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【関連記事】すさまじい電波と妄想、無理矢理のこじつけ。『ROOM 237』のあきれた内容

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   『ROOM 237』のプレス向け資料に掲載されていたストーリーの内容が判明しました。これだけ読んでみても凄まじい電波とトンデモっぷりが分かりますのでご紹介します。 ストーリー【ネタバレの可能性あり】 ●『シャイニング』に関する代表的な9つの考察(ストーリー) *これらはあくまで映画で描かれる独自の解釈であり、キューブリックの本意ではありません 1.ふくらし粉の缶詰に隠された意味  映画の序盤、オーバールック・ホテルの料理長ハロラン(スキャットマン・クローザース)の背後にある食料庫の棚に“カルメット”というふくらし粉の缶詰が置かれている。“カルメット”とは北米の先住民が和平の印として吸った長パイプのこと。“カルメット”の缶は後半、主人公ジャック・トランス(ジャック・ニコルソン)がかつて妻子を惨殺した管理人グレイディ(フィリップ・ストーン)の幽霊と対話するシーンにも映っている。キューブリックはこの場面で、わざと複数の缶をバラバラの向きに置いた。それは和平の破綻、すなわち大量虐殺の暗示なのである。 2.タイプライターや“42”という数字に秘められた隠喩  作家のジャックが使用するタイプライターはドイツのアドラー社製だが、アドラーとはナチのシンボルでもあった“鷲”を意味する。劇中、ジャックが着ているTシャツにも“鷲”があしらわれている。またキューブリックは、ナチがユダヤ人の絶滅を決めた1942年の“42”という数字にこだわっており、ホラー映画の形をとって間接的にホロコーストというテーマを扱ったと解釈できる。237号室の部屋番号を2×3×7と掛け合わせると“42”になるのは、単なる偶然なのだろうか? 3.観客の性的な欲求を刺激するサブリミナル効果  『2001年宇宙の旅』や『時計じかけのオレンジ』で映画術を究めたキューブリックは、新たな挑戦の一環としてCMなどに用いられるサブリミナル効果の手法を導入した。それらは観客の性的な欲求をかき乱すもので、次のような一例がある。映画の冒頭、ジャックがホテル支配人アルマン(バリー・ネルソン)の面接を受けるシーン。まるで冗談のようだが、ジャックとアルマンが握手を交わした直後、オフィスのデスクに置かれた黒いペーパー・トレイがアルマンの“男性自身”に早変わりするのだ! 4.存在するはずのない窓  これもジャックがアルマンのオフィス...

【ブログ記事】1979年1月『シャイニング』の撮影中にセットが火事で焼失した現場写真

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 キューブリックが安全に極端に神経質だった事は飛行機嫌いな点や、車に必要以上のスピードを出させなかったこと、不要な場所でもセットではヘルメットを被っていたことからも伺えますが、この写真でもそれは伺えます。  1979年1月末の午後6時頃、セットに隣接する部屋で火災が発生、丁度セットで撮影をしていたキューブリックを始め、全員に避難命令が出されました。そして炎は朝までにコロラドラウンジ、ロビー、廊下など主要なセット全てを焼き尽くしてしまいましたが、幸いな事に人的被害はなかったそうです。翌朝、その現場を訪れたキューブリックの写真が上記です。まるで自分がいるセットで火災にならなくて良かった、と安堵し、笑っているように見えます。このセット火災によりセットの建て直しをする羽目になり、スケジュールは大幅に遅延。予定されていた『スター・ウォーズ 帝国逆襲』の撮影は別のスタジオで行われる羽目になってしまいました。  火災の原因は特定できなかったそうですが、「セットに隣接する部屋」ということは倉庫か機械室、更衣室などだと思います。『シャイニング』では大量の照明を使っていたので、電気関係のショートかも知れませんね。  

【ロケーション】チェルシーホテル(Hotel Chelsea)

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 『2001年宇宙の旅』の共同原案者、小説版『2001年…』を執筆するために長期滞在したニューヨークにある老舗ホテル。宿泊していたのは1008号室。数多くのアーティストが定宿にしていたホテルとして有名で、作家のディラン・トマスやセックス・ピストルズのシド・ヴィシャスのガールフレンドであるナンシー・スパンゲンはこのホテルで死亡している。また、ニコのアルバム『チェルシー・ガール』もこのホテルからの引用だ。  クラークが『2001年…』を執筆している、その当時の写真は以下の通り。

【パロディ】もし有名監督がクリスマスを映画化したら?

