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【台詞・言葉】ラピュタ(Laputa)

 『博士の異常な愛情』でコング機長のB-52の最終目標となるICBM基地の名称。ジョナサン・スウィフト作のガリバー旅行記に登場する浮島の名称で、「淫売・売春」という意味もあります。つまり天空の島=北極圏にある基地で、なおかつこの作品に頻出する猥褻な暗喩も込めて「淫売」という意味のこの名前を付けたのでしょう。

【ロケーション】ヘイズ邸(Haze’s House)

  アメリカ・ニューハンプシャー州ラムズデイルにあるロリータの母ヘイズ婦人の邸宅。ハンバートがひと夏の下宿を探しにこの家にやってきたところから『ロリータ』の物語は始まる。

【家族】アンヤ・キューブリック(Anya Kubrick)

  キューブリックの初めての実子で三姉妹の次女(長女のカタリーナはクリスティアーヌの連れ子)。1989年にプロダクション・アシスタントのジョナサン・フィニー(『かいじゅうたちのいるところ』(2009)を手がけている)と結婚、一子(サム・キューブリック)をもうけるが2009年7月7日に50歳の時ガンで急死し、自邸の庭のキューブリックの隣に埋葬された。1959年4月6日生まれ。

【関連商品】アクション・フィギュア「モノリス」

モノリス アクションフィギュア(映画『2001年宇宙の旅』より)(Amazon)  世界最高のアクション・フィギュアが登場した。モノリスの種類についても紹介。  パラドックスを紹介しよう。これは世界最高のアクション・フィギュアだが、動くパーツは全く無い。ポーズも取れないし、アクセサリーも無いし、「可動部分は完全にゼロ」だ。映画『2001年宇宙の旅』に登場するモノリスのフィギュアなのだ。発売元はもちろん、Think Geek。  『Monolith Action Figure』のサイズは1.9 x 7.6 x 17.14センチで、映画のモノリスの比「1:4:9」(最初の3つの整数の二乗)と同じだ。  「半合成的で有機的でアモルファス的でソリッドな素材(別名プラスチック)」から出来ている。「奇妙な磁場を生じ、アクション・フィギュアの進化を促し、星で一杯の何かを見る等の可能性がある(あるいは、何もせずにデスクの上に存在を続けるかもしれない)」  しかし筆者が一番いいと思うのはパッケージだ。子供のころに持っていたスターウォーズのアクション・フィギュアを思い出すデザインなのだ。下のほうにある「Kubrick」というロゴは、英国に輸入されたときのブランド「Kenner」に似ている。箱の左上にある「星でいっぱいだ!」という宣伝文句も素晴らしい["My God, it's full of stars!"は、モノリスの中に入ったDave Bowmanの最後の言葉(小説版)]。  このプラスチック製の銀河の謎は、たったの13ドルで買うことができる。月への旅行より安い。  [パッケージ右上にある「TMA:Tycho Magnetic Anomaly(ティコ磁気異常)は、モノリスの種類を表す。月探査の過程で、ティコ・クレーターに磁気異常があることが発見され、モノリスの発見につながったのが起源。  TMA・1は、太陽光を受けた瞬間に強力な信号を土星衛星(映画版では木星衛星)のTMA・2および450光年離れた主人に向けて発信。人類が衛星に到達するほど進化したことをTMA・2に伝えた。TMA・2は、近づいて来た地球人を、スターゲートを通じて宇宙の彼方へ転送し、肉体を脱した精神のみの生命体(スターチャイルド)へと進化させた。なお、本物のTMA・2の長辺は600メートル近...

