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【考察・検証】キューブリックが『2001年宇宙の旅』の美術監督を手塚治虫にオファーしたのは本当か?を検証する

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キューブリックから手塚治虫に届いた手紙の封筒。中身は本人によると「お袋が燃やしてしまった」そうだ  キューブリックから手塚治虫に「『2001年宇宙の旅』の美術監督を担当して欲しい」とのオファーがあり、それを断ったという有名な逸話がありますが、一部ではこれを「手塚治虫のホラ話」とする論調も見られます。今回はこの真偽を主に3つの資料から検証したいと思います。 (1)キューブリックが手塚治虫に当てた手紙の封筒の写真  上記の写真です。これによると差出人のキューブリックの住所は「239 Central Park West New York City」となっています。またニューヨークの郵便局の消印は1965年、石神井郵便局の消印は昭和40年(1965年)1月9日です。もし美術監督の話が「手塚治虫のホラ」であるならば、この封筒は偽造された事になります。 (2)自叙伝『ぼくはマンガ家』(毎日新聞社・1969年)に於ける記述  日本に帰ってしばらくしたら、S・キューブリックと署名した手紙が来た。「博士の異常な愛情」や「スパルタカス」「突撃」などで、ぼくの好きなニューヨーク派の映画監督、スタンリー・キューブリック氏だとわかって、とびあがった。 「わたしは、小さなプロダクションで映画を作っている一製作者であります」と、手紙は謙虚に始まった。「あなたの作られた『アストロ・ボーイ(※鉄腕アトムの英題名)』を見て、NBCにあなたの住所を訊いてお便りするのですが、実は、こんど、わたしは、純粋なSF映画をひとつ作ろうと思っています。それは二十一世紀の月世界を舞台にしたもので、科学的根拠に基づいた、シリアスで、真面目なドラマであります。ついては、あなたにその映画の美術デザインのことで協力を求めたいので、次のわたしのお訊ねにご返事いただければ幸いです。一、あなたは英語ができるのか?二、一年ほどの間、あなたが家族とはなれ、ロンドンのわれわれのスタッフといっしょに生活してもらえるか?以上、なるべく早くご返事を賜れば幸甚」 というていねいな文面で、これはぼく個人にとっては、またとないチャンスであった。  だが、残念なことに、すでに「鉄腕アトム」は製作を進行し、虫プロダクションを一年も留守にすることは、到底できない。 「非常によいお話で興味を持ったが、なにしろうちには、食わせなければならない人間が二百六十名...

【台詞・言葉】白人の呪い・白人の責務(White Man's Burden)

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   『シャイニング』のバーシーンでジャックがロイドにバーボン・オン・ザ・ロックを作ってもらいながら呟く台詞ですが、訳では「酒は白人の呪いだ、インディアンは知らん」となっています。しかし、調べてみるとイギリスの作家で詩人のラドヤード・キップリングが1899年に詠んだ詩『White Man's Burden(白人の責務)』を指しているようです。以下はその詩と訳になります。 The White Man's Burden Take up the White man's burden -- Send forth the best ye breed -- Go bind your sons to exile To serve your captives' need; To wait in heavy harness On fluttered folk and wild -- Your new-caught, sullen peoples, Half devil and half child. Take up the White Man's burden -- In patience to abide, To veil the threat of terror And check the show of pride; By open speech and simple, An hundred times mad plain. To seek another's profit, And work another's gain. Take up the White Man's burden -- The savage wars of peace -- Fill full the mouth of Famine And bid the sickness cease; And when your goal is nearest The end for others sought, Watch Sloth and heathen Folly Bring all your hope to nought. Take up the White Man's burden -- No tawdry rule of kings,...

【ブログ記事】スタンリー・キューブリックが遺した1.5万枚以上もの写真がネット上に公開中

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ルック社時代の若きキューブリック  スタンリー・キューブリック監督が写真誌『ルック』社在籍時代(17歳〜22歳)に撮影した写真約1.5万枚が閲覧できる ニューヨーク市立博物館のアーカイブページ です。単なるブツ撮りから隠しカメラでの地下鉄車内の撮影、構図キメキメのアートっぽい写真まで、キューブリックの若き才能を存分に堪能できます。検索窓から「stanley kubrick」で検索してください。

【関連記事】エルスツリー・スタジオの敷地から『シャイニング』の雪が発掘される

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エルスツリー・スタジオに作られたホテルの裏側と迷路のセット エルスツリー・スタジオの片付け作業中に、ホラー映画の古典作品に出てくる偽の雪が発見される。  エルスツリー・スタジオの土地埋め立て工事は完成に近づいており、請負業者は敷地内に埋もれた珍しいものを発見したが、そこに埋まっていると噂されていたミレニアム・ファルコン号の痕跡は見つからなかった。   しかし、作業員は白い粉が詰まった袋を何袋も発見した。分析の結果、この白い粉は偽の雪であることが判明した。このエリアで最後に偽の雪が使われたのは、34年以上前の スタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』の時だった。  『シャイニング』の製作総指揮者ヤン・ハーランは次のように語っている。「ホテルの正面の一部は、エルスツリー・スタジオの敷地内に足場を組んで再建されました。冬のシーンでは、空気に触れると硬化するホルムアルデヒドベースのフォームを使用して大量の人工雪が追加され、その後、リアルな結晶効果を得るために塩で覆われました。」  「34年を経て、今頃は「雪」は粉々になっているかもしれません。これは比較的簡単でしたが、本当の問題は、画像に神秘的な輝きを与えるために人工の霧を加えることでした。この薄い植物の煙は、ほんの少しの風でも数秒で吹き飛ばされてしまいます。無風と幸運は映画製作の一部です。撮影のために、エリア全体が人工の雪で覆われました。」 〈以下略〉 (引用: SCREEN DAILY/2014年4月8日 )  敷地内に大量にバラまかれた発泡スチロール(当時はホルムアルデヒドの有害性は指摘されていなかった)雪が残っていたんですね。よくあの雪は塩という話がありますが、実はほとんどが発泡スチロールで、それに更に本物っぽさを加えるために塩で覆ったのです。『メイキング・ザ・シャイニング』で人工雪を降らせているシーンが出てきますが、あれが発泡スチロールですね。塩はあんなに結晶は大きくないですから。  記事によると「多数の袋が発見された」となっていますので、バラまかれたものが残っていたのではなく、未使用もしくは使用済の袋入りのものを勝手にスタッフが埋めて処分していたのが見つかった、という事かもしれません。ある意味貴重な資料なので、捨てないでスタンリー・キューブリック・アーカイブズでの収蔵をお願いしたいですね。

【名曲】ロリータ・ヤ・ヤ(Lolita Ya Ya)

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サントラ収録のオリジナル・バージョン 日本でもおなじみベンチャーズ・バージョン 謎なシェリー・ウィンタースのバージョン  『ロリータ』のテーマ曲として書かれたこの曲、映画用オリジナル曲としてはキューブリック作品中最大のヒット(アビゲイル・ミードが書いた『フルメタル・ジャケット』はサントラ収録用楽曲なので厳密には映画用オリジナルとは言えない)だったようで、様々なアーティストのカバー音源が残されています。  有名どころでは日本でもおなじみのベンチャーズ、ザ・クレバーズ、オーケストラ・デル・オロ、そして最大の謎バージョンなのが『ロリータ』の母親役だったシェリー・ウィンタースが歌ったもの。どういう経緯でこのバージョンが残されたのか知りませんが、なんともまあ珍妙な味わいですね。  因にこの曲にネルソン・リドルと並んでクレジットされているボブ・ハリスとはプロデューサーのジェームズ・B・ハリスの実弟です。どうやらハリスがキューブリックに頼んで採用してもらったそうです。

【関連記事】英カルチャーサイト選出「2000年代を代表する映画25本」

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  A.I.(IMDb)  英カルチャーサイトShortListが、「2000年代を代表する映画25本(The 25 Greatest Movies of the 00s)」を特集している。  ほとんどが英語の映画&アメリカ映画という前提のリストになるが、ゼロ年代のアメリカといえば、ブッシュ政権の誕生、9・11同時多発テロ、イラク戦争、リーマンショックと世界同時不況、そして初のアフリカ系アメリカ人、オバマ大統領の誕生に代表される激動の10年だった。  25本は以下の通り(年代順)。 「あの頃ペニー・レインと」(2000) 「アメリカン・サイコ」(2000) 「グラディエーター」(2000) 「ハイ・フィデリティ」(2000) 「メメント」(2000) 「A.I.」(2001) 「ドニー・ダーコ」(2001) 「28日後...」(2002) 「シティ・オブ・ゴッド」(2003) 「キル・ビル」(2003) 「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」(2003) 「俺たちニュースキャスター」(2004) 「エターナル・サンシャイン」(2004) 「ミリオンダラー・ベイビー」(2004) 「トゥモロー・ワールド」(2006) 「ディパーテッド」(2006) 「パンズ・ラビリンス」(2006) 「ノーカントリー」(2007) 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(2007) 「THIS IS ENGLAND」(2007) 「ゾディアック」(2007) 「ダークナイト」(2008) 「第9地区」(2009) 「イングロリアス・バスターズ」(2009) 「カールじいさんの空飛ぶ家」(2009) ( 映画.com ニュース/2014年4月3日 )  混沌したゼロ年代を象徴する微妙なランキングですね。選ぶ人によってはこの顔ぶればガラっと変わるでしょう。それにそんなに面白いとは思えなかった『A.I.』が入っているのも謎です。まあそれだけ誰もが認め、素晴らしいと言えるインパクトのある作品がなかった、という事でしょうね。

