーパーズ」が映画化?

 99年に死去したスタンリー・キューブリック監督による未完の企画、「アーリアン・ペーパーズ(The Aryan Papers)」が映画化される可能性が出てきた。英エンパイア誌ほかが報じた。  「アーリアン・ペーパーズ」は、映画「アバウト・シュミット」の原作者でもあるルイス・ベグリーの小説「50年間の嘘(Wartime Lies)」の映画化で、第2次世界大戦中のナチス・ドイツ占領下のポーランドを舞台に、アーリア人だと身分を偽って生き延びようとするユダヤ人の少年と叔母の物語。  87年の「フルメタル・ジャケット」の公開後、キューブリックがあたためていた企画のひとつで、94年のクリスマス公開を目指して93年の夏には撮影を開始する予定だったが、同年11月に公開が決定したスティーブン・スピルバーグ監督「シンドラーのリスト」に題材が似すぎているという理由から製作を見合わせた。おそらくキューブリックの脳裏には、「フルメタル・ジャケット」が、その約半年前に公開された同じくベトナム戦争をテーマにしたオリバー・ストーン監督の「プラトーン」の影に隠れてしまったことがあったのではないかとも言われている。  今回、「アーリアン・ペーパーズ」の話が浮上してきた背景には、8月14日から開催される英エジンバラ・フェスティバルにて展示される、英国人アーティスト姉妹、ジェーン&ルイーズ・ウィルソンによる「Unfolding the Aryan Papers(アーリアン・ペーパーズを解き明かす)」という映像インスタレーションの存在があるようだ。これは、キューブリックが「アーリアン・ペーパーズ」のために行った綿密なリサーチをもとに制作された作品だ。  それにあわせて、キューブリックの義弟でプロデューサーのヤン・ハーランが英タイムズ紙のインタビューに応じ、「あの当時、製作を見送ったのは、キューブリックとワーナー・ブラザースによる賢明な判断だった。しかし、今こそ彼の脚本を再び取り上げる時期だと思う」とコメント。映画化するにあたって監督にふさわしい人物として、「ブロークバック・マウンテン」のアン・リー監督の名を挙げた。  ちなみに、ハーランは、同じくキューブリックの未完の企画をスピルバーグ監督が映画化した「A.I.」(01)でも製作総指揮にあたっている。 (引用: 映画.com ニュース/2009年8月13日 ...

【場所・地名】シアトル(Seattle)

 『非情の罠』で、デイヴィの叔父が牧場を営む町。『アイズ…』ではニックの嫁さんと子供が待つ町。両作品とも舞台がニューヨークで「田舎」に戻るというシチュエーションでシアトルが登場するのは、生まれも育ちもニューヨークのキューブリックにとって「田舎」と聞いてまず思い浮かぶのがこのシアトルだったのかも。東京生まれの人が「北海道」を想像するようなものでしょうか。同じく開拓の町ですしね。それ以上の意味は・・・多分ないと思います(笑。

【ロケーション】快楽の園(Pleasureland)

 『非情の罠』で、グロリアが勤めていたブロードウェイ49丁目にあるダンスホールの名称。

【ロケーション】ニューヨーク(New York)

 長編劇映画第二作『非情の罠』と、遺作『アイズ ワイド シャット』の舞台になった街。そしてキューブリックの故郷でもあります。20代と60代、モノクロとカラー、ロケとセット・・・。思えば遠くに来たものだ、とキューブリックは思ったでしょうか。ニューヨークへの核攻撃に怯えていたキューブリックでしたが、911テロは知らずに亡くなりました。もし存命だったら、何を思ったでしょうか。とても悲しんだに違いありません。

【ロケーション】ペンシルベニア駅(Pennsylvania Station)

