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【関連記事】エルスツリー・スタジオの敷地から『シャイニング』の雪が発掘される

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エルスツリー・スタジオに作られたホテルの裏側と迷路のセット エルスツリー・スタジオの片付け作業中に、ホラー映画の古典作品に出てくる偽の雪が発見される。  エルスツリー・スタジオの土地埋め立て工事は完成に近づいており、請負業者は敷地内に埋もれた珍しいものを発見したが、そこに埋まっていると噂されていたミレニアム・ファルコン号の痕跡は見つからなかった。   しかし、作業員は白い粉が詰まった袋を何袋も発見した。分析の結果、この白い粉は偽の雪であることが判明した。このエリアで最後に偽の雪が使われたのは、34年以上前の スタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』の時だった。  『シャイニング』の製作総指揮者ヤン・ハーランは次のように語っている。「ホテルの正面の一部は、エルスツリー・スタジオの敷地内に足場を組んで再建されました。冬のシーンでは、空気に触れると硬化するホルムアルデヒドベースのフォームを使用して大量の人工雪が追加され、その後、リアルな結晶効果を得るために塩で覆われました。」  「34年を経て、今頃は「雪」は粉々になっているかもしれません。これは比較的簡単でしたが、本当の問題は、画像に神秘的な輝きを与えるために人工の霧を加えることでした。この薄い植物の煙は、ほんの少しの風でも数秒で吹き飛ばされてしまいます。無風と幸運は映画製作の一部です。撮影のために、エリア全体が人工の雪で覆われました。」 〈以下略〉 (引用: SCREEN DAILY/2014年4月8日 )  敷地内に大量にバラまかれた発泡スチロール(当時はホルムアルデヒドの有害性は指摘されていなかった)雪が残っていたんですね。よくあの雪は塩という話がありますが、実はほとんどが発泡スチロールで、それに更に本物っぽさを加えるために塩で覆ったのです。『メイキング・ザ・シャイニング』で人工雪を降らせているシーンが出てきますが、あれが発泡スチロールですね。塩はあんなに結晶は大きくないですから。  記事によると「多数の袋が発見された」となっていますので、バラまかれたものが残っていたのではなく、未使用もしくは使用済の袋入りのものを勝手にスタッフが埋めて処分していたのが見つかった、という事かもしれません。ある意味貴重な資料なので、捨てないでスタンリー・キューブリック・アーカイブズでの収蔵をお願いしたいですね。

【名曲】ロリータ・ヤ・ヤ(Lolita Ya Ya)

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サントラ収録のオリジナル・バージョン 日本でもおなじみベンチャーズ・バージョン 謎なシェリー・ウィンタースのバージョン  『ロリータ』のテーマ曲として書かれたこの曲、映画用オリジナル曲としてはキューブリック作品中最大のヒット(アビゲイル・ミードが書いた『フルメタル・ジャケット』はサントラ収録用楽曲なので厳密には映画用オリジナルとは言えない)だったようで、様々なアーティストのカバー音源が残されています。  有名どころでは日本でもおなじみのベンチャーズ、ザ・クレバーズ、オーケストラ・デル・オロ、そして最大の謎バージョンなのが『ロリータ』の母親役だったシェリー・ウィンタースが歌ったもの。どういう経緯でこのバージョンが残されたのか知りませんが、なんともまあ珍妙な味わいですね。  因にこの曲にネルソン・リドルと並んでクレジットされているボブ・ハリスとはプロデューサーのジェームズ・B・ハリスの実弟です。どうやらハリスがキューブリックに頼んで採用してもらったそうです。

【関連記事】英カルチャーサイト選出「2000年代を代表する映画25本」

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  A.I.(IMDb)  英カルチャーサイトShortListが、「2000年代を代表する映画25本(The 25 Greatest Movies of the 00s)」を特集している。  ほとんどが英語の映画&アメリカ映画という前提のリストになるが、ゼロ年代のアメリカといえば、ブッシュ政権の誕生、9・11同時多発テロ、イラク戦争、リーマンショックと世界同時不況、そして初のアフリカ系アメリカ人、オバマ大統領の誕生に代表される激動の10年だった。  25本は以下の通り(年代順)。 「あの頃ペニー・レインと」(2000) 「アメリカン・サイコ」(2000) 「グラディエーター」(2000) 「ハイ・フィデリティ」(2000) 「メメント」(2000) 「A.I.」(2001) 「ドニー・ダーコ」(2001) 「28日後...」(2002) 「シティ・オブ・ゴッド」(2003) 「キル・ビル」(2003) 「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」(2003) 「俺たちニュースキャスター」(2004) 「エターナル・サンシャイン」(2004) 「ミリオンダラー・ベイビー」(2004) 「トゥモロー・ワールド」(2006) 「ディパーテッド」(2006) 「パンズ・ラビリンス」(2006) 「ノーカントリー」(2007) 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(2007) 「THIS IS ENGLAND」(2007) 「ゾディアック」(2007) 「ダークナイト」(2008) 「第9地区」(2009) 「イングロリアス・バスターズ」(2009) 「カールじいさんの空飛ぶ家」(2009) ( 映画.com ニュース/2014年4月3日 )  混沌したゼロ年代を象徴する微妙なランキングですね。選ぶ人によってはこの顔ぶればガラっと変わるでしょう。それにそんなに面白いとは思えなかった『A.I.』が入っているのも謎です。まあそれだけ誰もが認め、素晴らしいと言えるインパクトのある作品がなかった、という事でしょうね。