【関連動画】HAL9000のスクリーンセーバー

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  ずいぶんと前からあるサイトですが、改めてご紹介。HAL9000そっくりのスクリーンセーバーがダウンロードできます。隅々まで神経の行き届いたデザインが美しく、なかなかの再現度です。とりあえず2種類を無料で試用できますので、お気軽にお試しを。  好みはフルスクリーン・バージョンですね。確かにコンソール・バージョンの方がHALらしいですが、あまりにもモロバレなので、ここは「分かる人には分かる」フルスクリーン・バージョンで通ぶりたいです。一見単なる普通にカッコイイスクリーンセーバーですから、インストールするPCを選ばないのもいいですね。研究や開発で使用しているPCならそれっぽくってなおさらよろしいかと。でも個人的にはスリープ派なのでスクリーンセーバーは使わないと思います(爆。  映画でのこのモニター表示はダグラス・トランブルを始めとするスタッフの手描きアニメーションだったのは有名な話ですね。ワイヤーフレームのアニメーションはまさしくワイヤーフレームを実際に作成し、それを回転台の上に載せて少しずつ回転させながら撮影、それを画像処理してあのAE35ユニットなどのアニメーションを製作したそうです。何気ない映像ですが恐ろしく手間がかかっているのです。スタッフが逃げ出すのも無理ないですね。

【関連記事】これが原点。「天才少年」と謳われた若きスタンリー・キューブリックの写真作品

 「2001年宇宙の旅」、「時計仕掛けのオレンジ」、「シャイニング」などで知られる映画界の巨匠スタンリー・キューブリック監督が1940年代に撮影した写真をご紹介します。1940年代、17歳から22歳の頃にルック誌の見習いカメラマンとして働いていた時代です。キューブリックはニューヨークの人々を捉えています。決して生き生きとした人物達が捉えられているわけではなく、どこか影のある人物やアングルで撮影されています。この頃から独自の視点をもっていたことがわかりますね。関係者には「天才少年」と言われていたようです。ルック誌での活動の後、短編ドキュメンタリー「拳闘試合の日」を製作しルック誌を辞めています。映画を撮る以前、若いキューブリックのこれらの写真を残していることがとても興味深いですね。 (引用元:ARTIST DATABASE/2014年4月1日)※記事は削除されました。  最近キューブリックのルック社在籍時代をまとめた写真集『スタンリー・キューブリック ドラマ&影:写真1945‐1950』へのアクセスが多いと思ったらこういう記事が出ていたんですね。当ブログでもこの時代の事はたびたび記事にしています。まず写真集についてはこちら。ルック社に入社するきっかけになったという、ハイスクール時代にルック社に25ドルで売りつけた有名な写真についてはこちら。通称『シカゴ・シリーズ』の没テイクをまとめた動画はこちら。キューブリックの愛機についてはそれぞれ、スピグラ、コダックモニター、ローライ、ライカとリンク先で記事にしています。また、キューブリックはこの頃ダイアン・アーバス、ウィージー、バート・スターンら超一流カメラマンらとも交流がありました。  それにしても上記の記事にはコメントはもちろん、ツイートやいいね!も結構なカウントがされていますね。去年イタリアのジェノバでこの時代の写真展が開催されていますが、これだけ需要があるなら日本での開催も可能ではないでしょうか?是非関係者様にはご検討をお願いしたいです。

【プロップ】アメリカ陸軍パラシュート部隊ブーツ(US Army Paratroopers Jump Boots)

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   『時計じかけのオレンジ』でアレックスたちドルーグが履いていたブーツはアメリカ陸軍パラシュート部隊ブーツです。いわゆる 「ボバーブーツ」 ですね。マルコム本人に確認済だそうです。ただ現在同じものを入手するのは非常に難しいでしょうね。コスプレ等で愛用されているのはドクターマーチンが多いようです。定番は1460の8ホールですが、イメージが近いのは 1490の10ホールです。  マーチンといえばMade in Englandでしたが、2003年にイギリス国内での生産を止め、全ての工場が中国にシフトしたためイギリス製のマーチンは今でも中古市場で人気があるみたいです。私も以前、黒とチェリレ、黒のサイドゴアと3足所有していましたが丁度その頃に手放してしまい、今は別のブランドのブーツを履いています。

【関連動画】『博士の異常な愛情』の未発表テイクが含まれたプロモーションフィルム

 ※動画は削除されました。  これはすごい!明らかに没テイクや別テイクが含まれています。どういった趣旨でこのフィルムが製作されたのか残念ながらよくわかりませんが、動画の説明には「ナレーションはキューブリックのように聞こえる」とあります。もしそれが正しければキューブリックが映画完成前に映画関係者にどのような映画なのか説明するために製作した広報用フィルムなのかもしれません。実際『2001年…』でも製作中にMGMの重役たちを招いて試写会を開いています。これもそういった意図で製作されたものだとすれば、完成作品以外は全て破棄してしまうキューブリックにしては手落ちがあったという事でしょう。もしくはこの頃はまだ極端な秘密主義に走っていなかった、という事かも知れません。  是非とも音声と映像をクリアにデジタル化してBD等の特典映像として収録すべきです。また、それを望みます。関係者各位には何卒実現をお願いいたします。

【関連記事】スタンリー・キューブリックの長年のプロデューサーが『ルーム237』を酷評し、『アイズ ワイド シャット』をお気に入りのキューブリック映画に挙げる

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Jan Harlan(IMDb) 「Room 237」を見ましたか?  ああ、なんてバカなんだ。もちろんそう思ったよ。気に入らないという話ではない。ただ馬鹿げている。つまり、(この 映画監督は)明らかにキューブリックが死ぬまで待っていたんだ。こういうことは何度も彼に起こったし、偽の月面着陸をしたという話もそうだ。これは彼が死んでからしかできなかった。人は虫けらのようにやってきて、墓から訴訟できない奴を利用する。いずれにせよ、私はそういうことは気にしない。 (引用: Indiewire/2014年3月31日 )  『時計じかけのオレンジ』以来キューブリック作品に長年プロデューサーとして参加し、義弟でもあるヤン・ハーランが例の『ROOM237』についてインタビューに応えています。ヤンは「何も解明しない陰謀説オタク映画」「明らかにキューブリックが死ぬのを待っていた大バカだ」「墓から出て来れない者を利用している」と批判のオンパレードです。  しかし、あえて私は苦言を言いたい。インタビューでも言及されている「偽の月面着陸」とはこの『オペレーション・ルーン』を指しているのでしょうが、その番組に姉(キューブリックの妻クリスティアーヌ)と一緒に嬉々と出演していたのはあなたでしょ?と。そんなあなたにこの『ROOM237』を批判する資格があるのかと。自作の権利を頑までに守り、TVのオンエアや広告、果ては上映館の壁の色まで口うるさく介入していたキューブリックの遺志を尊重し、あなたの言う「何も解明しない陰謀説オタク」からキューブリック作品を守らなければならないあなたと姉が、どうして『オペレーション・ルーン』などというくだらない番組に出演してしまったのか。その安易な行動がその「大バカども」に免罪符を与えてしまった責任ををどう考えているのか。とことん問いつめたくなります。  映画であれ、写真であれ、絵画であれ、音楽であれ、小説であれ、創作活動をした経験のある方ならよく理解できると思いますが「自作」というものは自分にとって我が子のように愛おしいものです。それを陰謀ごっこの道具にされ、あまつさえ金儲けのダシに使われるのを気にしなかったり、自作は嫌だけど他人の作品なら笑って許せる、という人は創作者でもクリエーターでもなく単なるカネの亡者、守銭奴です。その低レベルなゴミ自称芸術家たちはここに晒してあり...

【オーマジュ】ジュラシック・パーク(Jurassic Park)

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  スピルバーグの『ジュラシック・パーク』でレックスがキッチンの下に隠れるのは、『シャイニング』でダニーがジャックから逃れるためにキッチンの下に隠れたシーンのオマージュと言われています。確かに良く似ていますが、恐竜の間抜けなオチを用意するあたりがいかにもスピルバーグらしいです。  本作でティム少年を演じたジョゼフ・マゼロはキューブリック幻の企画『アーリアン・ペーパーズ』で主役のマチェックを演じる予定でした。となると当然キューブリックはこのオマージュシーンを観たはず。当人は何を思ったのでしょうね。

【関連動画】『シャイニング』の双子の少女、リサ&ルイーズが「一緒に遊びましょ、ダニー」の台詞を再演

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  『モンスター・マニア・コンベンション』にゲストとして来場した『シャイニング』の双子の少女役のリサ&ルイーズ・バーンズ姉妹が質疑応答であの名台詞「一緒に遊びましょ、ダニー(Come and play with us, Danny)」を再演する動画が上がっていたのでご紹介。  年齢からして当たり前ですが声が変わってしまっているのはしょうがないですね。それでもご本人たちが言うのだから多いに意味があります。今度は是非ダニー役のダニー・ロイドとの競演が見てみたいです。

【関連動画】キューブリック作品に出演したキューブリックの娘たち

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  「キューブリック 娘」で検索したアクセスが多いようでしたので、キューブリックの娘たちが出演した場面をまとめた動画を製作しました。長女カタリーナ、三女ヴィヴィアンが複数回に渡って出演しています。現在判明しているものを全て網羅したつもりですが、まだあるかも知れません。次女のアンヤについては出演場面があるかどうかは不明です。『バリー・リンドン』や『フルメタル・ジャケット」』の撮影現場にいた事はスチールが残っているため確実なので、どこかに映っているかも知れません。また、動画には記載しませんでしたが、最後の『アイズ ワイド シャット』で診察を受けている少年は長女カタリーナの長男、アレックスです。 2020年3月19日追記:キューブリックの長女カタリーナさんにTwitterで直接確認したところ、『バリー・リンドン』のアイルランドロケに帯同していた次女のアンヤは、『バリー…』には出演していないそうです。ですので、キューブリック作品内でアンヤの姿を観ることはできません。『ア・ライフ・イン・ピクチャーズ』などのドキュメンタリーには出演していましたので、動く姿を確認できるのはそれらだけ、ということになります。 『バリー・リンドン』を撮影中のキューブリックの真後ろにヴィヴィアン、左側にアンヤ