 『非情の罠』でデイヴィとグロリアが待ち合わせたニューヨークにある駅。映画に出てくる駅舎は1962年に取り壊されたそう。残念。

【関連記事】作家スティーブン・キングが何度もレンタルする「ハズレなしの定番映画」20本

 「キャリー」「シャイニング」「ショーシャンクの空に」などの映画原作者としても知られるモダンホラーの巨匠スティーブン・キングが、コラムを連載中の米エンターテインメント・ウィークリー誌で、新作映画に疲れたときにレンタル店で借りたくなる「ハズレなしの定番映画」ベスト20を発表した。  自作の映画化では唯一「クジョー」がランクイン。「ディー・ウォレスがアカデミー主演女優賞にノミネートされなかったことに、今も腹を立てている」とか。また、「タイタニック」という少々意外なセレクションについては、キング自身も「どうぞ、笑いたければ笑ってくれ」とコメントしている。  その他、「恐怖の報酬」「遊星からの物体X」ともに、「オリジナルも素晴らしいがリメイクのほうが好き」などといった好みも告白している。 スティーブン・キングの定番映画ベスト20は以下の通り(順不同)。 「恐怖の報酬」(77/ウィリアム・フリードキン監督) 「恐怖の報酬」(53/アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督) 「スリング・ブレイド」(96/ビリー・ボブ・ソーントン監督) 「ワイルドバンチ」(69/サム・ペキンパー監督) 「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」(99/ダニエル・マイリック&エドゥアルド・サンチェス監督) 「ブルース・ブラザース」(80/ジョン・ランディス監督) 「ダイ・ハード」(88/ジョン・マクティアナン監督) 「死の接吻」(47/ヘンリー・ハサウェイ監督) 「ガルシアの首」(74/サム・ペキンパー監督) 「博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」(64/スタンリー・キューブリック監督) 「遊星からの物体X」(82/ジョン・カーペンター監督) 「ケイン号の叛乱」(54/エドワード・ドミトリク監督) 「クジョー」(83/ルイス・ティーグ監督) 「1941」(79/スティーブン・スピルバーグ監督) 「Night of the Demon(Curse of the Demon)」(57/ジャック・ターナー監督/日本未公開) 「サタデー・ナイト・フィーバー」(77/ジョン・バダム監督) 「タイタニック」(97/ジェームズ・キャメロン監督) 「殺しの分け前/ポイント・ブランク」(67/ジョン・ブアマン監督) 「彼と人魚」(48/アービング・ピシェル監督) 「白熱」(49/ラ...

【台詞・言葉】フッ素(Fluoridation)

 『博士の異常な愛情』のリッパー将軍によると、水にフッ素を混入することは「共産主義者の陰謀」なのだそうだ。実際当時のアメリカでは都市伝説として真しやかに語られていたそう。「アカ共はいつもこんな汚い手を使いやがる」

【登場人物】ラフターマン(Rafterman)

 『フルメタル・ジャケット』で、ジョーカーの相棒のカメラマン。ラフターとは屋根の梁の事で、酒場の梁によじ登って慰問団のショーを観ていたのだが、酔っぱらっていたために将軍たちのテーブルに落下してしまった事からラフターマンと呼ばれるようになった。銃が故障し撃てないジョーカーの代わりにベトコンの少女を倒したが、原作ではその後、悲惨な最期を向かえてしまう。

【俳優】ケヴィン・メイジャー・ハワード(Kevyn Major Howard)

 『フルメタル・ジャケット』でカメラマンのラフターマンを演じた。他の主な出演作は『ウォー・パーティ』 (1989)、『エイリアン・ネイション』 (1988)、『ダーティハリー4』 (1983)、『ロサンゼルス』 (1982)など。

【登場人物】グラッカス(Gracchus)

 『スパルタカス』で元老院の民衆派長老。閥族派クラサスとの政争に破れ自殺してしまう。そんな悲劇的な運命を辿るのに、演じたチャールズ・ロートンの風貌がそうさせるのか、ちょっとユーモラスで愛嬌があるキャラクターになっている。

【俳優】チャールズ・ロートン(Charles Laughton)

 『スパルタカス』でグラッカスを演じた。元々は舞台俳優で朗読会でも成功を収めた。他の出演作は『暴君ネロ』(’32)、『ヘンリー八世の私生活』 (’33)、『戦艦バウンティ号の叛乱』(’35)、『パラダイン夫人の恋』(’47)、『凱旋門』(’48)、『人生模様』(’52)、『ホブスンの婿選び 』(’54)、『狩人の夜』(’55)、『情婦』('57)など。『ヘンリー八世の私生活』でアカデミー主演男優賞を受賞。  1899年7月1日 イギリス・スカーボロ出身、1962年12月15日死去。享年63歳

【プロップ】ルーシー(Lucy)

 『時計のじかけのオレンジ』でディムが麻薬入りミルクを買ったヌード型自動販売機の名称。ルーシーはビートルズの名曲『ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンド』からの引用で、Lucy in the Sky with Diamonds→LSD→麻薬→麻薬入りミルク・・・なのかも(予想)。

【プロップ】モロコ・プラス(Moloco-Plus)

 『時計じかけのオレンジ』に登場する麻薬入りのミルク。撮影時には本物の牛乳を使用したが、例の「ヌード自動販売機」に入れてあった牛乳はセットの照明などですぐぬるくなって変質するため、しょっちゅう入れ替えなければならなかったそう。

【登場人物】チャーリー・セジウィック(Charlie Sedgwick)