【台詞・言葉】655321

  「シックス・ダブルファイブ・スリー・ツー・ワン」と読む。『時計じかけのオレンジ』でアレックスが与えられた囚人番号。原作では6655321だが、それだと「ダブルシックス・ダブルファイブ・スリー・ツー・ワン」になってしまうので語呂が悪いので変更したと思われる。

【家族】カタリーナ・キューブリック(Katharina Kubrick)

  キューブリックの長女。だがクリスティアーヌの連れ子なので血のつながりはない。1953年にドイツのフライブルクで生まれ、3歳の頃キューブリックと母クリスティアーヌと共にカリフォリニアに移住した。アンヤと同じように『2001年宇宙の旅』では、絵を描いている少女役でエキストラ出演していたが、カットされている。『バリー・リンドン』でカメラマンのアシスタントとして参加し、その関係からケン・アダムのアシスタントとして『007私を愛したスパイ』に参加。その後は小道具デザイナーやフォトグラファー、アシスタントアートディレクターとして『007ムーンレイカー』、『ミッドナイトエクスプレス』、『ダーク・クリスタル』、『スーパーガール』、『シャイニング』などに参加した。  1984年3月10日にフィリップ・ホッブスと結婚し映画界を引退、アレックス、ジョー、ジャックの3人の息子をもうける。1987年に画家として絵を描き始め、現在はハーフォードシャーの自宅で絵を教えている。『時計…』ではレコード店でアレックスとすれ違う役、『バリー…』でクイン大尉とノーラを囲んでの食事シーンの一人、『アイズ…』では診察室での少年(実の息子)の母役でエキストラ出演もしている。また『アイズ…』では自作を絵を提供した。  1953年12月25日ドイツ・フライブルク出身。ホッブスとは2001年に離婚している。

【撮影・技術】ジャンプ・カット(Jamp Cut)

 『2001年宇宙の旅』で「進化の過程」を印象的に見せた、猿人の骨から衛星に切り替わるジャンプ・カットはいつ観ても素晴らしい。一般的には「道具の進化」として受け取られているようだけど、猿人が殺人を犯した「骨」から、大量殺戮兵器である「原子力(核爆弾)衛星」での移行であることからして、「武器の進化」を意図したもの、解釈するのが妥当でしょう。まあ、拡大解釈すればどちらも同じ意味だけど。

【スタッフ】ハリー・ラング(Harry Lange)

  『2001年宇宙の旅』で重要な役割を果たしたプロダクション・デザイナー。1965年にNASAを去るとすぐ、共通の友人であるアーサー・C・クラークを通じでキューブリックと知り合い、『2001年…』のプロジェクトにその後3年間携わる。  他の参加作品は『赤ちゃんよ永遠に』(1972)、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲 』(1980)、『マペットの大冒険/宝石泥棒をつかまえろ!』(1981)、『ダーククリスタル』(1982)、『モンティ・パイソン/人生狂騒曲』(1983)、『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』(1983)、『ハイパーサピエンス』(1986)。  1930年12月7日ドイツ・テューリンゲン州でハンス・クルト・ランゲとして出生、2008年5月22日にイギリスで死去、享年77歳。

【スタッフ】フレデリック・オードウェイ(Fred(Frederick) Ordway)

  マーシャル宇宙飛行センターのウェルナー・フォン・ブラウンと共に働いた経験を持つ元NASAの技術者で、1965年1月に『2001年宇宙の旅』の科学技術アドバイザーとしてプロジェクトに参加。NASAやIBMなど各宇宙産業関連企業とのパイプ役や、科学技術の指南役として『2001年…』に多大な貢献をした。  1927年4月4日アメリカ・アラバマ州出身、2014年6月1日死去、享年87歳。