【関連動画】『スパルタカス』のオリジナル劇場予告編

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 『スパルタカス』のオリジナル劇場予告編で日本語字幕付きの動画がアップされていましたのでご紹介。ソースはスタンダードのアス比や、映像の荒さ、懐かしいフォントから推察するにVHSでしょうか。見ての通りキューブリックの「キューの字」も出てこない予告編ですが、いかにも当時のハリウッドの大作映画ありがちな大げさなナレーションや、ヌルいカット割りを見る限り、キューブリックが編集したものではなさそうです。同じ映像は特典としてDVD等にも収録されています。

【ロケーション】チェルシー・ドラッグストア(Chelsea Drug Store)

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  チェルシー・ドラッグストアの外観。現在はマクドナルドになっている( Google Map )  『時計じかけのオレンジ』でアレックスが予約したレコードを取りにいったレコード店のロケ地。ロンドンのキングスロードに実在したレコード店でしたが、現在はマクドナルドになっています。  因にレコード店なのに何故「ドラッグストア」という店名なのかというと、ローリング・ストーンズの名曲『無情の世界(You Can’t Always Get What You Want)』の歌詞「I went down to the Chelsea Drug Store,To get your prescription filled…」から引用されたため。当時はロックとドラッグは切っても切れない関係にあったので店名としてふさわしく、その名に違わぬ「ヒップ」な店内は『時計…』の劇中で観られる通り。当然キューブリックはこの店が『時計…』で描かれているドラッグカルチャーと親和性が高い事を意識してのロケ地の選択だと思います。

【台詞・言葉】閉所恐怖症(Cabin Fever)

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「閉所恐怖症」で狂ったジャックがウェンディに詰め寄る名シーン。ウェンディ役のシェリーはニコルソンの迫真の演技に完全に参ってしまっている  『シャイニング』でグレイディが患ったとされた神経症。しかし実際はホテルに巣食う悪霊達がもたらしたものだった。やがてジャックも同じ症状に蝕まれ、最後に狂気が爆発する。  因に原語の『Cabin Fever』は「小屋の発熱」という意味。つまり小屋のように狭い場所に長くいると発熱症状を起こしてしまう、という事から閉所恐怖症を指す言葉になった。「キャビン・フィーバー」はホラー映画のタイトルにもなっている。

【ロケーション】『シャイニング』のロケ地紹介動画

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 以前 『時計じかけのオレンジ』のロケ地訪問動画 をご紹介しましたが、これも同じメンバーによって製作された『シャイニング』のロケ地訪問動画です。ただ『シャイニング』はほとんどセットで撮影されたため、正確には「セットの元になったロケハンの場所と第2班が撮影したロケ地」を紹介した動画ですね。  『シャイニング』では他にゴールドルームや赤いトイレはフェニックスにあるビルトモアホテルを参考にしたのではないか、と言われています。その他デンバーのアパートや空港のロケ地など、判明いたしましたら今後記事にして紹介していきたいと思います。

【交友録】クシシュトフ・キェシロフスキ(Krzysztof Kieślowski)

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Krzysztof Kieślowski(IMDb)   『トリコロール三部作』で有名なポーランドの映画監督。キューブリックはキェシロフスキを高く評価していて、特にTVドラマ『デカローグ』に感激。「この作品を監督できていたらどんなによかっただろう」と感想を洩らしている。また、出版された『デカローグ』の脚本の序文を寄稿している。  主な監督作品は『初恋』(1974)、『地下道 』(1974)、『ある党員の履歴書』(1975)、『スタッフ 』(1976)、『傷跡』(1976)、『アマチュア』(1979)、『平穏』(1980)、『短い労働の日 』(1981)、『偶然 』(1981)、『終わりなし』(1985)、『殺人に関する短いフィルム』(1988)、『愛に関する短いフィルム 』(1988)、『ふたりのベロニカ』(1991)、『トリコロール/青の愛』(1993)、『トリコロール/白の愛』(1994)、『トリコロール/赤の愛』(1994)など。死後『ヘヴン』(2002)、『美しき運命の傷痕』(2005)の脚本が映画化された。  1941年6月27日ポーランド・ワルシャワ出身、1996年3月13日死去、享年54歳。

【スタッフ】オズワルド・モリス(Oswald Morris)

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Oswald Morris(IMDb)  『ロリータ』の撮影を担当したイギリスの撮影監督。モリスにとって『ロリータ』の仕事は決して楽しいものではなかったらしく、二度とキューブリックと働きたくないとし、  「彼は例えば、『このシーンは、セットの真ん中に電球が一個しかないような明るさで撮影したい』と言った」「十五分後彼はやってきて『あの照明の多さはなんだ。電球一個だと言ったじゃないか』という。僕は『正真正銘、電球一個分の明るさだ』と答えた。要するに彼にたて突いた・・・だからいつも喧嘩していた・・・照明について尋問に次ぐ尋問。しまいにはうんざりした」 (引用:映画監督 スタンリー・キューブリック) と語っている。  他の主な参加作品は『熱砂の掟』(1950)、『黄金の竜 』(1950)、『黒い傷 』(1951)、『砂漠の悪魔』(1951)、『孤島の愛情』(1952)、『赤い風車 』(1952)、『砂漠の決闘 』(1953)、『かくて我が恋は終りぬ』(1953)、『悪魔をやっつけろ』(1953)、『騎士ブランメル』(1954)、『しのび逢い』(1954)、『白鯨』(1956)、『武器よさらば』(1957)、『白い砂』(1957)、『自由の大地』(1958)、『鍵』(1958)、『怒りを込めて振り返れ』(1959)、『ハバナの男』(1959)、『寄席芸人』(1960)、『ナバロンの要塞 』(1961)、『誘惑の夜』(1962)、『可愛い妖精』(1962)、『翼のリズム』(1963)、『脱走計画』(1963)、『人間の絆 』(1964)、『女が愛情に渇くとき』(1964)、『丘』(1965)、『湖愁』(1965)、『ジャングル・モーゼ』(1965)、『寒い国から帰ったスパイ』(1965)、『じゃじゃ馬ならし』(1967)、『禁じられた情事の森』(1967)、『キャサリン大帝』(1968)、『オリバー!』(1968)、『チップス先生さようなら』(1969)、『ポンペイ殺人事件』(1970)、『クリスマス・キャロル』(1970)、『探偵<スルース>』(1972)、『レディ・カロライン』(1973)、『マッキントッシュの男』(1973)、『凄惨!狂血鬼ドラキュラ』(1974)、『オデッサ・ファイル』(1974)、『007/黄金銃を持つ男 』(1974)、『王になろうとした...

【関連記事】英国の撮影監督オズワルド・モリス氏死去

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『ロリータ』のロケで天候を気にするモリス(左)とキューブリック   英国の撮影監督オズワルド・モリス氏が17日、英南部ドーセット州の自宅で死去した。98歳。20日付の英紙デーリー・テレグラフなどが伝えた。死因は明らかになっていない。  15年、英南部生まれ。第2次大戦中、爆撃機パイロットとして英空軍に勤務した後、撮影監督としてデビュー。50~70年代を中心に「白鯨」(56年)や「ロリータ」(62年)など多くの映画に携わり、ジョン・ヒューストン監督やスタンリー・キューブリック監督らと仕事をしたことでも知られる。  撮影監督を務めた「屋根の上のバイオリン弾き」(71年)で、米アカデミー賞の撮影賞を受賞した。 (引用: ニッカンスポーツ/2014年3月20日 )  『ロリータ』で撮影を担当したオズワルド・モリスが逝去されました。98歳とはずいぶんと長命でした。ご冥福をお祈りいたします。

【スタッフ】ミレーナ・カノネロ(Milena Canonero)

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Milena Canonero(IMDb)  『時計じかけのオレンジ』、『バリー・リンドン』、『シャイニング』で衣装デザインを担当した。『バリー…』と『炎のランナー』(1981)、『マリー・アントワネット』(2006)でアカデミー衣装デザイン賞を獲得している。  他の主な参加作品は『殺しに愛のバラードを』(1977)、『ミッドナイト・エクスプレス 』(1978)、『ハンガー』(1983)、『コットンクラブ』(1984)、『ヤア!ブロード・ストリート』(1984)、『愛と哀しみの果て』(1985)、『バーフライ』(1987)、『グッドモーニング・バビロン! 』(1987)、『フェアーゲーム』(1988)、『タッカー 』(1988)、『ディック・トレイシー』(1990)、『ネイキッド・タンゴ』(1990)、『ゴッドファーザーPART III 』(1990)、『ダメージ』(1992)、『ルームメイト 』(1992)、『めぐり逢い』(1994)、『オンリー・ユー』(1994)、『死と処女(おとめ)』(1994)、『カミーラ/あなたといた夏』(1994)、『ブルワース』(1998)、『タイタス』(1999)、『マリー・アントワネットの首飾り』(2001)、『ソラリス』(2002)、『愛の神、エロス』(2004)、『ライフ・アクアティック』(2004)、『オーシャンズ12 』(2004)、『夜顔』(2006)、『マリー・アントワネット』(2006)、『副王家の一族』(2007)、『ダージリン急行』(2007)、『ウルフマン 』(2010)、『おとなのけんか』(2011)、『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014)など。  1946年イタリア・トリノ出身、夫は俳優のマーシャル・ベル。

【関連記事】ウェス・アンダーソン監督を直撃、話題作『グランド・ブダペスト・ホテル』とは?