 『ロリータ』でサマーキャンプの団長の息子。キャンプの手伝いをしている。ロリータの処女を奪った許せん・・・いや、朴訥な若者。原作ではもっと詳細に描写していて、ロリータは「どんなものか試してみただけ」とハンバートに感想を語っている。

【俳優】コリン・メイトランド(Colin Maitland)

 『ロリータ』でロリータが送り込まれたキャンプ・クライマックスで手伝いをする、管理人の息子を演じた。  他の主な出演作は『勝利者』(1963)、『駆逐艦ベッドフォード作戦 』(1965)、『特攻大作戦 』(1967)など。  1942年8月12日イギリス・バーミンガム出身。

【作品紹介】バリー・リンドン

イメージ
Barry lyndon(IMDb) 邦題/バリー・リンドン 原題/Barry Lyndon 公開日/1975年12月16日(184分、カラー、ワイド) 日本公開/1976年7月3日 製作総指揮/ヤン・ハーラン 製作/スタンリー・キューブリック 監督/スタンリー・キューブリック 脚本/スタンリー・キューブリック 原作/ウイリアム・メイクピース・サッカレー『バリー・リンドン』 撮影/ジョン・オルコット 編集/トニー・ローソン 音楽/ゲオルク・フリードリッヒ・ヘンデル、ショーン・オリアダ、フリードリッヒ大帝、ウォルフガング・アマデウス・モーツアルト、ジョヴァンニ・パイジェロ、ほか 美術/ケン・アダム 出演/ライアン・オニール(バリー・リンドン)、マリサ・ベレンソン(レディ・リンドン)、パトリック・マギー(シェヴァリエ・ド・バリバリー)、ハーディー・クリューガー(ポッツドルフ大尉)、マリー・キーン(バリーの母)、レオン・ヴィタリ(ブリンドン卿)、ドミニク・サヴェッジ(若きブリンドン卿)、デヴィッド・モーレイ(ブライアン)、マイケル・ホーダン(ナレーター)ほか 配給/ワーナー・ブラザーズ 受賞/1975年アカデミー賞、美術監督・装置賞(ケン・アダム他2名)、撮影賞(ジョン・オルコット)、編曲賞(レナード・ローゼン)、衣装デザイン賞 ●ストーリー 第1部:レドモンド・バリーが如何様にしてバリー・リンドンの暮しと称号をわがものとするに至ったか  18世紀半ばのアイルランドの農家に生まれたレドモンド・バリーは、父親を決闘で亡くしたため母親ベルの女手一つで育てられた。十代になったバリーは従姉のノーラに恋をし、二人は恋人同士となる。その後ノーラはイギリス軍のジョン・クイン大尉と恋仲となり、家族は裕福なクイン大尉との結婚を望むようになった。そんなクイン大尉に嫉妬したバリーは決闘を申し込み、クイン大尉を倒してしまう。決闘立会人のイギリス軍のグローガン大尉はクイン大尉の死亡を告げ、バリーは警察に知られる前にと、母から旅費20ギニーを渡され村を出た。ところがダブリンへ向かう道中で追いはぎに遭い一文なしになり、仕方なくバリーはイギリス軍の兵員補充に志願して入隊する。数ヶ月後、増援部隊としてやってきたグローガン大尉と再会し、決闘はノーラとクイン大尉の結婚を望む家族が、バリーを村から追い出すために...

【登場人物】ブリンドン卿(Bullingdon)

 『バリー・リンドン』で、レディ・リンドンの先夫であるリンドン卿との間の息子。バリーを激しく憎悪し、銃による決闘を挑む。その決闘の最中、あまりの緊張のため嘔吐する姿はとてもリアルだ。

【俳優】レオン・ヴィタリ(Leon Vitali)

 『バリー・リンドン』で成長したブリンドン卿を、『アイズ ワイド シャット』では乱交パーティーの赤マント演じた。『バリー…』の出演がきっかけでキューブリックに心酔してスタッフとなり、『シャイニング』ではアシスタントを、『フルメタル・ジャケット』と『アイズ…』ではアシスタントとキャスティング・ディレクターとして参加している。常にキューブリックの側にいた言わば側近のような存在で、キューブリックの死後はスポークスマン的な役割を果たしている。主な出演作は『ビクター・フランケンシュタイン』('77)など。  1948年イギリス・ウォリックシャー州生まれ。

【サウンドトラック】フルメタル・ジャケット オリジナル・モーションピクチャー・サウンドトラック(Full Metal Jacket Original Motion Picture Soundtrack)