【関連記事】スタンリー・キューブリックの義弟が来日

 昨年、日本で公開された洋画の中では第1位の興収を記録した「A.I.」が、早くもDVD&ビデオ化される。このプロモーションのため、同作のエグゼクティブ・プロデューサーであり、故スタンリー・キューブリックの義弟でもあるヤン・ハーランが来日し、2月13日、東京・日比谷の帝国ホテルにて会見を行った。  「観るものすべてが驚きに満ちており、とても興奮しています」と初来日の感想を語ったハーランは、「『A.I.』は、(キューブリックとスピルバーグという)2人の偉大なアーティストの最高のコラボレーション。作品の完成に立ち会うことはできなかったが、キューブリックもきっと喜んでいるでしょう」と、製作に使用されたコンセプト原画を手に満面の笑みを見せた。このコンセプト原画は、3月16日から21日まで東京・お台場のフジテレビで開催される『A.I.』展に出展される一品。そのほかにも、撮影で実際に使用されたテディ・ロボット、デイビッドとジゴロ・ジョーのコスチューム、ルージュ・シティのミニチュア、全長7.5メートルのアンフィビコプター(水空両用ヘリ)のモデルが展示される予定だ。  会見は、「彼は完全主義者であると同時に、ユーモアと人間性にあふれた人。彼との共同作業は決して楽ではなかったが、楽しいものだった」とキューブリックの人柄にも話が及び、「今後多くの芸術が残っていく中で、きっと彼の名も残るはず」と改めて名監督の偉大さを感じさせるものとなった。 (引用: 映画.com/2002年2月19日 )  かなり古い記事ですが、見つけたので念のためスクラップしておきます。ヤン・ハーラン来日していたんですね。実姉でキューブリックの妻、クリスティアーヌはまだ来日した事がなかったと思います。何かの機会には是非日本に来てほしいですね。

【サウンドトラック】ALEX NORTH SPARTACUS[6CD+DVD+BOOK]<限定盤>

ALEX NORTH SPARTACUS[6CD+DVD+BOOK]<限定盤> ●Disc1 Overture (4:00) Main Title * (3:17) The Mines (3:01) Caravan (1:15) First Pair (3:44) Gladiators Fight To The Death * (2:20) Brooding (2:20) On To Vesuvius (Forward, Gladiators / Forest Meeting) * (4:52) Oysters And Snails (Film Version) (3:07) Hopeful Preparations / Vesuvius Camp * (1:59) Vesuvius Montage (1:19) Blue Shadows And Purple Hills * (3:11) Headed For Freedom * (3:15) Homeward Bound (On To The Sea / Beside The Pool) * (6:27) Metapontum Triumph (1:35) Festival (3:21) Expectant Parents (3:07) Prelude To Battle (Quiet Interlude / The Final Conflict) * (5:11) Formations (1:35) Goodbye My Life, My Love / End Title * (4:16) Spartacus Love Theme * (2:50) On To The Sea / Infant Burial (3:03)※BONUS TRACK Oysters And Snails / Festival (Album Version) * (3:24)※BONUS TRACK *cues from the original Decca soundtrack album ●Disc2 Overture (3:59) Main Title (3:41) The Mines (3:00) Caravan (1:17) Varinia's Theme (3:15) Training The Gladiators...

【サウンドトラック】ザ・サウンドトラック・アルバム・スパルタカス(The Sound Track Album Spartacus)

ザ・サウンドトラック・アルバム・スパルタカス/アレックス・ノース(Amazon) Main Title (3:20)|メイン・タイトル  Love Theme (2:51)|スパルタカスの愛のテーマ  Gladiators Fight To The Death (2:23)|剣闘士達は死ぬまで斗う  Blue Shadows And Purple Hills (3:12)|ブルー・シャドウズ・アンド・パープル・ヒルズ  Homeward Bound: (A) On To The Sea (B) Beside The Pool (6:30)|故郷へ:海へ~池のほとりで  Hopeful Preparations, Vesuvius Camp. (2:00)|希望への準備~ベスビアス・キャンプ  Prelude To Battle: (A) Quiet Interlude (B) The Final Conflict (5:14)|戦いへの序曲:静かなる間奏曲~最後の争い On To Vesuvius: (A) Forward, Gladiators (B) Forest Meeting (4:55)|ベスビアスへ:進め!剣闘士よ~森での会合 Oysters And Snails - Festival (3:26)|牡蠣と蝸牛~祭礼 Headed For Freedom (2:22)|自由の身へ Goodbye. My Life, My Love. - End Title (4:18)|生命も恋も捨てて~エンド・タイトル   映画本編はカーク・ダグラスの聖人君子ぶりや、脚本のメロドラマ性、絵に描いた理想主義が鼻につく『スパルタカス』だが、王道とはいえこの堂々としたサントラは良曲揃いでクオリティが高い。作曲したアレックス・ノースは完成までに1年以上を費やしただけの事はあり、どの曲もよく練られている印象だ。『2001年…』でキューブリックが再びノースにサントラを依頼したのも頷ける。  1950年代という時代は映画製作において非常に音楽が重要視された時代で、大作映画の上映時には観客の高揚感を煽るためオーバーチュア(序曲)の演奏が通例であった。ただ、残念な事にこのサントラではカットされてしまっている。  『メイ...