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 ウェス・アンダーソン監督が話題作『グランド・ブダペスト・ホテル』について語った。  本作は、一流ホテル、グランド・ブダペスト・ホテルのコンシェルジュ、グスタヴ・H(レイフ・ファインズ)と、彼を慕うベルボーイのゼロ・ムスタファ(トニー・レヴォロリ)が繰り広げる冒険を描いたドラマ。常連客マダムD(ティルダ・スウィントン)と関係を持ったグスタヴは、彼女の殺人事件と遺産争いに巻き込まれるが、自らの誇りとホテルの威信を守るため、ゼロと共に奔走する。ビル・マーレイ、ウィレム・デフォー、エドワード・ノートン、シアーシャ・ローナンなどが共演している。 〈中略〉  衣装デザインは、スタンリー・キューブリック作品のミレーナ・カノネロで、セットの外観もキューブリック作品をほうふつさせる。「おそらくこれまで僕が製作した全作品は、何かしらキューブリック映画に影響を受けて撮影したものばかりだ。好きな作品や好きな監督から学んだことは、映画製作上では問題解決にもなってくれている」と大のキューブリックファンでもあることを明かした。 (引用: シネマトゥデイ・ニュース/2014年3月13日 )  『時計じかけのオレンジ』『バリー・リンドン』『シャイニング』に参加し、『バリー…』と『炎のランナー』『マリー・アントワネット』でアカデミー賞を獲得したミレーナ・カノネロが衣装デザインですか。肝心の映画ですが上記の予告編を観ればなるほど、キューブリックの影響大ですね。

【プロップ】『シャイニング』のタイプライターはヴィヴィアンが所有!?

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  ヴィヴィアン・キューブリックと『シャイニング』のタイプライター  上記の写真を見る限り、どうやら『シャイニング』でジャックが使用していたアドラー・ユニバーサル39・タイプライターは撮影終了後、ヴィヴィアンが譲り受けたようです。薄いベージュから濃いグレーに塗り替えられている事、そしてスペースバーのシール(?)が映画と一致しています。  そうなると現在もヴィヴィアンは所有したままなのか、という事ですが、キューブリック一家は1980年頃にアボッツ・ミードからハートフォード・シャーに引っ越しをしています。しかも当のヴィヴィアンは『フルメタル…』の後、家を飛び出して現在はカリフォルニア暮らし。すでにその頃はPCの時代だったのでカリフォルニアにタイプライターを持っていったとは考えにくい。アボッツ・ミードからの引っ越しの際に処分されていないとすれば、現在もハートフォード・シャーの邸宅のどこかにあるはずです。  現在スタンリー・キューブリック展が世界を巡回中ですが、そこで展示されているタイプライターは同型機種の別物です。もちろん資料的価値は全くありません。もし現存するなら是非撮影現物をキューブリック展で展示して欲しいものです。

【ロケーション】セントラルパーク・ウェスト(Central Park West)

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 『アイズ ワイド シャット』でビルの住むアパートメントがあるニューヨークの地区。その名の通りセントラルパークの西側地区を指す。劇中のアパートはセットだが、その内装はキューブリックがアメリカで居を構えたアパートメントがモデルになっている。

【ブログ記事】キューブリックの三女、ヴィヴィアンがツイッターに投稿した自身のプライベート写真

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 キューブリックの三女で、現在家族と絶縁中のヴィヴィアン・キューブリックがキューブリックの命日に際し、プライベート写真をいくつかツイッターに投稿したようです。特にアボッツ・ミードの自宅ベランダでキューブリックと抱き合う写真には感慨深いものがあります。でもこんなことをする時間があるなら一刻も早く怪しげな新興宗教団体やエセ環境団体とは縁を切って、家族の元に戻って欲しいものです。  ヴィヴィアン・キューブリックのツイッターアカウントは こちら 。反政府集会に突然現れ、インタビューされた時の記事は こちら 。 追記:映画.comが『キューブリックの娘が「2001年宇宙の旅」「時計じかけのオレンジ」現場写真を公開』として 記事 にしています。

【ロケーション】映画監督スタンリー・キューブリック生誕の地

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キューブリック生誕時、一家が住んでいたクリントンアヴェニュー2160にある当時のアパート。現在とほぼ変わらない。後ろの女性は祖母セリア  本日3月7日はキューブリックの命日なので、それに因み逆に生誕の話題を。  キューブリック生誕の地は、 ニューヨーク州・ブロンクス・クリントンアヴェニュー2160 です。アパートは当時のまま現存しているようです。ただ、キューブリック一家はニューヨークで引っ越しを繰り返し、キューブリック自身は一時期カリフォルニアに住んだ時期もありますので、「キューブリックがこの世に生を受けた時、一家が住んでいたアパート」という以外に意味はありません。聖地巡礼はこのストリートビューを見る限り、止めておいた方が良さそうです(治安的に)。大都会の北部にある下町である事や、近所に動物園がある点を考えれば、東京で言えば上野のような土地でしょうか。  因にキューブリックが生まれたライイングイン病院は、現在メユール・R・シャー整形外科になっています。場所はマンハッタンの ここ になります。  

【オマージュ】『ゼロ・グラビティ』(Gravity)

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 映像作品としてのクオリティが高く、しかも大ヒット。加えてアカデミー賞の7冠(監督賞、視覚効果賞、撮影賞、音響編集賞、録音賞、編集賞、作曲賞)を受賞したこの作品ですが、全編に『2001年宇宙の旅』のオマージュが込められているので有名です。  まず、サンドラ・ブロックが宇宙空間に放り出されるシーン。これは『2001年…』でフランク・プールがスペース・ポッドに突き飛ばされるシーンにそっくりです。そのサンドラが宇宙服を脱いで体を丸くシーンはスターチャイルドを想起させますし、何よりラスト、サンドラが海岸で立ち上がるシーン。これは極端なローアングルである事から猿人が骨を砕くシーンを意識したようにも思えます。ストーリーを極力シンプルにし、映像に暗喩を込める手法はキューブリックの常套手段でしたが、そういった手法さえもオマージュしています。その意味は色々深読みできそうですが、だからと言って『2001年…』と比較するのはかなり無理があります。  まず映像としてのインパクトを強めるため、無茶な状況を作り過ぎです。事故の一連のシークエンスなどありえなさ感が酷いです。また、大気圏再突入の手段があまりにも現実離れしていて興醒めです。いくら中国製のカプセルが「優秀」だとしてもこれには失笑しました。  この作品のシチュエーションが現実世界の延長線上であるなら、ストーリーにリアルな「説得力」なければ、いくら映像がリアルでも「絵空事」にしかなりません。逆に近未来の空想物語を極力リアルに描こうとした『2001年…』方が説得力があります。つまりこの作品が「地球という重力下で如何に人類は存在し得ているか」という深遠なテーマを追求したいなら映画『アポロ13』のような極力リアルな事故の状況を設定しなければ、その意味は薄れてしまうという事です。  もちろん、エンターテイメントとして観客を退屈させる訳にはいきません。なるべく刺激的な映像をこれでもか!と続けなければたちまち観客は飽きてしまいます。でも、その解消方法に安易に「派手な事故」や「ありえない脱出手段」を用いるのは監督や脚本家の才能の欠如を意味します。他に観客の興味を引き続ける手段はいくらでもあります。映像でここまでできるならもっと徹底的にシチュエーションのリアルさを追求して欲しかった、というのが本音です。  正直、この作品でテーマ性や哲学を語るにはストーリ...

【アーティスト】ジョン・ホイットニー・シニア(John Whitney Sr.)

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 60年代に活躍したビジュアルアーティスト。『2001年宇宙の旅』のスターゲート・シークエンス用に開発されたスリット・スキャンを製作したダグラス・トランブルに多大な影響を与えた。  そのホイットニーについてトランブルは、  ジョンの使っていた装置はフィルムのコマ上で細長いすき間を移動させて、そのすき間で芸術作品を動かし、模様やキメを作るものだった。実際に見たことはなかったから、頭の中で想像した。でもそこまで平面的にできるのなら、三次元だったできるはずだと思いついた。実験のあと、僕はスタジオを抜けてキューブリックのオフィスまで行って、「拡大するには、トラックやモーターや大きなガラス片のついた、家くらいの大きな機械を作る必要がある」と言った。彼は、「君の言うとおりだ。やってくれ。買ってくれ。何でも必要なものを」と言った。 (引用:映画監督 スタンリー・キューブリック) と語っている。   1917年4月8日カリフォルニア州パサディナ出身、1995年9月22日死去、享年78歳。以下は上から代表作の『Catalog』、『Permutations』、ヒッチコック『めまい』のオープニングに使用されたビジュアル・エフェクト。

【関連記事】英誌選出「忘れがたい映画のなかの死ベスト50」

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  英Total Film誌が、「忘れがたい映画のなかの死50(50 Most Unforgettable Movie Deaths)」を発表した。  第1位に選ばれたのは、リドリー・スコット監督作「エイリアン」(1979)に登場したケイン(ジョン・ハート)。エイリアンに寄生され、それが体を突き破ったために死亡した。同誌は当該シーンについて「おそらく映画史上最もショッキングな瞬間のひとつ」と評している。  ベスト25までは以下の通り(※以下死亡シーンは、作品によっては本編のネタバレにもなっているのでご注意ください)。 ケイン(ジョン・ハート)「エイリアン」 ハウイー(エドワード・ウッドワード)「ウィッカーマン(1997)」(製作年度は1973年) マリオン(ジャネット・リー)「サイコ(1960)」 クリッシー(スーザン・バックリーニ)「ジョーズ」 ラストシーン「ミスト」 バンビの母親「バンビ」 トニー・モンタナ(アル・パチーノ)「スカーフェイス」 トート(ロナルド・レイシー)「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」 オープニングシーン「カールじいさんの空飛ぶ家」 ベン(デュアン・ジョーンズ)「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生」 ジョーカーの鉛筆マジックの対象になったマフィア「ダークナイト」 ジェニングス(デビッド・ワーナー)「オーメン(1976)」 コング少佐(スリム・ピケンズ)「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」 コーフィ(マイケル・クラーク・ダンカン)「グリーンマイル」 ケイシー(ドリュー・バリモア)「スクリーム」 セルマ(ビョーク)「ダンサー・イン・ザ・ダーク」 エブリン(フェイ・ダナウェイ)「チャイナタウン」 ソニー(ジェームズ・カーン)「ゴッドファーザー」 グレン(ジョニー・デップ)「エルム街の悪夢」 テリー(アマンダ・デトマー)「ファイナル・デスティネーション」 ボビー・ペルー(ウィレム・デフォー)「ワイルド・アット・ハート」 ビンセント・ベガ(ジョン・トラボルタ)「パルプ・フィクション」 ウォッシュ(アラン・テュディック)「セレニティー」(日本劇場未公開) ラストシーン「セブン」 幼いマイケル・マイヤーズによる殺人「ハロウィン(1978)」 (引用: 映画.com/2014年3月2...