Full Metal Jacket (5:04) フルメタル・ジャケット(アビゲイル・ミード&ナイジェル・グールディング)|Abigail Mead and Nigel Goulding Hello Vietnam (3:06) ハロー・ベトナム(ジョニー・ライト)|Johnny Wright  Chapel of Love (2:48) チャペル・オブ・ラヴ(ディキシー・カップス)|The Dixie Cups Wooly Bully (2:21) ウーリー・ブリー(サム・ザ・シャム&ザ・ファラオズ)|Sam The Sham & The Pharaohs I Like It Like That (1:58) アイ・ライク・イット・ライク・ザット(クリス・ケナー)|Chris Kenner  These Boots Are Made for Walking (2:41) にくい貴方(ナンシー・シナトラ)|Nancy Sinatra Surfin' Bird (2:17) サーフィン・バード(ザ・トラッシュメン)|The Trashmen The Marines' Hymn (2:06) 海兵隊賛歌(ゴールドマン・バンド)|The Goldman Band Transition (0:32) 変遷|Abigail Mead Parris Island (4:28) パリス・アイランド|Abigail Mead Ruins (2:12) 破壊|Abigail Mead Leonard (5:57) レナード|Abigail Mead Attack (2:01) 攻撃|Abigail Mead Time Suspended (1:04) 止まった時間|Abigail Mead Sniper (3:17) 狙撃兵|Abigail Mead  オープニングの『フルメタル・ジャケット』(あまり感心しないデキ)を始め、アルバム後半のオリジナル曲を書いたアビゲイル・ミードとは、キューブリックの三女、ビビアンのペンネームで、彼女はベトコンによる虐殺現場の報道カメラマン役として、スクリーンにも登場している。『ハロー・ベトナム』、『チャペル・オブ・ラブ』、『ウーリー・ブリー』、『アイ・ライク・イット…』、『にくい貴方』、『サーフィン・バード』な...

【登場人物】バタイアタス(Batiatus)

  『スパルタカス』で鉱山働くで奴隷だったスパルタカスを買った奴隷商人。悪辣な人物としてではなく、有力者であるクリサスとグラッカスの両方に取り入ろうとしたり、そのちょっと間の抜けた言動やコロコロと太った体躯など、お調子者でユーモラスなキャラクターとして描かれている。バリニアがどうやってバタイアタスから逃げたかをスパルタカスに説明するくだりは、演じているカークダグラスとジーン・シモンズが素で笑っているようにも見える。まあ、そういうキャラなので仕方ないけど二人ともちょっと笑い過ぎでは?

【俳優】ピーター・ユスチノフ(Peter Ustinov)

 『スパルタカス』で奴隷商人のバタイアタスを演じた。アガサ・クリスティーの一連のミステリーで名探偵ポアロ役といえば思い出す人も多いはず。『スパルタカス』では奴隷の反乱とその挫折という内容から、どうしても雰囲気が重くなりがちだが、その独特のキャラクターでユーモアを持ち込んでいる。その辺りが評価されたのか、本作でアカデミー助演男優賞を受賞した。主な出演作は『クォ・ヴァディス』('51)、『エジプト人』('54)、『俺たちは天使じゃない』('55)、『歴史は女で作られる』('56)、『トプカピ』('64)、『黒ひげ大旋風』('68)、『ナイル殺人事件』('78)、『地中海殺人事件』('82)、『死海殺人事件』('88)、『ロレンツォのオイル/命の詩』('92)、『プロポーズ』('99)。『トプカピ』でもアカデミー助演男優賞を受賞している。  1921年4月16日ロンドン生まれ、2004年3月28日死去、享年82歳。

【トリビア】短期除隊兵(The Short-Timers)

 『フルメタル・ジャケット』の原作名。キューブリックはこのタイトルを気に入らず採用しなかった。曰く「まるで半日しか働かない人みたいじゃないか!」・・・ごもっともです。