【企画作品】ブルー・ムービー(Blue Movie)

 『博士の異常な愛情』を製作中の頃、キューブリック邸に持ち込まれたブルー・フィルム(過激なポルノ映画)の鑑賞会をした際に、サザーンが何気なく聞いた「一大ポルノ映画を一流監督が制作したら面白いのに」という一言をヒントにテリー・サザーンが脚本を書き、キューブリックに映画化を薦めた。しかしクリスティアーヌがこれを見つけ「これを映画化したら二度と口をきかないから」という宣言によりあえなく断念。サザーンはその脚本を元に1970年に上記の小説を発表した。  その後もこの小説の映画化は、1974年にマイク・ニコルズ監督、ジュリー・アンドリュースの主演で企画されたが実現しなかった。

【プロップ】M-14ライフル(M-14)

  『フルメタル・ジャケット』で、前半の訓練時に使用されるライフル。ハートマン軍曹によると、「新兵が愛撫できる唯一のプッシー」だそうだ。後半の実戦時には、主にM-16が使用されている。

【セット】ゴールドルーム(The Gold Room)

 『シャイニング』に登場するホテルの宴会場の名称。幽霊達が社交パーティーを開いているシーンは、怖いというよりどこかユーモラスだ。客の一員としてキューブリックの三女、ビビアンが出演(ジャックが座るスツールの左側のソファに座っている右側の黒い服の女性。長いパイプを持っている)している。

【プロップ】バジル(Basil)

  『時計じかけのオレンジ』で、アレックスが飼っていたニシキヘビの名前。実は演じたマルコム・マクダウェルは蛇が大の苦手で、なんとなく掴み方がおっかなびっくりなのが分かります。そんなマルコムに問答無用で蛇を掴ませたキューブリック、さすがです(笑。

【登場人物】スチュワート・アルマン(Stuart Ullman)

 『シャイニング』で、オーバールック・ホテルの支配人。当初のラストシーンは、実はアルマンはホテルに悪霊達が巣食ってしまっているの知っていながらジャックを管理人に雇った、という事件の黒幕的な存在である事を暗示するシークエンスになっていた。だが初公開の後、キューブリックが不要と判断して削除してしましったため、単に何も知らない「善意の第三者」になってしまっている。

【プロップ】サバイバル・キット(Survival Kit)

 『博士の異常な愛情』で、万が一爆撃機がソ連領内に不時着した際、生き残るための最低限のものをパックにしたキット。内容は45口径の自動拳銃1挺、爆薬2箱、非常食4日分、薬品入れには抗生物質とモルヒネ、ビタミン剤に覚醒剤、睡眠薬、鎮静剤、聖書付きロシア語会話辞典、100ドル分にルーブルおよび金貨で100ドル、チューインガム9個、コンドーム1箱、口紅3本、ストッキング3足だそうですが、口紅とストッキングは何なんでしょうか?ロシア女性に食料を分けてもらうのに準備していたんでしょうか?謎です。

【台詞・言葉】台所(キッチン)はキチンとしましょう(You got to keep regular if you wanna be happy)

 『シャイニング』でハロランがウェンディに言うダジャレ。元の台詞は「You got to keep regular if you wanna be happy」で、ダジャレでもなんでもなく「ハッピーでいたいのなら整頓して使いましょうね」とやんわりお願いしてるだけなんですが。でもこの字幕は悪くないです。元の意味から大きく逸脱もしてませんし、笑いが起こるシーンにも合ってますね。