【関連記事】キューブリックの元プロデューサーは『アイズ ワイド シャット』は最悪のスタンリー・キューブリック映画と語る

『アイズ ワイド シャット』はスタンリー・キューブリックの最悪の作品だ  スタンリー・キューブリックの初期作品のプロデューサーであり、『シャイニング』の監督の親友であり、稀代の映画作家であるジェームズ・B・ハリスは、二重の栄誉に浴している。ハリスは、貴重な『Some Call It Loving』(『眠れる森の美女』)の劇場再公開と、1月20日から30日までラ・シネマテークで開催される回顧展という二重の栄誉を享受している。85歳には見えない男に会いに行こう。 (引用: NEWS CINE-SERIES INTERVIEW/2014年1月27日 )  この記事のプロデューサーとは、キューブリックのハリウッドデビュー作の『現金に体を張れ』『突撃』『スパルタカス』『ロリータ』まで、キューブリックの初期の時代を支えたジェームズ・B・ハリスの事です。  原文はフランス語ですので、機械翻訳でざっと読んだところかなり厳しい口調で『アイズ…』を批判しているようです。まあ、ハリスがこういうのもわかる気がします。何故ならその頃のキューブリックは映像作家系監督として成功するとの野心を一旦引っ込め、劇映画的な要素を多く含んだ作品を撮っているからです。つまりハリスはそんなキューブリックの才能を気に入っていたんでしょう。  ハリスとキューブリックが袂を分かったのは『博士…』をブラックコメディにするか否かで意見が合わなかったのが主な原因と伝わっています。キューブリックがいよいよ本来自分がやりたかった表現を始めようとしたときにはハリスはもうキューブリックの側にはいませんでした。そしてそのキューブリックは初期の頃を振り返って、このように語っています。  私の初期の作品が後のものより言葉的な表現に傾いていると思われるなら、それは私がある程度文学的なしきたりに追従せざるを得なかったという事情によるものだ。 (引用:『映画監督 スタンリー・キューブリック』)  ハリスは非言語的な視覚体験や、スクリーンからじわじわと襲ってくる独特の緊張感を高く評価するという感性はあまり持ち合わせていないでしょう。この発言でキューブリックの評価を推し量ったり、ハリスの感性を批判するのはお門違いです。個人的にはむしろ「ハリスがついに本音を語ったか」という感想を持ちました。ドキュメンタリー等でのハリスの発言は常に初期作品に限られ...

【インスパイア】リアーナ/ユー・ダ・ワン(Rihanna - You Da One)

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 中米の小国、バルバドス出身のR&Bシンガー、リアーナが2011年に発表したシングル曲『ユー・ダ・ワン』。その衣装が『時計…』のアレックスの衣装を彷彿とさせるものになっています。まあ、あのマドンナでさえ、ライブでアレックスのような衣装を採用していましたので、今更感もありますが。このリアーナはグラミー賞を受賞し、世界中で1200万枚のアルバムを売りまくった有名なディーバ(歌姫)だそうです。

【台詞・言葉】木星計画(Jupiter Mission)

 『2001年宇宙の旅』で、月面のモノリスが発信した怪電波が木星(小説版では土星)に向けて発信されていた事が判明したため、ディスカバリー号を調査のために木星に向かわせる事となったミッション名。  小説版では映画版とは異なり、「木星計画」の名の下に進められていた木星有人探査計画が急遽変更、調査対象が土星に変更された事になっている。元々原案ではモノリスは木星ではなく土星の衛星ヤペタスに存在する予定だったが、当時の特撮技術では土星の輪を説得力ある映像にする事ができず、やもなく目的地が木星に変更になった。  その後HALの反乱に遭いクルーは殆ど死亡、ただ一人残されたボーマンはスターゲートに吸い込まれて行方不明に。ディスカバリー号は無人のまま、木星の衛星イオの重力に引かれてイオに落下するという事態になってしまう。それらの経緯は小説『2010年宇宙の旅』、映画『2010年』で描かれている。  結論から言えば「木星計画」は4人の死者(内一名は遺体未確認)と一人の行方不明者を出し、何の成果も得られず(地球側にはボーマンが何を見たのか伝わっていない)大失敗に終わった、と言えるだろう。

【関連動画】『シャイニング』でジャック・ニコルソンの台詞「Here's Johnny!」の元ネタ

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 『シャイニング』でジャック・ニコルソンがドアを斧でぶち破って言う一言「Here's Johnny!(お客さまだよ!)」は、アメリカのTVショー『The Tonight Show』のオープニングで司会者のジョニー・カーソンを呼ぶ台詞が元ネタなのはすでに説明済ですが、そのジョニー・カーソンの オフィシャルYouTubeチャンネル がありましたのでご紹介。  現在「Here's Johnny」でググるとほとんどがジャック・ニコルソンのあの顔、という検索結果になっています。でもそれではあんまりですので元ネタもしっかり認識しておいて欲しいですね。このジョニー・カーソン、すでに故人ですが、長寿人気番組だったらしくその膨大な映像ソースはいくつかiTunesでダウンロード販売されていたり、DVD化されているようです。なにせゲストが豪華ですからね。モハメド・アリ、クリントン元大統領、スティーブ・マーチン、ジム・キャリー、ロン毛のシュワルツネッガーという微妙な姿も見る事ができます(笑。

【考察・検証】なぜキューブリックは小説『シャイニング』のオーバールック・ホテルを改変したか?を検証する[その1]

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キングが執筆時に滞在し、原作とTV版の舞台にもなった「スタンリー・ホテル」 キューブリックが映画化の際に外観に使用された「ティンバーライン・ロッジ」 キューブリック版の内装のモデルになった「アワニー・ホテル」  キューブリックが『シャイニング』を映画化するにあたり、大胆な改変を行ったのは周知の通りですが、今回はあまり語られてこなかった「オーバールック・ホテル」そのものの改変について考察してみたいと思います。  原作者であるスティーブンキングが小説『シャイニング』を執筆した際に投宿していた「スタンリー・ホテル」はそのまま原作の舞台になっています。それはキングが映像化したTV版『スティーブン・キングのシャイニング』でもロケ地として使われています。一方、キューブリックは原作とはずいぶんと趣の違うホテル「ティンバーライン・ロッジ」をロケ地に選び、内装は「アワニー・ホテル」を参考にセットを組んでいます。  まず、原作小説でホテルはどういう描写になっているか確認しておきたいと思います。小説では上流階級が宿泊する高級リゾートホテルとして描かれていて、豪華なプレデンシャル・スイートには歴代の大統領や有名人が宿泊したと支配人のアルマンは自慢げに語ります。でも実はそれは表の顔で、ギャングなどの裏社会の人間の定宿になり、血なまぐさい虐殺事件が起こったり、男を連れ込んで不倫していた金持ちの有名弁護士の妻が薬をやりすぎて死んでしまったり(これが237号室の女の幽霊の正体)、そしてある時期は売春宿として営業していたという事実がジャックによって暴かれます。一方映画ではそういった描写はなく、山小屋のロッジ風な質素で素朴な佇まいのホテルとして描かれています。  この両者の描写の違いは何を意味するのか。それは「どうしてオーバールック・ホテルは呪われたホテルになってしまったのか」その原因の違いだと思います。小説ではそういった権力欲と金にまみれた連中がホテルで惨劇を繰り返し、その結果悪霊が棲み付くようになったという描写になっています。ジャックは「ここ(ホテル)には、第二次世界大戦後のアメリカ人ってものを示す、あらゆる指標がそろっていると思うんだ」と話しています。  しかしキューブリックはこのアイデアを採用しませんでした。その理由は、こういったプロットに関わっていたら2時間の映画に収まらない、という現実的な...

【パロディ】ファミコン化された『時計じかけのオレンジ』

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 以前 ここ で同じ「8ビットシネマシリーズ」の『シャイニング』を紹介しましたが、その『時計じかけのオレンジ』版です。なんと映画よりアレックスの凶悪度が増しています。ボーナスステージの乱交シーンには笑いました(笑。車(ディランゴ95)が人を轢き殺しているのは変に原作に忠実ですね。  この「8ビットシネマ」の他の作品は こちら からどうぞ。

【関連動画】スティーブン・キング版『シャイニング』フルバージョン

 1997年にアメリカABCテレビでオンエアされた『スティーブン・キングのシャイニング(STEPHEN KING'S THE SHINING)』がフルバージョンでアップされていましたのでご紹介。そのうち消されてしまうでしょうけど、つまみ食いならぬ、つまみ見(?)するにはちょうどいいかもしれません。これを観ればどうしてキューブリックは原作者を激怒させてまであのような原作改編を行ったか、その理由がよくわかります。要するに「文字で読む分にはいいが、映像にすると失笑もの」の典型例です。  まあ、家族愛物語としてはデキは悪くないんですが。でもダニーの口元はなんであんなに緩いんでしょう?それにキューブリック版の約17年後に製作されているのに、映像は完全にこちらの方が古びてしまっています。比較すればキューブリック版の完成度の高さ、画作りの緻密さがよく分かりますね。  ちゃんと日本語字幕版で観るのでしたらDVDを購入するしかないようです。もしくは中古ビデオソフトをオークションや中古ビデオショップで入手するとか。因に管理人はもうずいぶん前にレンタルビデオの中古落ちを格安で購入、それをDVDに焼いて所持しています。まあその程度の作品、という事ですね。 ※本編動画は削除されました。

【関連記事】『シャイニング』『エクソシスト』……あのホラー映画の子どもたちは今!?