【関連記事】過激な性描写、暴力、宗教、差別など「物議を醸した映画」25本

イメージ
 米エンターテインメント・ウィークリー誌が、映画史上最も「物議を醸した映画」25本を発表した。 第1位は、メル・ギブソン監督がイエス・キリストを描いた「パッション」(04)。キリストの拷問シーンの凄惨さが話題になったほか、反ユダヤ主義的であると激しいバッシングを受けた。ほかにも「最後の誘惑」「ダ・ヴィンチ・コード」など、キリスト教がからんだ映画は大きな論争を巻き起こすことが多い。その他、過激な性描写や暴力描写が問題視された映画が多数ランクインした。 25作品は以下の通り。 「パッション」(04)/宗教問題(キリスト教) 「時計じかけのオレンジ」(71)/暴力描写 「華氏911」(04)/政治問題 「ディープ・スロート」(72)/過激な性描写 「JFK」(91)/歴史歪曲の可能性 「最後の誘惑」(88)/宗教問題(キリスト教) 「国民の創世」(15)/人種差別問題 「ナチュラル・ボーン・キラーズ」(94)/暴力描写、模倣犯による殺人事件 「ラストタンゴ・イン・パリ」(72)/過激な性描写 「ベビイドール」(56)/幼な妻 「ザ・メッセージ」(77)/宗教問題(イスラム教) 「ディア・ハンター」(78)/人種差別問題 「ダ・ヴィンチ・コード」(06)/宗教問題(キリスト教) 「ウォリアーズ」(79)/暴力描写 「意志の勝利」(35)/ナチスのプロパガンダ映画 「ユナイテッド93」(06)/同時多発テロ問題 「フリークス」(32)/不具者の描写 「私は好奇心の強い女」(67)/過激な性描写 「氷の微笑」(92)/性描写、同性愛者の描き方 「食人族」(79)/残虐描写 「俺たちに明日はない」(67)/暴力描写 「ドゥ・ザ・ライト・シング」(89)/人種問題(のちのロス暴動を誘発したと言われた) 「キッズ」(95)/10代のセックスとドラッグ 「カリギュラ」(80)/過激な性描写 「アラジン」(92)/アラブ系への差別 (引用: 映画.com ニュース/2009年5月18日 )  全部は見てないですし、リアルタイムで話題になっていたのを経験していない作品もあるので何とも言えませんが、『華氏911』や『JFK』、『ダ・ヴィンチ・コード』『食人族』あたりは今となってはネタ映画扱いですからね。まじめに取り上げるのはどうかと思いますが。『アラジン』って差別問題になってたんでしたっけ?...

【撮影・技術】真下からのアングル

イメージ
  キューブリックは極端シーンに極端なアングルでこれを使う傾向があり、『2001年宇宙の旅』のロジックメモリ室に入るシーン、『時計じかけのオレンジ』のキャットレディの撲殺シーンや、作家がアレックスと気づいて発狂するシーン、『シャイニング』の倉庫に閉じ込められたジャックのシーンなど、どれもインパクトが必要なシーンばかりで使っている。

【関連書籍】ザ・スタンリー・キューブリック/キネマ旬報社編

 キネマ旬報社によるキューブリック本。初版が1981年と古い本だが、現在ではオークションや古書店で容易に入手可能。内容は当時最新のキューブリック映画だった『シャイニング』までとなっていて各論者による個人的な評が多いが、キューブリック本人のコメント集は貴重で資料性も高い。安価で入手できるなら持っていて損はない。

【関連記事】米Yahoo!が「死ぬ前に見たい映画100」をリストアップ

 米Yahoo!が3月22日、「死ぬ前に見たい映画100」という映画史上の名作リストを発表した。  同サイトの編集スタッフが熱い議論の末に選りすぐった順不同のリストとのことだが、アメリカ映画偏重ではなく、世界的な名作が適度にちりばめられている。日本映画からは「羅生門」「七人の侍」「もののけ姫」の3本が入り、監督別の最多はスティーブン・スピルバーグ監督作の5本だった。2000年以降の作品が「花様年華」と「ロード・オブ・ザ・リング」3部作のみと、クラシックな名作がズラリと並んだ。  「エイリアン2」は? 「タクシードライバー」は? 「ファイト・クラブ」は? 「千と千尋の神隠し」は? と思われる向きも多いだろうが、映画ファンを自認するなら当然見ておくべき名作映画ベスト100になっている。 Yahoo!選出「死ぬ前に見たい映画100」(英語題のABC順、カッコ内は製作年&監督名)は以下の通り。 「十二人の怒れる男」(1957、シドニー・ルメット) 「2001年宇宙の旅」(1968、スタンリー・キューブリック) 「大人は判ってくれない」(1959、フランソワ・トリュフォー) 「8 1/2」(1963、フェデリコ・フェリーニ) 「アフリカの女王」(1952、ジョン・ヒューストン) 「エイリアン」(1979、リドリー・スコット) 「イヴの総て」(1950、ジョセフ・L・マンキウィッツ) 「アニー・ホール」(1977、ウッディ・アレン) 「地獄の黙示録」(1979、フランシス・フォード・コッポラ) 「アルジェの戦い」(1967、ジッロ・ポンテコルボ) 「自転車泥棒」(1948、ビットリオ・デ・シーカ) 「ブレードランナー」(1982、リドリー・スコット) 「ブレージングサドル」(1974、メル・ブルックス) 「欲望」(1966、ミケランジェロ・アントニオーニ) 「ブルーベルベット」(1986、デビッド・リンチ) 「俺たちに明日はない」(1967、アーサー・ペン) 「勝手にしやがれ」(1959、ジャン=リュック・ゴダール) 「戦場にかける橋」(1957、デビッド・リーン) 「赤ちゃん教育」(1938、ハワード・ホークス) 「明日に向って撃て!」(1969、ジョージ・ロイ・ヒル) 「カサブランカ」(1942、マイケル・カーティス) 「チャイナタウン」(1974、ロマン・ポランスキー) ...