【登場人物】アンドレイ・スミスロフ博士(Doctor Andrei Smyslov)

 宇宙ステーションで偶然出くわしたフロイド博士に、月面で進行中の謎についてしつこく質問するロシア(ソ連)の科学者。演じたのはレナード・ロシター。

【登場人物】クイン大尉(Captain Quin)

 バリーの初恋の相手、ノーラを横恋慕するイングランド軍の大尉。演じたのはレナード・ロシター。

【俳優】レナード・ロシター(Leonard Rossiter)

 『2001年宇宙の旅』ではフロイド博士を質問攻めにするスミスロフ博士を、『バリー・リンドン』ではバリーの初恋の相手ノーラを横恋慕するクイン大尉を演じた。ただ『2001年…』からオスカー作品賞をかっさらった『オリバー』(1968)にも出演しているのは何とも皮肉。  主な出演作は『或る種の愛情』(1962)、『孤独の報酬』(1963)、『長い船団』(1964)、『キング・ラット』(1965)、『ホテル・パラディソ』(1966)、『影なき裁き』(1966)、『キッスは殺しのサイン』(1967)、『哀愁の旅路』(1967)、『地獄のかけひき』(1968)、『恐怖の落し穴』(1968)、『さすらいの航海』(1976)、『ピンク・パンサー3』(1976)、『ブリタニア・ホスピタル』(1982)、『トレイル・オブ・ザ・ピンクパンサー』(1982)、『レゲエdeゲリラ』(1985)など。  1926年10月21日イギリス・リバプール出身、1984年10月5日死去、享年57歳。

【関連記事】スタンリー・キューブリック監督の「失われた」脚本が、死後11年ぶりに映画化へ

 故スタンリー・キューブリック監督が、1960年代に製作に着手しながらも中止となってしまった伝説の映画が、スカーレット・ヨハンソンとサム・ロックウェルの共演で現代によみがえることとなった。  この作品は、キューブリック監督と小説家のジム・トンプソンが1950年代に脚本を執筆した「ルナティック・アット・ラージ」(原題)で、1956年のニューヨークを舞台に、精神病院から抜け出した殺人犯をめぐるストーリー。当時、映画『スパルタカス』のオファーを受けたキューブリック監督は、製作を一時中断、その後脚本が行方不明となり、映画化が頓挫してしまった。  キューブリック監督が亡くなった1999年、義理の息子に当たるフィリップ・ホッブス氏が遺品の整理をしていた際、この脚本を見つけたそう。ホッブス氏はニューヨーク・タイムズ紙で、「見てすぐに、何の脚本かわかったんだ。スタンリーはこの映画のことを話していたからね。すごくいいアイデアだったから、脚本がどこに行ったのか不思議がっていたよ」と語っている。同紙によると、脚本の中には線路上でのカークラッシュや気味の悪い山小屋でのラブシーン、夜のカーニバルシーンなどが登場するようで、大きなスクリーンでどのようによみがえるのか、楽しみなところだ。 (引用: シネマ・トゥデイ/2010年4月16日 )  『スパルタカス』前という事は、マーロン・ブランドとの共同企画『片目のジャック』から追い出された頃でしょうか。『スパルタカス』の監督に、とカーク・ダグラスからお呼びがかかるのが1959年初頭なので、この『ルナティック・アット・ラージ』の企画はその頃のものという事になりますね。脚本のジム・トンプソンはキューブリックお気に入りの小説家で、『現金…』では追加台詞を、『突撃』では共同で脚本を書いています。『突撃』以降、いくつもの企画が立ち消えになっていたので、その中の一つではないでしょうか。因に今年公開予定の『ザ・キラー・インサイド・ミー』は原作小説がジム・トンプソンで、その小説の推薦文をキューブリックが書いています。この事からもキューブリックがトンプソンを認めていた事が判りますね。  ただ、いくら脚本にキューブリックが関わっていたとしても、『A.I.』ですらアレですから宣伝材料として名前を出されたという以上のものはないでしょうね。監督が発表になっていませんが、出来...