【関連動画】HAL9000のスクリーンセーバー

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  ずいぶんと前からあるサイトですが、改めてご紹介。HAL9000そっくりのスクリーンセーバーがダウンロードできます。隅々まで神経の行き届いたデザインが美しく、なかなかの再現度です。とりあえず2種類を無料で試用できますので、お気軽にお試しを。  好みはフルスクリーン・バージョンですね。確かにコンソール・バージョンの方がHALらしいですが、あまりにもモロバレなので、ここは「分かる人には分かる」フルスクリーン・バージョンで通ぶりたいです。一見単なる普通にカッコイイスクリーンセーバーですから、インストールするPCを選ばないのもいいですね。研究や開発で使用しているPCならそれっぽくってなおさらよろしいかと。でも個人的にはスリープ派なのでスクリーンセーバーは使わないと思います(爆。  映画でのこのモニター表示はダグラス・トランブルを始めとするスタッフの手描きアニメーションだったのは有名な話ですね。ワイヤーフレームのアニメーションはまさしくワイヤーフレームを実際に作成し、それを回転台の上に載せて少しずつ回転させながら撮影、それを画像処理してあのAE35ユニットなどのアニメーションを製作したそうです。何気ない映像ですが恐ろしく手間がかかっているのです。スタッフが逃げ出すのも無理ないですね。

【関連記事】これが原点。「天才少年」と謳われた若きスタンリー・キューブリックの写真作品

 「2001年宇宙の旅」、「時計仕掛けのオレンジ」、「シャイニング」などで知られる映画界の巨匠スタンリー・キューブリック監督が1940年代に撮影した写真をご紹介します。1940年代、17歳から22歳の頃にルック誌の見習いカメラマンとして働いていた時代です。キューブリックはニューヨークの人々を捉えています。決して生き生きとした人物達が捉えられているわけではなく、どこか影のある人物やアングルで撮影されています。この頃から独自の視点をもっていたことがわかりますね。関係者には「天才少年」と言われていたようです。ルック誌での活動の後、短編ドキュメンタリー「拳闘試合の日」を製作しルック誌を辞めています。映画を撮る以前、若いキューブリックのこれらの写真を残していることがとても興味深いですね。 (引用元:ARTIST DATABASE/2014年4月1日)※記事は削除されました。  最近キューブリックのルック社在籍時代をまとめた写真集『スタンリー・キューブリック ドラマ&影:写真1945‐1950』へのアクセスが多いと思ったらこういう記事が出ていたんですね。当ブログでもこの時代の事はたびたび記事にしています。まず写真集についてはこちら。ルック社に入社するきっかけになったという、ハイスクール時代にルック社に25ドルで売りつけた有名な写真についてはこちら。通称『シカゴ・シリーズ』の没テイクをまとめた動画はこちら。キューブリックの愛機についてはそれぞれ、スピグラ、コダックモニター、ローライ、ライカとリンク先で記事にしています。また、キューブリックはこの頃ダイアン・アーバス、ウィージー、バート・スターンら超一流カメラマンらとも交流がありました。  それにしても上記の記事にはコメントはもちろん、ツイートやいいね!も結構なカウントがされていますね。去年イタリアのジェノバでこの時代の写真展が開催されていますが、これだけ需要があるなら日本での開催も可能ではないでしょうか?是非関係者様にはご検討をお願いしたいです。

【プロップ】アメリカ陸軍パラシュート部隊ブーツ(US Army Paratroopers Jump Boots)