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 もし有名監督がクリスマスを映画化したらどうなるか?というパロディ動画。もちろんキューブリックも登場。個人的にはスピルバーグ、マーティン・スコセッシ、マイケル・ムーアあたりがツボでした(笑。でもこのメンツに何故エイゼンシュテインが混ざっているのかが謎。製作者の趣味でしょうかね。

【インスパイア】『時計じかけのオレンジ』の影響を感じさせる、マドンナの『ブロンド・アンビション・ツアー』のステージ衣装

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 『ブロンド・アンビション・ツアー』(1990年)の映像です。曲は『キープ・イット・トゥゲザー 』。衣装はどう見てもモロに『時計じかけのオレンジ』のアレックスを意識していますね。  この衣装をデザインしたのはジャン=ポール・ゴルチエ。ゴルチエといえばSMやボンデージライクなデザインで有名ですので、この衣装はまさにアレックスの扮装をゴルチエ風にした感じです。ただ同ツアーでは「コーン型ブラ」の方が話題になりましたね。

【関連動画】キューブリックが編集した『アイズ ワイド シャット』の予告編

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  『アイズ…』の予告編は数種類ありますが、キューブリックが編集したのは上記動画のみです。実はこの撮影、トム・クルーズとニコール・キッドマン、そしてキューブリックだけの3人で行ったそうで、撮影の際には雰囲気を盛り上げる為に、セットでも同じように『バッド・バッド・シング』が流されました。よく見るとキッドマンの腰を振る仕草はリズムを取っているようにも見えますね。  キッドマンはこの一連の撮影についてインタビューで  「スタンリーは映画の中の二人の性生活が、実際の私たちの性生活であるかのように見せようとしていて、挑発的だった。でも私たちは気にとめなかった。明らかにそれは私たちではなかった」 (引用: MAASH/2012年10月25日 ) と答えています。つまり観客のノゾキ趣味を理解した上で、わざとそれを煽るような予告編を作ったのです。そしてその挙げ句、最後に突きつけた台詞が「ファック」ですからね。本当に底意地の悪い監督です(笑。

【考察・検証】キューブリック作品のタイトル考

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   キューブリックは作品タイトルには、原作をそのまま流用したもの(『突撃(栄光の小径)』『スパルタカス』『ロリータ』『時計じかけのオレンジ』『バリー・リンドン』『シャイニング』)と、オリジナルのタイトルを付けた作品と2種類あります。今回は後者のオリジナルタイトルを考察したいと思います。 『恐怖と欲望(Fear and Desire)』  相反する感情や概念をそのままタイトルに使った1例目。「恐怖」は恐怖で狂ってしまったシドニーを、「欲望」は戦果を挙げて出世を考えたマックを表している、というのは短絡的過ぎでしょうか。広義に考えれば戦争という行為そのものが「恐怖と欲望」の産物であるし、狭義に考えれば戦果か脱出かで揺れる小隊の姿そのままだとも言えるでしょう。 『非情の罠(Killer's Kiss)』  相反する感情や概念をタイトルにした2例目。当初は『キスして、殺して(Kiss Me, Kill Me)』というタイトルでした。当然グロリアの事を指すのだと思われますが、いかんせん主演女優の力不足で「キスして、殺して」という程の存在感はありません。仕方ないので言葉のトーンを弱めた『殺人者のキス』というタイトルにしたのではないでしょうか。また、『キスして、殺して』では扇情的すぎるため、前作『恐怖と欲望』の時にポルノとして宣伝されてしまったのを警戒しての措置だったのかも知れません。因に「Kiss」と「Kill」は音の響きが似ているため、映画や本、曲のタイトルによく使用されています。 『現金に体を張れ(The Killing)』  キューブリックが好んだダブル・ミーニングのタイトルの1例目。「Killing」には「殺害」と「大もうけ」と両方の意味があります。まさに『現金…』のストーリーそのままです。 『博士の異常な愛情:または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb)』  相反する感情や概念をタイトルにした3例目。「異常愛博士」とは作中のストレンジブ博士を指すのは明白ですが、次の「または~」については<a href="http://kubrick.ldblog.jp/archives/52017920...