【登場人物】ディック・ハロラン(Dick Hallorann)

 『シャイニング』に登場したオーバールック・ホテルの料理長。超能力「シャイニング」を持ち、同じ能力を持つダニーとテレパシーで会話できる。原作/キング版ではトランス母子の後見人的な役回りで、ダニーの良き理解者としても重要なキャラクターだったが、映画版では単なる「脱出用雪上車運搬係」になってしまった。その意味ではキューブリックによる原作改変の最大の被害者かも。

【俳優】スキャットマン・クローザース(Scatman Crothers)

 『シャイニング』で料理長ハロランを演じた。スキャットマンにとって撮影は大変過酷なものだったようで、キッチンでのダニーとの会話のシーンはなんと148テイクも繰り返し、更に殺害されるシーンは40テイクにもなって、最後にはジャック・ニコルソンに止められる始末であった。メイキングのインタビューでは、ダニーとの共演について問われると大粒の涙を流しているが、これを額面通り「感動の涙」とはとても捉えることはできない。よっぽど共演場面の撮影が辛かったんじゃないかと想像してしまう。また、キューブリックについて、こんな詞を残している。 ロンドン住まいの男あり 映画を作って、世に名高く そうさ本当に有名だ その名はスタンリー・キューブリック 何でもやる、何でもやる スタンリーは何でもやってしまう。 彼は前を見る男 死者再生も信じさす 編集は全部自分でやる 特技を持った大天才 何でもやる、何でもやる 言ったろ、何でも彼はやる (引用:『ミシェル・シマン キューブリック』)  これも、一見キューブリックを讃えているようだが、その実は暗にその執拗なこだわりぶりを批判しているようにも読める。もしそうだとしてもキューブリックを批判する気にはなれない。なにしろ現場で一番のプレッシャーを抱えていたのはそのキューブリック他ならないからだ。ただこのときスキャットマンは既に69歳。「もうちょっと気を使ってあげなよ」とは思うのだが。  他の主な出演作は『ジョニイ・ダーク』('54)、『ならず者部隊』('56)、『底抜け男性No.1』('65)、『ボクサー 』('70)、『ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実』('72)、『黒帯ドラゴン 』('74)、『おかしなレディ・キラー』('75)、『大陸横断超特急』('76)、『ラスト・シューティスト』('76)、『名探偵再登場』('78)、『ブロンコ・ビリー』('80)、『超能力学園Z』('82)、『トワイライトゾーン/超次元の体験』('83)、『セカンド・チャンス』('83)。ジャック・ニコルソンとは『カッコーの巣の上で』('75)で共演している。また、日本でも話題になったTVシリーズ『ROOTS/ルーツ 』('77)にも出演している。  1...

【登場人物】ディム(Dim)

 『時計じかけのオレンジ』で、アレックスにいびられる子分。どうやら世界的に愚図はデブと相場がきまっているらしい。でも、物語の後半には警官になったディムと、かつての敵ビリーボーイが出所したばかりのアレックスに仕返しをする。アレックス、寒そう。

【俳優】ウォーレン・クラーク(Warren Clarke)

 『時計じかけのオレンジ』でディムを演じた。他の主な出演作は『ファイヤーフォックス』(1982)、『クルーソー 』(1988)、『シャンプー台のむこうに 』(2000)、『グリーンフィンガーズ 』(2000)など。  1947年4月26日イギリス・ランカシャー州出身。2014年11月12日死去、享年67歳。

【登場人物】ローサー・ゾッグ中尉(Lt. Lothar Zogg)

 『博士の異常な愛情』でB-52の爆撃手。核攻撃命令に疑問を持つキャラクターだったが、キューブリックが大幅にセリフをカットしてしまった。演じたはジェームズ・アール・ジョーンズはそれに「いい役だから引き受けたのに・・・」と不満を漏らしたが、キューブリックは「いいんだ、必要ないんだ」答えた。つまりブラックユーモアを徹底したかったのだろう。