【音楽家】ボブ・ハリス(Bob Harris)

  『ロリータ』でサウンドトラックを担当した作曲家。実は『現金に体を張れ』から『ロリータ』までキューブリックと共に「ハリス・キューブリック・プロ」を立ち上げ、キューブリックのプロデューサーを買って出たジェームズ・B・ハリスの実弟で、ハリスがキューブリックに頼み込んで採用してもらったとの事。  1925年9月27日アメリカ・ニューヨーク出身。2000年2月13日死去、享年74歳。

【スタッフ】ダルトン・トランボ(Dalton Trumbo)

  『スパルタカス』の脚本家。有名なハリウッド・テンの中の一人。共産主義者の疑いを掛けられてハリウッドを追放されたが、実際にアメリカ共産党員だった。  トランボの掲げた理想的な平等社会を目指した革命家という脚本は、人間を善悪の二元論で描写したがらないキューブリックとはソリが合わず、結局キューブリックが折れる形で監督するハメになる。その鬱屈した思いは次作『ロリータ』で盛大に皮肉られている。  主な参加作品は『潜水艦SOS』(1937)、『恋愛手帖』(1940)、『新妻はお医者さま』(1941)、『奥様は魔女』(1942)、『夫は還らず』(1943)、『東京上空三十秒』(1944)、『緑のそよ風』(1945)、『拳銃魔』(1950)、『火星探険』(1950)、『不審者』(1951)、『その男を逃すな』(1951)、『カーニバルの女』(1954)、『軍法会議 』(1955)、『テキサスの死闘』(1958)、『カウボーイ』(1958)、『果てしなき夢』(1959)、『栄光への脱出』(1960)、『ガン・ファイター』(1961)、『脱獄』(1962)、『いそしぎ 』(1965)、『ハワイ』(1966)、『フィクサー』(1968)、『ホースメン』(1971)、『FTA』(1972)、『ダラスの熱い日』(1973)、『追憶』(1973)、『パピヨン』(1973)、『新・ローマの休日』(1987)、『オールウェイズ』(1989)など。ハリウッド追放中に変名で書いた『ローマの休日』(1953)でアカデミー脚本賞、『黒い牡牛』(1956)で原案賞を受賞し、『ジョニーは戦場へ行った』(1971)では脚本のほか監督も担当している。  1905年12月9日アメリカ・コロラド州モントローズ出身、1976年11月10日死去、享年70歳。

【関連書籍】ザ・キューブリック 知られざる秘かな愉しみ方/モノリス1・2・3編

  キューブリック逝去に便乗して出版された質の悪い便乗本。内容は悪意に満ちていて読むに耐えない。この本は編者として「モノリス1・2・3」なる名称があるが、実質的には本書の半分を執筆している尾之上浩司氏と望月明日香氏が中心になってまとめられたと考えてよさそうだ。両氏のキューブリックに対する論考の是非はここでは問わないが、この日本で出版された最悪のキューブリック本に執筆者として名前を連ねているという名誉はここで強調しておきたいと思う。いかに最悪かは、この巻頭を飾る言い訳がましい一文をお読みになれば、本書がいかなる意図を持って企画されたかご推察いただけるかと思う。  「英米映画界を代表する天才、スタンリー・キューブリック監督。われわれに残してくれた名作の数々は、時代を超えて人々を魅了し、輝き続けています。本書は、そんな彼の作品群を、従来の形式張った語り口とは違う手法で論評してみようと企画されたものです。よっていたずらに故人の名誉や故人の作品を傷つけたり、不用意に揶揄する意図はいっさいありません。本書が、果敢で職人気質、ユーモアにあふれた才人、キューブリック監督の新たな側面を理解する一助になれば、と願ってやみません。心より、スタンリー・キューブリック監督のご冥福をお祈りいたします。1999年8月 本書スタッフ一同」  折角なのでその名誉あるスタッフのお名前を次に全て列記したい。 執筆者:尾之上浩司、望月明日香、ドリー・蛇臼、佐藤良平、佐藤正美、柿本 玲 発行人 的場康樹(現アイブックコミュニケーションズ代表取締役)  因に版元であるフットワーク出版なる会社は既に存在しない。

【登場人物】ジョーカー(Joker)