【関連書籍】週間少年マガジン 1968年3月24日号『2001年宇宙の旅』特集号

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Zontar of Venus - 2001 a Space Odyssey (1968) Japanese Magazine illustrations(Blog)  この本、神保町の古本屋やオークションで探していたんですが、『2001年宇宙の旅』の特集ページがスキャンアップされているブログを見つけましたのでご紹介します。表紙はあの小松崎茂氏です。  特集記事のイラストの作者は始めから牧光隆、水気隆義、梶田達二、鴨下虎男、桑名起代至、南村喬之となっています。全員の方の詳細は分かりませんでしたが、小松崎氏の元で働いていたスタッフか、出版関係のイラストで活躍されていた方の作品のようです。  それにしても驚いたのが、各メカの内部やディテールの考証がしっかりしている点です(もちろん間違いもある)。これだけの画を描けたのには、しっかりとした資料の提供がキューブリックサイドからあったものと推察されます。構成を担当した大伴昌司氏の働きも見逃せません。  ディスカバリー号が「ディスカバラー号」に、クラビウスが「クラピアス」に、宇宙ステーションV(ファイブ)が「宇宙ステーション1(ワン)」になっているのはご愛嬌として、月面のモノリスがピラミッド型なのに注目。しかもしっかりとあらすじまで掲載されています。  日本での『2001年…』の公開は1968年4月11日ですから、この号は公開前に発売された事になります。現存冊数は少ないでしょうから、所有されている方は大切に保管される事を望みます。上記のブログは海外のマニアの方のようですが、どうやって入手したんでしょう?羨ましい限りです。

【関連記事】『シャイニング』愛が止まらない!細田守監督が支持する『ROOM237』とは?

 20世紀最高の巨匠スタンリー・キューブリックがスティーヴン・キングの小説を映像化した『シャイニング』は、映画史上最も恐ろしく芸術性の高いホラーとして語り継がれている。そんな伝説の作品に渦巻くミステリーの解明に挑んだ異色作『ROOM237』が著名人の間で話題になっている。  本作は、5人のキューブリック研究家が次々と意外な着眼点や矛盾を指摘し、衝撃的にして奇想天外な『シャイニング』論を披露。キューブリックの長編デビュー作『恐怖と欲望』から遺作『アイズ ワイド シャット』までの全作品の場面映像を引用し、天才監督の脳内を分析するかのような驚くべきドキュメンタリーとなっている。  一足早く本作を鑑賞した板尾創路は「キューブリックの新作は観る事は出来無いけど、この映画を観たら『シャイニング』が新作同様に楽しめた」と絶賛。『おおかみこどもの雨と雪』の細田守監督は「今度はオレの『シャイニング』語りも聞いてくれ! 」とシャイニングフリークであることをカミングアウト。演出家&映画監督の大根仁は「キューブリックが観たらガン無視されるであろう(誉め言葉です!)シャイニング&キューブリックおたく達による妄想コラージュドキュメント。『そんなわけないよ! 』が『いや、あるかも…』になっていくのがたまらない! 」と作品の魅力を分析した。  そのほか、「ここまで愛されるとは、あの世のキューブリックも喜んでいるはず」(映画監督・松江哲明)、「この“第1回シャイニング深読み大会”を見て、俺の話を聞けと世界中から新たな選手が参戦しそう」(漫画家&イラストレーター・花くまゆうさく)、「私も『シャイニング』にとり憑かれた一人。なぜスティーブン・キングは映画を気に入らなかったのか…」(漫画家・いがらしみきお)、「いいともは終わっても『シャイニング』の輪に終わりはない」(演出家&脚本家&俳優・河原雅彦)と、キューブリックへの愛と『シャイニング』への情熱に溢れた言葉が並んだ。  さらに、作家・平山夢明は『シャイニング』を“観るドラッグ”称し、映画監督・樋口真嗣はその衝撃ゆえに「こんなのありか? 多分アウト。訴えられるぞ! 」と本作を評価。マンガ家・カネコアツシは「ここまで人を狂わせる何かを創ってみたい! 」と仕事意欲を触発されたようだ  あらゆる映画ファンの知的好奇心を刺激する、新たな発見に満ちた237号室。そ...