【俳優】ジェームズ・アール・ジョーンズ(James Earl Jones)

 『博士の異常な愛情』の爆撃手ローサー・ゾッグ中尉を演じた。『スター・ウォーズ』シリーズのダース・ベイダーの声で有名。  他の主な出演作は『危険な旅路』(1967)、『ボクサー 』(1970)、『ドキュメンタリー マルコムX』(1972)、『ザ・マン』(1972)、『愛しのクローディン 』(1974)、『UFOとの遭遇』(1975)、『スキャンダル・美女襲撃現場の秘密』(1976)、『カリブの嵐』(1976)、『シドニー・ポワチエ/ピース・オブ・アクション』(1977)、『Oh!外人部隊』(1977)、『エクソシスト2 』(1977)、『アリ/ザ・グレーテスト』(1977)、『スター・ウォーズ』(1977)、『ガイアナ人民寺院の惨劇』(1980)、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(1980)、『武士道ブレード』(1981)、『フライト・オブ・ドラゴン』(1982)、『コナン・ザ・グレート』(1982)、『エーゲ海の伝説』(1982)、『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』(1983)、『ミッドナイト・ギャンブラー』(1984)、『SF/攻防都市』(1984)、『マイ・リトル・ガール』(1986)、『ミスター・ソウルマン』(1986)、『キング・ソロモンの秘宝2/幻の黄金都市を求めて』(1986)、『メイトワン-1920』(1987)、『友よ、風に抱かれて』(1987)、『地獄の配達人』(1988)、『星の王子ニューヨークへ行く』(1988)、『ベスト・オブ・ザ・ベスト』(1989)、『3人の逃亡者』(1989)、『フィールド・オブ・ドリームス』(1989)、『ラスト・カウントダウン』(1990)、『アイボリー・ハンター』(1990)、『レッド・オクトーバーを追え!』(1990)、『アンビュランス』(1990)、『セックスの義務と権利』(1991)、『トゥルー・アイデンティティー/正体知られて大ピンチ!!』(1991)、『旅立ちの季節』(1991)、『ラーマーヤナ』(1992)、『スニーカーズ』(1992)、『パトリオット・ゲーム』(1992)、『ノックアウト』(1993)、『リーサル・コップ』(1993)、『スーパーヒーロー/メテオマン』(1993)、『ジャック・サマースビー』(1993)、『サンドロット/僕らがいた夏』(1993)、『怒りを我らに』(1994)、『裸...

【登場人物】ベル(Belle)

 『バリー・リンドン』のバリーの母親。バリーに降り掛かる数々の災難も、元を辿ればほとんどこの人に行き着く。バリーにとっては結局疫病神にしかならなかったようだ。

【俳優】マリー・キーン(Marie Kean)

 『バリー・リンドン』で、バリーの母親ベル役。主な出演作は『袋小路』('65)『ライアンの娘』('70)、『殺人天使』('82)、『ザ・デッド/「ダブリン市民」より』('88)など。  1918年6月27日、アイルランド・タブリン生まれ。1993年12月29日、75歳で死去。

【登場人物】ロックハート中尉(Lt. Lockhart)

 典型的な職業軍人(ライファー)として登場した、ジョーカーの上官で海兵隊の報道部門の編集長。米軍機関紙「スターズ・アンド・ストライプス(星条旗新聞)」に記事を提供している。隊員の士気を下げないようにジョーカーに記事の捏造を指示した。どことなくホモっ気のあるキャラクターになっている。

【俳優】ジョン・テリー(John Terry)