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   『時計じかけのオレンジ』でアレックスたちドルーグが履いていたブーツはアメリカ陸軍パラシュート部隊ブーツです。いわゆる 「ボバーブーツ」 ですね。マルコム本人に確認済だそうです。ただ現在同じものを入手するのは非常に難しいでしょうね。コスプレ等で愛用されているのはドクターマーチンが多いようです。定番は1460の8ホールですが、イメージが近いのは 1490の10ホールです。  マーチンといえばMade in Englandでしたが、2003年にイギリス国内での生産を止め、全ての工場が中国にシフトしたためイギリス製のマーチンは今でも中古市場で人気があるみたいです。私も以前、黒とチェリレ、黒のサイドゴアと3足所有していましたが丁度その頃に手放してしまい、今は別のブランドのブーツを履いています。

【関連動画】『博士の異常な愛情』の未発表テイクが含まれたプロモーションフィルム

 ※動画は削除されました。  これはすごい!明らかに没テイクや別テイクが含まれています。どういった趣旨でこのフィルムが製作されたのか残念ながらよくわかりませんが、動画の説明には「ナレーションはキューブリックのように聞こえる」とあります。もしそれが正しければキューブリックが映画完成前に映画関係者にどのような映画なのか説明するために製作した広報用フィルムなのかもしれません。実際『2001年…』でも製作中にMGMの重役たちを招いて試写会を開いています。これもそういった意図で製作されたものだとすれば、完成作品以外は全て破棄してしまうキューブリックにしては手落ちがあったという事でしょう。もしくはこの頃はまだ極端な秘密主義に走っていなかった、という事かも知れません。  是非とも音声と映像をクリアにデジタル化してBD等の特典映像として収録すべきです。また、それを望みます。関係者各位には何卒実現をお願いいたします。

【関連記事】スタンリー・キューブリックの長年のプロデューサーが『ルーム237』を酷評し、『アイズ ワイド シャット』をお気に入りのキューブリック映画に挙げる

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Jan Harlan(IMDb) 「Room 237」を見ましたか?  ああ、なんてバカなんだ。もちろんそう思ったよ。気に入らないという話ではない。ただ馬鹿げている。つまり、(この 映画監督は)明らかにキューブリックが死ぬまで待っていたんだ。こういうことは何度も彼に起こったし、偽の月面着陸をしたという話もそうだ。これは彼が死んでからしかできなかった。人は虫けらのようにやってきて、墓から訴訟できない奴を利用する。いずれにせよ、私はそういうことは気にしない。 (引用: Indiewire/2014年3月31日 )  『時計じかけのオレンジ』以来キューブリック作品に長年プロデューサーとして参加し、義弟でもあるヤン・ハーランが例の『ROOM237』についてインタビューに応えています。ヤンは「何も解明しない陰謀説オタク映画」「明らかにキューブリックが死ぬのを待っていた大バカだ」「墓から出て来れない者を利用している」と批判のオンパレードです。  しかし、あえて私は苦言を言いたい。インタビューでも言及されている「偽の月面着陸」とはこの『オペレーション・ルーン』を指しているのでしょうが、その番組に姉(キューブリックの妻クリスティアーヌ)と一緒に嬉々と出演していたのはあなたでしょ?と。そんなあなたにこの『ROOM237』を批判する資格があるのかと。自作の権利を頑までに守り、TVのオンエアや広告、果ては上映館の壁の色まで口うるさく介入していたキューブリックの遺志を尊重し、あなたの言う「何も解明しない陰謀説オタク」からキューブリック作品を守らなければならないあなたと姉が、どうして『オペレーション・ルーン』などというくだらない番組に出演してしまったのか。その安易な行動がその「大バカども」に免罪符を与えてしまった責任ををどう考えているのか。とことん問いつめたくなります。  映画であれ、写真であれ、絵画であれ、音楽であれ、小説であれ、創作活動をした経験のある方ならよく理解できると思いますが「自作」というものは自分にとって我が子のように愛おしいものです。それを陰謀ごっこの道具にされ、あまつさえ金儲けのダシに使われるのを気にしなかったり、自作は嫌だけど他人の作品なら笑って許せる、という人は創作者でもクリエーターでもなく単なるカネの亡者、守銭奴です。その低レベルなゴミ自称芸術家たちはここに晒してあり...

【オーマジュ】ジュラシック・パーク(Jurassic Park)

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  スピルバーグの『ジュラシック・パーク』でレックスがキッチンの下に隠れるのは、『シャイニング』でダニーがジャックから逃れるためにキッチンの下に隠れたシーンのオマージュと言われています。確かに良く似ていますが、恐竜の間抜けなオチを用意するあたりがいかにもスピルバーグらしいです。  本作でティム少年を演じたジョゼフ・マゼロはキューブリック幻の企画『アーリアン・ペーパーズ』で主役のマチェックを演じる予定でした。となると当然キューブリックはこのオマージュシーンを観たはず。当人は何を思ったのでしょうね。