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 『シャイニング』のダニー少年と双子の姉妹、『エクソシスト』の悪魔に取り憑かれた少女、『ペット・セメタリー』の墓場から甦る少年。あの名作ホラーに登場した子役たちは今どうしているのか? あの名作ホラーに登場した子役たちは今どうしているのか?  スタンリー・キューブリック監督の傑作ホラー『シャイニング』(1980)に登場した、不気味な双子の少女を覚えているだろうか。霊感の強いダニー少年の前に現れて、「おいで、一緒に遊ぼうよダニー、ずっと永遠に……」と誘いかけ、後に血みどろで惨殺された姿を見せるゴースト姉妹だ。  英Digital Spyによると、この姉妹を演じた双子のリサ&ルイーズ・バーンズが先頃、英ロンドンで開催されたキューブリック監督『博士の異常な愛情』(64)の50周年上映イベントに出席、久しぶりに公の場に姿を見せた。『シャイニング』撮影時は11歳だった姉妹も、今では46歳。『シャイニング』以降は女優を辞めて、リサは大学で文学を学び、ルイーズは微生物学者になったそうだ。また最近、姉妹は@Shining_TwinsのアカウントでTwitterも始めたという。 〈以下略〉 (引用: GQ JAPAN/2014年2月10日 )  ダニーについては ここ で、双子の少女については ここ で現在の姿を見る事ができます。あとは記事本編でお楽しみください。

【監督】リー・アンクリッチ(Lee Unkrich)

  CGアニメーション制作会社、ピクサーで編集や監督を担当。『トイ・ストーリー』で『シャイニング』への言及が多いのはこの人の仕業。『シャイニング』コレクターで、『シャイニング』のレアな情報が集まるブログ 『OVERLOOK HOTEL』 の管理人をしている。キューブリック展で展示されたダニーのアポロセーターは彼の所有物。キューブリックと直接親交はなかったが関係者とは交流があり、様々なレアアイテムを入手しているようだ。  主な参加作品は『トイ・ストーリー』(1995)、『バグズ・ライフ』(1998)、『トイ・ストーリー2』(1999)、『モンスターズ・インク』(2001)、『ファインディング・ニモ 』(2003)、『トイ・ストーリー3』(2010)、『モンスターズ・ユニバーシティ』(2013)など。

【関連記事】キューブリック、コッポラ、タランティーノなど10人の偉大な映画監督が愛した映画100本

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 巨匠と呼ばれる10人の偉大な映画監督が愛していた映画のリストです。各監督たちが大好きだった映画のリストですが、共通する映画やなるほどと思わせる映画などがラインナップされています。日本からは黒澤明、大島渚、溝口健二監督作品が海外の映画監督に影響を与えているようです。 スタンリー・キューブリック 「青春群像(I Vitelloni)」:フェデリコ・フェリーニ監督作品、1953年 「野いちご(Wild Strawberries)」:イングマール・ベルイマン監督作品、1957年 「市民ケーン(Citizen Kane)」:オーソン・ウェルズ監督作品、1941年 「黄金(The Treasure of the Sierra Madre)」:ジョン・ヒューストン監督作品、1948年 「街の灯(City Lights)」:チャールズ・チャップリン監督作品、1931年 「ヘンリィ五世(Henry V)」:ローレンス・オリヴィエ監督作品、1944年 「夜(La notte)」:ミケランジェロ・アントニオーニ監督作品、1961年 「The Bank Dick」:エドワード・F・クライン監督作品, 1940年 「ロキシー・ハート(Roxie Hart)」: ウィリアム・A・ウェルマン監督作品, 1942年 「地獄の天使(Hell’s Angels)」:ハワード・ヒューズ監督作品 , 1930年 マーティン・スコセッシ 「2001年宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)」:スタンリー・キューブリック監督作品、1968年 「8 1/2」:フェデリコ・フェリーニ監督作品、1963年 「灰とダイヤモンド(Ashes and Diamonds)」:アンジェイ・ワイダ監督作品、1958年 「市民ケーン(Citizen Kane)」:オーソン・ウェルズ監督作品、1941年 「山猫(The Leopard)」:ルキノ・ヴィスコンティ監督作品、1963年 「戦火のかなた(Paisà)」:ロベルト・ロッセリーニ監督作品、1946年 「赤い靴(The Red Shoes)」:マイケル・パウエル/エメリック・プレスバーガー監督作品、1948年 「河(The River)」:ジャン・ルノワール監督作品、1951年 「シシリーの黒い霧 (Salvatore Giuliano)」:フランチェスコ・ロ...

【パロディ】フランスのショートコント『男と女』に登場した『アイズ ワイド シャット』のパロディ

  フランスのTVのショートコントドラマ『男と女(Un gars, une fille)』の一編です。『アイズ…』のクルーズとキッドマンよろしく盛り上がって来たところに女性(シュシュ)が一言「ルル、興奮しないで。生理中よ!」  なんとまあ身も蓋もないストレートなオチですが、こんな生々しいネタをTVでできるのはさすがフランスですね。この『男と女』、ショートコントを7本程度繋げた全部で7分くらいの番組で、時折ゲストの出演はあったものの登場人物はルルとシュシュの二人だけ。この二人は夫婦なのか恋人同士なのか分かりませんが、男女間の諍いやすれ違いの会話で笑いを誘うシチュエーション・コメディで、1999年から2003年まで続いた人気番組だったようです。ルル役の俳優がカッコつけてトム・クルーズになりきっているのがちょっと笑えますね(笑。 ※動画は削除されましたので、 こちら でご覧ください。

【パロディ】IKEAの双子の少女のCM

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 日本でもオンエアされていたCMですが、『シャイニング』を見た事がある人なら例のアレを思い出さない人はいないでしょうね。案の定YouTubeには「ダニー」だの「シャイニング」だの「一緒に遊びましょ」などの書き込みが溢れています。  そんな事よりこのCMの意図がイマイチ不明。双子である必然性があるんでしょうか?まあ、CMディレクターが是非ともこのネタをやってみたかったんでしょうね。

【関連記事】「シャイニング」の双子がツイッター開始 現在46歳のバーンズ姉妹

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 スタンリー・キューブリック監督の1980年のホラー映画「シャイニング」に登場し、忘れがたい印象を残した双子の少女が34年ぶりに公の場に登場している。昨年12月から「Shining Twins」の名義でTwitterとFacebookを始めていたことが明らかになった。  「シャイニング」の“グレイディ・ツインズ”を演じたのは、現在英ロンドンに在住する46歳のリサ&ルイーズ・バーンズ姉妹。一卵性双生児で、「シャイニング」出演当時は12歳だった。姉妹ともに映画に出演したのは「シャイニング」のみで、その後ふたりは普通の生活を送り、リサは文学を学び、ルイーズは微生物学者として活動している。  バーンズ姉妹は1月29日(現地時間)、ロンドンで行われたキューブリック監督作「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」(1964)の50周年記念イベントに姿を現したところをキャッチされ、にわかにネット上で注目を集めた。それを機に、姉妹が昨年12月からTwitter(@Shining_twins)とFacebook(www.facebook.com/ShiningTwins)を始めていたことも報じられた。  ちなみに、同作でダニー少年を演じたダニー・ロイドは生物学の教授になっており、現在は米ケンタッキー州のエリザベスタウン・コミュニティー・カレッジで教鞭をとっているという。  「シャイニング」を検証するドキュメンタリー「ROOM237」は現在公開中。 (引用: 楽天WOMAN/2014年1月31日 )  リサ&ルイーズ・バーンズは、1999年にTV番組(「あの人は今」みたいな番組だと思います)に出演しているので、34年ぶりというのはちょっと違いますね。   デイリーメールの記事 には現在の写真が掲載されていますが、二人の並びは映画と同じと考えて良いのでしょうか?身体の大きさからそのように見えますが。つまり左が姉のリサで右が妹のルイーズという判断で良いのでしょうか(注:正しくは左がルイーズ、右がリサ)。あと双子説と姉妹説のどちらが正しいんでしょう?  3月にアメリカで開催予定の『モンスター・マニア・コンベンション』に登場予定なので、多分その様子がYouTubeにアップされるでしょうから、今から期待しています。肉声も聞いてみたいですね。  

【考察・検証】ボツになった『博士の異常な愛情』のタイトル案

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キューブリックのノートに残されていた『博士の異常な愛情』のタイトル案 (1)Doctor Doomsday (2)Don't Knock the Bomb (3)Dr. Doomsday and his Nuclear Wiseman (4)Dr. Doomsday Meets Ingrid Strangelove (5)Dr. Doomsday or: How to Start World War III Without Even Trying (6)Dr. Strangelove's Bomb (7)Dr. Strangelove's Secret Uses of Uranus (8)My Bomb, Your Bomb (9)Save The Bomb (10)Strangelove: Nuclear Wiseman (11)The Bomb and Dr. Strangelove or: How to be Afraid 24hrs a Day (12)The Bomb of Bombs (13)The Doomsday Machine (14)The Passion of Dr. Strangelove (15)Wonderful Bomb (1)皆殺し博士 (2)爆弾をノックしないで (3)皆殺し博士と彼の核賢者  (4)皆殺し博士がイングリッド・ストレンジラブと出会う (5)皆殺し博士:または必要もないのに第三次世界大戦を始める方法  (6)ストレンジラブ博士の爆弾  (7)ストレンジラブ博士の天王星の秘密の使い方 (8)私の爆弾、あなたの爆弾  (9)爆弾の救済 (10)異常な愛情:核賢者 (11)爆弾とストレンジラブ博士:またはどのように一日の24時間を恐れたか (12)爆弾の爆弾  (13)皆殺し兵器 (14)ストレンジラブ博士の情熱 (15)素晴らしい爆弾  うーん、直訳だとちょっと意図が分かりにくいものばかりですね。(2)はロック映画として有名な『Don't Knock the Rock』に引っ掛けているのかも。配給が同じコロンビアですし。(3)も『Wisman』だとワイズマンという人名、『Wise Man』だと賢者という意味ですので、ダブルミーニングかも知れません。「核賢者」なんていかにもキュ...