イメージ
  『フルメタル・ジャケット』 の主人公。声色使いで声帯模写が得意だからという理由で、ハートマン軍曹よりこのニックネームを拝命した。もっと象徴的な意味を考えれば「冗談なのは現実(世間)の方で、戦場そのものは真摯である」と語るジョーカーという存在そのものが、戦争の欺瞞に満ちた二面性を体現していると言えるだろう。それは胸につけたピースバッチ(平和の象徴=世間の醜悪な姿=悪い冗談)とヘルメットの「Born To Kill」(生まれながらの殺し屋=銃弾となった自分自身=戦場の真摯な姿)からも伺える。

【俳優】マシュー・モディーン(Matthew Modine)

  『フルメタル・ジャケット』で、主人公のジョーカー二等兵を演じた。他の出演作品では、アラン・パーカー監督の『バーディー』('84)が有名。あと『ショート・カッツ』('93)、『トランスポーター2』('05)、『ショート・カッツ』('93)、『ダークナイト・ライジング』('12)など。  1959年3月22日カリフォルニア州生まれ。

【俳優】ジャミ-・スミス(Jamie Smith)

 『非情の罠』の主人公のボクサー、デイヴィを演じた。生年、出身地不祥。主にTVドラマで活躍していたようだ。

【登場人物】デイヴィ・ゴードン(Davey Gordon)

  『非情の罠』の主人公。ボクサーだが最近は負けが込んでいて、引退しようと考えている。そんな時知り合ったグロリアと共にシアトルに行こうとするのだが・・・。

【関連記事】引退を止めたのはキューブリック監督!ヴィネッサ・ショウが思い出を語る!

 ヴィネッサ・ショウが、巨匠スタンリー・キューブリック監督との仕事について語ってくれた。  ジェームズ・マンゴールド監督やウディ・アレンら名だたる巨匠たちと仕事をしてきた経験のあるヴィネッサ。その中でも特に、キューブリック監督との仕事は女優としてのターニングポイントになったと語る。「キューブリック監督は完ぺき主義者で、ささいなシーンでも、自分が納得するまで撮り続ける人よ。わたしは『アイズ ワイド シャット』に出演するまで、子役時代の演技が抜け切れていなかったの。子役のときは、マークされた場所に立って、間違えないように自然にセリフを言うことだけを考えていたの。プロデューサーの顔を横目で見ながら、予算のことを心配したりしてね(笑)。けれどこの作品で女優としての才能を自由に開花させることができたと思うわ!」とのことだ。  さらにヴィネッサは「実は女優を辞めようとも思っていたの。それまで女優としての深みを演技で感じたことがなかったからね。でも『アイズ ワイド シャット』では、キャラクターの人間性を追求することができたの。キューブリック監督との仕事は、まるでアスリートが試合前に集中しているような感じね。それにキューブリック監督は女優業を辞めようとしていたわたしに、これからも続けるよう説得してくれたの」と話してくれた。もしそこで女優を辞めていたら、学校の先生になっていたかもしれないと教えてくれた。  ヴィネッサの最新作映画『トゥー・ラバーズ』(原題)は、ニューヨークのブルックリンを舞台に、両親とともに暮らしながらクリーニング屋で働くレオナルド(ホアキン・フェニックス)がサンドラ(ヴィネッサ)という恋人がいるにもかかわらず、上の階に引っ越してきた女性に恋心を抱く大人のラブストーリー。ホアキン最後の出演作としても話題となっている。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki) ( 引用:シネマトゥデイ映画ニュース/2009年2月18日 )  『アイズ ワイド シャット』の娼婦のドミノ役の女優さんですね。トムとの間に流れる微妙な絡みというか空気感はすごく良かったです。

【俳優】ゲイリー・コックレル(Gary Cockrell)

  『ロリータ』でロリータの夫、リチャードを演じた。その後キューブリックと袂を分かったジェームズ・B・ハリスが監督した『駆逐艦ベッドフォード作戦 』(1965)にも出演している。  他の主な出演作は『ターザン大いに怒る』(1960)、『ラブ・ハント講座 』(1961)、『ダイナミック作戦 』(1961)、『レッツ・ゴー物語 』(1962)、『野性の太陽』(1962)、『戦う翼』(1962)、『銃殺指令』(1963)、『卑怯者の勲章』(1964)、『合衆国最後の日』(1977)など。  1932年12月4日アメリカ出身。

【登場人物】リチャード・T・シラー(Richard T. Schiller)

