タイプライターの初登場時は薄いベージュ色をしている このシーンでは濃いグレーに塗り替えられている 『メイキング・ザ・シャイニング』を編集中のヴィヴィアンと撮影に使用されたタイプライター。場所はおそらく自宅ではないかと思われる あまり指摘されていませんが、実は作品内でタイプライターの色が淡いベージュ色から濃いグレーに変わっています。これはキューブリックが塗り直しの指示をしたそうで、担当した美術部門のロン・パンターによると「おそらく他との色調を合わせようとしたからではないか」との事です。(個人的にはタイプライターの紙が薄い黄色なので、本体の色と同化するのを避けたかったのではないか、と推察しています) 確かにタイプライターが初めて画面に登場するシーンと、ウェンディがジャックの様子を見に来た時とは色が若干違うようです。その後のジャックが悪夢にうなされるシーンや、「All work and no play・・・」を発見するシーンでははっきりと色が濃くなっているのが分かります。また、初登場時のシーンではロゴの横にシールの跡のようなものがありますが、後のシーンではそれがなくなっています。塗り直した際に剥がしたのだと思われます。 撮影に使われた現物はその後、三女のヴィヴィアンが使用していたようですが、ヴィヴィアンは『アイズ…』の頃にアメリカに渡ってしまったので現在の所在は不明です。残念ながら『スタンリー・キューブリック展』に展示中の物は同機種の別物、という事になります。塗り直した跡もないですし、色も違いますのでそれは歴然としていますね。