 『フルメタル・ジャケット』でジョーカーの上官、ロックハート中尉を演じた。  他の主な出演作は『ホーク・ザ・スレイヤー/魔宮の覇者』(1981)、『赤と黒の十字架』(1983)、『ワイルド・ギース II』(1985)、『ブルース・ウィリス/イン・カントリー』(1989)、『シルエット/殺しの陰影』(1990)、『ヘルハザード/禁断の黙示録』(1992)、『二十日鼠と人間』(1992)、『ミラクル・ベビー』(1993)、『欲望』(1993)、『白銀に燃えて』(1994)、『処刑監獄』(1994)、『ビッグ・グリーン/でこぼこイレブン大旋風』(1995)、『LAコールガール』(1997)、『デニス・ロッドマン ストーリー』(1998)、『裁かれる判事』(2001)、『ゾディアック』(2007)、『ソルジャー・ウルフ 合衆国の陰謀』(2009)、『9INE ナイン』(2010)など。  1950年1月25日アメリカ出身。

【プロップ】クライスト・アンリミテッド(Christ Unlimited)

 『時計じかけのオレンジ』で、アレックスの部屋に飾ってあるキリスト像。作者はハーマン・マキンク。

【登場人物】猫おばさん(Cat Lady)

 『時計じかけのオレンジ』で、ヘルス・ファームにたくさんの猫と一緒に住んでいる金持ちのおばさん…というよりばあさん。アレックスに撲殺されても仕方ないかな?と思えるほど醜悪な顔をしています。撲殺の道具に使われた「個性的なオブジェ」はハーマン・マキンク作のもの。  ちなみに部屋にかかっている絵はそのハーマンの弟、コルネリス・マキンクの作品。猫はキューブリック家で飼われていたのを持ってきて撮影に使ったそうだ。

【俳優】ミリアム・カーリン(Miriam Karlin)

 『時計じかけのオレンジ』でキャット・レディを演じた。他の主な出演作は『求むハズ 』(1960)、『寄席芸人』 (1960年)、『ラッシュバック』(2008)。  1925年6月23日ロンドン出身、2011年6月3日死去、享年85歳。

【登場人物】カール(Carl)

 『アイズ ワイド シャット』で、夜中に呼び出された急患の患者の娘、マリオンの恋人。

【俳優】トーマス・ギブソン(Thomas Gibson)

 『アイズ ワイド シャット』で突然ビルに愛の告白をするマリオンの恋人、カールを演じた。他の主な出演作は遥かなる大地へ』(1992)、『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』(1993)、『バルセロナの恋人たち』(1994)、『メン・オブ・ウォー』(1994)、『スリープ・ウィズ・ミー』(1994)、『エリア51』(1996)、『新オーメン』(1997)、『ナイトメア・ストリート/記憶の片隅』(1998)、『サイコ・ビーチ・パーティ』(2000)、『しあわせの選択』(2000)、『フリントストーン2/ビバ・ロック・ベガス』(2000)、『モンキー・キング 西遊記』(2001)、『ヒヤシンス・ブルーの少女』(2003)、『蘇生 ~イヴィル・ネバー・ダイズ~』(2003)、『壊滅暴風圏/カテゴリー6』(2004)など。  1962年7月3日アメリカ・サウスカロライナ州出身。

【俳優】ジュリエンヌ・デイヴィス(Julienne Davis)

 『アイズ ワイド シャット』でドラッグ中毒でビルに解放されたジーグラーの愛人マンディを演じる。儀式でビルの身代わりになるマンディは別人。他の出演作は『カム・トゥギャザー もうあなたしか見えない 』(2002)など。ミュージシャンで『ソフィスティケイテッド・サヴェッジ(Sophisticated Savage)』のボーカルでもある。  1973年9月26日アメリカ・ロサンゼルス出身。

【登場人物】アマンダ "マンディ" カラン(Amanda "Mandy" Curran)

 『アイズ ワイド シャット』で、ビルの身代わりになって死んだドラッグ・クイーン。ことの顛末はジーグラーから聞かさせるが、実際はどうだったかはぼやかされている。  当初マンディ役ははスーパーモデルのエヴァ・ハーツィゴヴァのキャスティングが予定されていたが、ヌードシーンが多いためNGとなった。