【関連記事】ホラーの名作『シャイニング』を大胆な手法で検証する『ROOM237』監督インタビュー

キューブリックはアポロ計画捏造に加担していた!?奇抜な解釈で巨匠の脳内を分析した映画 ホラーの名作『シャイニング』を大胆な手法で検証する『ROOM237』監督インタビュー  スタンリー・キューブリック監督が1980年に発表した、ステディカムを用いた美しいカメラワークと悪夢的なイメージでその後のホラーの潮流を変えた作品として知られる映画『シャイニング』。この作品を5人のキューブリック研究家が独自の解釈により読み解いていくドキュメンタリー『ROOM237』が1月25日(土)より公開される。『シャイニング』本作はもちろん、キューブリック監督のフィルモグラフィーを検証しながら、『シャイニング』の舞台となるオーバールックの見取り図の再現や本編を逆再生するなど、大胆な手法を駆使して、アポロ計画捏造への加担やホロコーストとの関連など、コメンテーターたちの奇想天外な持論が映像化されている。今作の監督ロドニー・アッシャーに、制作の経緯について聞いた。 (引用: Web DICE! 骰子の眼/2014年1月23日 )  どうでもいいインタビューですが、このインタビューを読めば分かる通り、自分で監督したのにもかかわらず「この映画がこんなに世界中で公開されるなんて奇跡だ、驚きだ」なんて言っているのはもちろんこの映画が中身の無い、デタラメのオンパレードだと知っているからですね。  対象はなんであれ、深読みごっこなんていくらでもできるし、全く証拠を示さなくてもいいのなら、映画でもなんにでもできてしまいます。小学生の学習発表会でもそれなりの根拠や証拠を示さないと先生から注意されるというのに、そういう意味ではこの映画は小学生以下レベルといって差し支えないでしょう。こんなもので金儲けできるんですから、世の中チョロイものです。それにひっかかる低レベルな人間が如何に多いか、という事でしょう。  人生の全てを映画に掛け、命を削るように作品を創りだしたキューブリックを愚弄するこの行為、なのにその作品を金儲けの道具されても何も感じず、その挙げ句ギャグや冗談で片付けられる人たちは、その人たち自身の人生も「ギャグや冗談レベル」なんでしょう。そういう人たち向けにはそれ相応の学芸会レベル自称アーティスト(笑、達がいますのでそちらで楽しんでもらって、こちら側には来ないで欲しいものです。

【ブログ記事】『2001年宇宙の旅』でカットされた、ボーマンが宇宙服のままガウンを調査するシーン

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小説版『2001年宇宙の旅』ではスーツだったが、映画版ではガウンに変更されたようだ。  難解だ説明不足だとやたら批判をされやすい『2001年宇宙の旅』ですが、キューブリックはこのように小説版にあるシークエンスを、一応はテストしているようです。以下は小説版の該当シーンです。  スーツをひとつはずし、注意深く調べた。グラブ越しにさわった感じでは、生地はウールよりも毛皮に近かった。これもまた、すこし流行遅れだった。地球では、少なくともここ四年、シングル・ブレストの上着を着ている者はいない。 (引用:決定版 2001年宇宙の旅)  スチールとして押さえただけものなのか、実際に撮影したものなのかは分かりませんが、撮影が検討されたのは確実なようです。調査対象が小説版のようにスーツでなくガウンとパジャマなのは、ホテルに備え付けてあるならスーツは不自然だと判断したからなのでしょうか。この後のガウンとパジャマを着て食事するシーンは採用(小説版では青い固形食料を食べている)されているので、「宇宙服を着て部屋を調査する→ガウンとパジャマを見つける→それらをベッドの上に並べて調べる→宇宙服を脱いでガウンとパジャマに着替える→食事シーン」の予定だったのが「宇宙服を着て部屋を歩き回る→食事している自分を見つける」とシンプルに変更になったのだと推察できます。  ボツになった理由は、上記の画像を見れば分かりますよね。宇宙服でガウンを調べる絵面は滑稽すぎて緊張感が台無しです。キューブリックは文章表現と映像表現の違いについて以下のように語っています。これは『2001年…』に限らず、全てのキューブリック作品(『スパルタカス』以外)に共通しています。  小説と映画にはたくさんの違いがある。例えば、小説は映画よりもずっとはっきりと説明しようとする。それは言語媒体では避けられないことだ。〈中略〉非常に散文的なことは、印刷物でならうまく行ける。しかし、我々は、あの映画でやったように表現することで、更にずっと力強く、魔術的な効果を創造することができたと思う。 (引用:イメージフォーラム増刊号 キューブリック)

【関連動画】1962年と1987年、スー・リオン16歳と41歳のインタビュー映像

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 1962年と1987年のスー・リオンのインタビュー映像です。上が16歳、下が41歳の時のもの。年月は残酷ですが、それでも41歳にしては若いですね。この頃はラジオ・エンジニアの男性と5度目の結婚をしていた頃で、結婚生活は7年「も」続きました(他が短すぎますからね。詳細は ここ で)。16歳のインタビューは『ロリータ』のプロモーション用でしょうか。撮影の感想や出演のいきさつ等を答えているようです。  因にスー・リオンは同じく1962年に プロモーションで来日 しています。

【関連記事】SF小説と映画の関係は今…?“映像化不可能”がなくなった現在の可能性

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『2001年宇宙の旅』(1968)と『ブレードランナー』(1982)  SF映画の歴史を語る上では欠かせない『2001年宇宙の旅』と『ブレードランナー』の両作品は、SF小説を原作にしているという点で共通している。前者はアーサー・C・クラークの、後者はフィリップ・K・ディックの小説を原作にしているが、ただ映像化したのではなく、映画ならではのビジョンを開拓することに成功している。SFにおける小説と映画の関係を探ってみた。  誤解されがちではあるものの、1968年の映画『2001年宇宙の旅』はクラークの小説版を基にスタンリー・キューブリックが映画化したわけではなく、またキューブリックの映画版を基にクラークが小説を書いたわけでもなく、キューブリックとクラークがアイデアを出し合った共作として世に出た。キューブリックは宇宙空間を映画化にするにあたってはさまざまな新しい撮影方法を考案し、そのSFX技術は当時としてはこれ以上ないほどのクオリティーだったといわれている。  だが、作品の出来うんぬんはともかくとして、映像面に限っていえば、『2001年宇宙の旅』が現在のハリウッドで製作されている作品群から一段も二段も落ちるのはいなめない。CGなどの映像技術が未発達だったという技術的な面での当時の映画の限界はいかんともし難く、とりわけSF小説の多くは宇宙や未来世界を舞台にしていたため、映像化不可能なものがたくさんあった。  そうした流れを変えたのは、1982年の『ブレードランナー』だった。『2001年宇宙の旅』の製作時よりもはるかに進歩した映像技術は、リドリー・スコットにこれまで観たことのない近未来世界像を提示することを可能にした。『ブレードランナー』は一例に過ぎないにしても、これまで映像化不可能だったものが映像化可能になったということは、SF小説と映画の関係にも大きな影響を与えることになる。  例えば、現在公開中の『エンダーのゲーム』は、これまでに何度も映画化が企画されながらもそのたびに頓挫したといういきさつがある。ついに映画化に至ったのは製作費やキャスティング、タイミングなどの要因もあるだろうが、CGをはじめとする映像技術の進歩が大きな要素を占めていることは想像に難くない。フルCG映画も作られるようになった今、映画は小説に書かれている全てを映像化することが可能になったといっても過言では...

【関連動画】『2001年宇宙の旅』のランニングシーンとそっくり!スカイラブ内でのジョギング映像

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 クラークの小説『2010年宇宙の旅』の序文にあった以下の文章を読んで、ぜひその映像を見てみたいと思った方は多いのではないでしょうか。さすがYoutube、あるんですねその映像が。  あの映画(※『2001年…』)のなかで技術的にもっともすばらしい場面のひとつは、フランク・プールが、ディスカバリー号の居住区をかこむ円弧状のトラックをぐるぐると走る部分だった。巨大な遠心機の回転によって「人工重力」が作られ、そんな運動ができるわけである。  それから十年近くののち、大成功を収めたスカイラブのクルーが、ステーション内部にこれと似た構造を発見した。壁面にぐるりと取り付けられた貯蔵用の箱が、うまいぐあいになめらかな円弧を描くのである。スカイラブは回転していないが、才気煥発の住人たちはそれくらいではくじけなかった。やがてリスがかごに入れられたハツカネズミ式に、トラックをただ走りさえすれば、『2001年』のあの場面とほとんど見分けのつかない情景となることがわかった。これはテレビで地球に向けて放映され(バックミュージックはあらためて紹介するまでもない)、「スタンリー・キューブリック必見」のコメントが添えられた。やがてスタンリーは、わたしの送ったビデオ録画でこれを見ることになる(テープはとうとう返してもらえなかった。スタンリーはおとなしいブラック・ホールを整理用に飼いならしているからだ)。 (「『2010年宇宙の旅』はじめに」より)  上の映像は著作権の問題からか、間の抜けたBGMになっていますが、オリジナルはクラークの説明の通りならBGMは『美しき青きドナウ』(※『2001年…』での該当シークエンスではハチャトゥリアンの『ガイーヌのアダージョ』でしたが、クラークが「紹介するまでもない」とするほど有名だとすれば『ドナウ』だと思います)だった筈です。  このスカイラブ計画、アポロ計画の残債流用という位置づけや、華々しいスペースシャトル計画の間にあったためか、今じゃすっかり地味な存在ですが、当時唯一の本格的な有人宇宙開発計画だったので心踊らせたものです。現在の国際宇宙ステーション(ISS)もこのスカイラブやアポロの実績があってこそ。もっと評価されてもいいと思いますね。