 『ロリータ』で、ロリータと結婚した耳は悪いが人のいい夫。

【監督】映画監督スタンリー・キューブリックについて

イメージ
Stanley Kubrick(IMDb)  1928年7月26日、ニューヨーク・ブロンクス出身。ルック社のカメラマンとしてキャリア積み、いくつかのドキュメンタリ-作品を制作した後、1953年 自主制作映画『恐怖と欲望』で監督デビューを果たす。代表作は『2001年宇宙の旅』(1968)、『時計じかけのオレンジ』(1971)、『シャイニング』(1980)、『フルメタル・ジャケット』(1987)など。1999年7月公開へ向けて『アイズ ワイド シャット 』を制作、試写の段階までこぎつけたが、 1999年3月7日、 ロンドン郊外の自宅で心臓発作で急逝した。享年70歳。

【バイオグラフィー】映画監督スタンリー・キューブリックの生涯

イメージ
Stanley Kubrick(IMDb) ●生誕からプロカメラマンとして過ごしたニューヨーク時代(1928-53)  1928年(0歳)、7月26日にニューヨークのブロンクスで開業医の息子として生まれたキューブリックは、13歳の誕生日に父からカメラを贈られる。若いキューブリックを惹き付けたのは、チェス、ジャズドラム、そしてカメラだったが、特にカメラには夢中になり、学校の成績などおかまいなしに写真部の活動に熱中したようだ。  1945年(16~17歳)、16歳の時、ルーズベルトの死を知らせる新聞を、悲痛な表情で読んでいる新聞スタンドの売り子の写真が、写真報道誌「ルック」誌に買い上げられる。また、その後も何点か同様に買い上げられる。この事により、授業そっちのけで、より一層写真に夢中になったキューブリックだが、ハイスクールはかろうじて卒業できたものの、成績不振のために志望の大学には進めなかった。だが幸運にも、前出の「ルック」に見習いカメラマンとして入社できることになり、以来4年半もの間、アメリカ国内やポルトガルなどを飛び回り、ジャーナリストとして様々な経験を積む。そのことは、その後の彼の映画のスタイルを決定づけたと言われている。  1947年(18~19歳)、本格的に映画監督を志すようになったキューブリックは、まず手始めにニューヨーク近代美術館で過去の名作を、街の映画館では最新の映画を片っ端から観てまわった。映画に関する書籍も読みあさっり、特にプトキンの『フイルム・テクニック』と、ニコライ・M・ゴルチャコフの『スタニフラフスキーが演出する』には大きな影響を受けたようだ。また、この頃単発飛行機の免許を取得する。  1948年(19~20歳)、 ハイスクール時代の同級生であったトーバ・メッツと結婚、グリニッジ・ビレッジに新居を構える。また、「プロボクサー」と題された一連の取材と撮影を担当する。これは当時24歳のボクサー、ウォルター・カルティエの試合当日を追ったフォト・ドキュメントで、この取材は翌年ドキュメンタリー映画『拳闘試合の日』として結実する。  1950年(21~22歳)、ルック社を退社し、自己資金で初めての短編ドキュメンタリー映画『拳闘試合の日』を製作、RKO=パテに4000ドルで売却する。RKO=パテは今度は逆にキューブリックに1500ドル融資し、短編ドキュメンタ...

【関連記事】著者名はジャック・トランス!「シャイニング」の映画内小説が本に

 スティーブン・キングの傑作ホラー小説をスタンリー・キューブリック監督が映画化した「シャイニング」(80)の中で、ジャック・ニコルソン扮する主人公の小説家ジャック・トランスが執筆していた小説が実際に本として発売された。  本のタイトルは「All Work and No Play Makes Jack a Dull Boy」、著者名はジャック・トランス。といってもこれは、ニューヨーク在住のアーティスト、フィル・ビューラーが仕掛けたアーティストブック(ジョークブック)だ。  雪に閉ざされた山間のリゾートホテルに冬場の管理人としてやってきた、スランプ中の小説家とその妻と5歳の息子。彼らが遭遇する恐怖を描いたこの映画の中でも最も恐ろしく印象的なのが、ジャックが広いロビーで1人、一心不乱にタイプライターで打ち込んでいた“小説”の内容を妻ウェンディ(シェリー・デュバル)が目にしたシーンだろう。  そこにはただひたすら、数10ページにわたって「All Work and No Play Makes Jack a Dull Boy」のフレーズが繰り返されているだけだった……。ジャックの狂気をまざまざと見せつけた名場面だ。「仕事ばかりしているとダメになる/よく学び、よく遊べ」といった意味のことわざだが、今回出版された本には80ページにわたってこのフレーズがレイアウトされている。 (引用: 映画.com ニュース/2009年1月7日 )  どんなものか見てみたかったのですが、 アメリカのアマゾン には取り扱いがありました。ちょっと見ただけですが、イマイチ「狂気」が足らないような気がしますね。