【スペシャルレポート】TOHOシネマズ六本木にて「新・午前十時の映画祭」『2001年宇宙の旅』を鑑賞

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 全国のTOHOシネマズ系列を中心に企画上映中の「新・午前十時の映画祭」で現在『2001年宇宙の旅』が上映中だったので、本日久しぶりに『2001年…』を劇場で体験してきました。この「午前十時の映画祭」という企画、名作映画を閑散時間である午前10時に1000円で上映しようという素晴らしい企画で、DVDやBDに飽き足らず、名作映画は是非映画館で観たい!というニーズを取り込んだ良イベントです。  今回の「新…」からはデジタル上映となり、より鮮明な映像で『2001年…』が楽しめるとあって、なんとか時間をやりくりして観に行ってきました。ただ上映館のTOHOシネマズ 六本木ヒルズのスクリーン3はサイズが小さめでアメリカンビスタのレターボックス、音響も悪かったのが少々残念でした。上映は1月24日まで。

【関連動画】『時計じかけのオレンジ』の予告編の日本語版と英語版

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 観る者に強烈なインパクトを残す『時計じかけのオレンジ』の予告編ですが、その日本語版になります。単純に英語版のテキストを日本語に置き換えただけですが、ニコニコのコメントではフォントの評判が悪いようです。  まあこの時代、フォント(書体)の数は限られていて、ゴシック系で太めのものってなかったんじゃないでしょうか。バランスも悪くて確かにダサいですが、この時代の広告や出版物を見ても同じようなものなので、逆に「味」として楽しんで欲しいですね。

【プロップ】ビッグ・ホイール三輪車(Big Wheel Trike)

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 『シャイニング』でダニーが乗っていた三輪車はアメリカのルイ・マルクス&カンパニー製の「ビッグ・ホイール」という三輪車です。当時大ヒットした商品でしたが、残念ながら『シャイニング』がまだ製作中だった1979年にルイ・マルクス社は倒産、ビッグ・ホイールのブランドはエンパイル・プラスチック社に移ります。しかしここも2001年に破産を申請、現在は他者に権利が移っているそうです。  詳しい型番まで特定できず、しかも『シャイニング』以外の画像さえ見つける事ができませんでした。でも、もし現存していたらマニアは放っとかないでしょうね。撮影に使用された物はとっくに処分されてしまっているでしょうから、同機種でさえキューブリック展で展示できるくらいの価値はあります。ebayなどに出品されたら結構な値段が付くのではないでしょうか。

【インスパイア?】さよならジュピター(Bye Bye Jupiter)

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 いやもうね、宇宙船のデザイン画や参加したスタッフのそうそうたるメンバーを見たとき、「やっと日本にも世界に誇れるSF映画が誕生する!」と興奮し、期待したものです。その結果はというと暗澹たるもので、当時の映画ファン、SFファンを絶望の淵に叩き込んで踏みつけて、そのプライドを木っ端微塵に打ち砕くものでした・・・。  この『さよならジュピター』のプロット、木星を太陽化するアイデアは『2001年宇宙の旅』の続編『2010年』に、宇宙開発を促進する事業者と過激な自然保護団体の対立は『コンタクト』に似ているんですよね。そういった要素を上手くまとめればひょっとしたら傑作になった可能性があるだけに非常に残念です。(原作はそれなりに評価されているそうです。)  上記の予告編を観れば一目瞭然、『2001年…』や『スター・ウォーズ』の影響は明白です。でも同年に公開された『2010年』との差は歴然としていて、SFとは全くかけ離れたユーミンの歌も痛々しい限り。この日本で実写SF映画に期待するのは金輪際止めてしまおうと決意させるのに十分な代物でした。「2001年を超えてみせる!(by 小松左京)」・・・ああ悪い冗談ですね。

【ロケーション】ウィリアム・ハワード・タフト高等学校(William Howard Taft High School)

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旧ウィリアム・ハワード・タフト高等学校(google map)  キューブリックが青春時代を過ごしたニューヨーク・ブロンクスにあった公立高校。 wiki によるとそうとうの問題校だったらしく、「失敗した学校」の烙印を押されてしまっています。出席率は常に86%程度、しかも犯罪率が非常に高かったそうです。まあ貧困地区の公立高校の典型的な例でしょうね。キューブリックが在籍していた当時はユダヤ系やイタリア系移民が多かったみたいですが、1990年代に黒人やヒスパニックが流入し、さらに治安が悪化したようです。2008年6月に閉鎖、現在はいくつかの専門学校が入居していますが、外観は当時のままですので雰囲気は楽しめますね。ただ、聖地巡礼は上記の理由から止めておいた方が良さそうですが。  同校の出身者にはキューブリックの級友であり、キューブリックの初期作品に協力した後、自身も映画監督になるアレクサンダー・シンガー、同級生には歌手のイーディー・ゴーメがいる。キューブリック最初の妻、トーバ・メッツもこの学校の出身。

【キューブリック展】スタンリー・キューブリック展、ポーランドのクラクフ国立博物館で2014年5月~9月まで開催決定

クラクフでの「スタンリー・キューブリック」展  Pierwsza は「wiecie wystawa」の複合施設内にあり、複合施設内で「ycie and twilight」を演出できます。アメリカの作家、監督、プロデューサーであり、最も有名な映画監督の一人であるスタンリー・キューブリック氏の個展が、2014年5月にクラクフの国立博物館で開催される。以下を参照してください。 (引用: onet.film )  ブラジルのサンパウロで1月12日まで開催中のキューブリック展ですが、5月4日から9月14日はポーランドのクラクフ国立博物館での開催が決定したようです。9月からはカナダのトロント国際映画祭での開催が決定していましたので、サンパウロとの間にどこかで開催されるのでは、と思っていたのですがポーランドですが。日本には来てくれるのでしょうか?カナダの次あたりを秘かに期待しています。

【評論家】浜野保樹(Yasuki Hamano)

 キューブリック関連書籍の邦訳でキューブリックファンにはおなじみのメディア学者。現在は東京工科大学メディア学部教授。邦訳には『未来映画術「2001年宇宙の旅」』『映画監督スタンリー・キューブリック』『スタンリー・キューブリック 写真で見るその人生』。著作は『キューブリック・ミステリー「2001年宇宙の旅」論』がある。  1951年4月11日兵庫県生まれ。2014年1月3日、脳梗塞のため死去。享年62歳。

【関連記事】訃報:浜野保樹さん62歳=東京工科大教授

 浜野保樹さん62歳(はまの・やすき=東京工科大教授、東京大名誉教授、メディア論)3日、脳梗塞(こうそく)のため死去。通夜、葬儀は未定。  アニメや映画研究で知られ、編著に「メディアの世紀」「大系黒澤明」など。 (引用: 毎日新聞/2014年1月3日 )  キューブリック関連書籍の邦訳やメディア論の名著『キューブリック・ミステリー「2001年宇宙の旅」論』</a>で有名な浜野保樹さんが亡くなられました。キューブリックに通じた翻訳者だっただけにその早すぎる死は残念でなりません。故人のご冥福をお祈りいたします。合掌。

【作品論】キューブリック作品のランキングと作品論

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 当ブログ管理人のキューブリック作品の評価ランキングと作品論をご紹介いたします。あくまでいちファンの個人的見解・解釈です。当ブログの作品評価や論評、各種嗜好の傾向もこれに準じています。自説はあくまで一説です。読者に強要する意図はありませんので参考程度にどうぞ。 1位 【作品論】『2001年宇宙の旅』 ★★★★★ 2位 【作品論】『アイズ ワイド シャット』 ★★★★★ 3位 【作品論】『バリー・リンドン』 ★★★★★ 4位 【作品論】『時計じかけのオレンジ』 ★★★★ 5位 【作品論】『フルメタル・ジャケット』 ★★★★ 6位 【作品論】『ロリータ』 ★★★★ 7位 【作品論】『突撃』 ★★★★ 8位 【作品論】『シャイニング』 ★★★ 9位 【作品論】『博士の異常な愛情』 ★★★ 10位 【作品論】『現金に体を張れ』 ★★★ 11位 【作品論】『恐怖と欲望』 ★★ 12位 【作品論】『スパルタカス』 ★ 13位 【作品論】『非情の罠』 ★  ちなみに「好きな作品ランキング」になると以下のようになります。「評価」と「好悪」はあくまで別の感性です。よく混同されがちですので、評価とは別に紹介させていただきます。 【1位】『シャイニング』 【2位】『時計じかけのオレンジ』 【3位】『博士の異常な愛情』 【4位】『フルメタル・ジャケット』 【5位】『ロリータ』 【6位】『2001年宇宙の旅』 【7位】『アイズ ワイド シャット』 【8位】『バリー・リンドン』 【9位】『現金に体を張れ』 【10位】『非情の罠』 【11位】『突撃』 【12位】『スパルタカス』 【13位】『恐怖と欲望』  けっこう違いますね。1位から5位まではちょっと主人公や登場人物がキちゃってる系の作品です。『シャイニング』は最初の面接のシーンでジャックがニヤっとしただけでもう楽しめちゃいます。アレックスやディム、ストレンジラブ博士にリッパー将軍、ハートマンやパイル、ハンバートとキルティ・・・一癖も二癖もある連中が暴れ回るのは観ていて楽しいですね。6位から8位は高い評価はしているのですが、しょっちゅう観たいとは思わないのでこの順位になります。9位、10位は犯罪ものですか、どこかシニカルな感じがあって好み。11位、12位はカーク・ダグラスのステレオタイプなヒーロー演技が苦手なのでこの順位になります。特に12位は...