【ブログ記事】『ROOM 237』をネタバレさせ、そのくだらない正体を暴く

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 当ブログで『ROOM 237(ルーム 237)』を散々「金儲け主義者のデタラメ陰謀論映画」とこき下ろしていますが、何故観てもいないのにそう断言できるのか、それを説明したいと思います。  管理人が当ブログの前身であるキューブリックのファンサイト『CataComB』を立ち上げた1998年、『ROOM 237』という『シャイニング』の海外のファンサイトがあるのに気が付きました。内容はマニアとおぼしき連中が、よってたかって『シャイニング』の映像を解析、さまざなま矛盾点や意匠からメッセージをこじつけ、それをネットで披露しあって遊ぶ、という趣旨のサイトだったと記憶しています。  『CataComB』で海外の良質なサイトを紹介するリンクページを設けていた関係上、こういった海外のサイトの内容には注意を払っていました。有益な情報が集まるサイトならともかく、こういった「隠謀論ごっこ」で遊ぶサイトは無益だと判断し、リンクページには載せませんでした。(ある時期は載せていたかも知れません。なにせ昔の話なので記憶が定かじゃないですが、手元に残っている最終ログには掲載がありませんでした。)つまり公開される『ROOM 237』とは、元々はマニアがネット上で『シャイニング』をネタに隠謀論を披露し合うサイトだったのです。もちろんそれに根拠や証拠など必要ありません。本人たちもそれを承知の上での、単なるお遊びですから。  では何故そんなデタラメなサイトが映画化されたのでしょう。これは推察ですが、原因は例の『オペレーション・ルーン』にあると思います。フランスのTV局が製作し、2003年のエープリールフールに放送したこのジョーク番組は大きな話題になり、世界中でオンエアされました。日本でも『ビートたけしの世界はこうしてダマされた!?』で短縮版ですが取り上げられています。この成功を目の当たりにした出資者が二匹目のどじょうを狙ってネタ探しをしたであろう事は想像に難くありません。その出資者が目をつけたのがネットで隠謀論ごっこをしていた『ROOM 237』だった、という訳です。  しかも『オペレーション…』には大きな「免罪符」が備わっています。それはキューブリックの遺族、妻のクリスティアーヌと義弟のヤン・ハーランが出演し、この隠謀論に加担してしまっているのです。(もちろん最後にネタばらししていますが)つまり、キューブ...

【関連書籍】あの「ハートマン軍曹」による自己啓発本「Gunny’s Rules: How to Get Squared Away Like a Marine」が発売

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Gunny's Rules: How to Get Squared Away Like a Marine(Amazon)  映画「フルメタルジャケット」の鬼教官、ハートマン軍曹役として伝説的な名演技を見せた俳優リー・アーメイが、チンピラだった高校時代から海兵隊員として立ち直った自身の経験を元に初の自己啓発本「Gunny’s Rules: How to Get Squared Away Like a Marine」を出版しました。  「Gunny’s Rules: How to Get Squared Away Like a Marine(軍曹のルール:海兵隊員のようにビシっと鍛え上げる方法)」は「去勢された弱虫男たちが尊厳を取り戻す」ために「体を鍛え、自己主張する」方法を学べる1冊。これを読めば一生懸命働き、高い目標を達成し、模範的な人生を過ごすことができるようになるそう。  翻訳はまったく未定のようですが原書については日本でもAmazon.co.jpでの販売があるようです。  とかくオス臭いというか男根主義的な生き方は避けられる昨今、タフな男、あるいはタフな女を目指したい人には最適な一冊ではないでしょうか。著者自身による紹介動画はこちら。 (引用: デイリィ・ニュウス・エイジェンシィ/2013年12月11日 )  ハートマン軍曹だと自己啓発じゃなく、自己鍛錬にしかならなさそうですが・・・。それはともかく、軍曹ならどんな厳しい事を言われてもなんだか許せちゃう気がするのは、ある種の「笑いのセンス」が秀逸なせいでしょうね。  肝心の内容ですが、「ハリウッド」と言及されている部分が気になります。当然『フルメタル…』やキューブリックについても触れられているでしょうから、日本の出版社には是非とも邦訳をお願いしたいです。

【ブログ記事】『コンバット!』をパクったと言われても仕方のない、北米版『恐怖と欲望』DVD/BDのパッケージデザイン

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 北米版『恐怖と欲望』DVD/BDに描かれているライフルとその先に付けた銃剣のイラストですが、これを見てこのTV番組のオープニングを思い出した方は多いのでは?管理人は『コンバット!』をリアルタイムで観ていた世代ではありませんが、それでも有名なテーマ曲は知っていました。いくら『恐怖…』の内容が偶然『コンバット!』と似ているからといって、それに似せたパッケージデザインを採用する神経が分かりません。ひょっとして『コンバット!』と間違ってこのBDを購入させようとするミス・リード戦略なのでしょうか?  もちろんキューブリックとは何の関係もない話です。『コンバット!』は1962年から1967年までアメリカABCで製作・放映され大人気となり、日本でも放映されました。当たり前ですが、その頃『恐怖…』はキューブリックによって固く封印されていたので、ABCの関係者が『恐怖…』に影響を受けた可能性は皆無です。  何故こんなパクリと言われても仕方の無い、インチキ臭い事をしたのでしょう?北米版販売元のキノ・ローバー社の姿勢は非常に疑問です。日本の販売元のアイ・ヴィー・シーさんはこのデザインを採用しませんでしたので一安心・・・と思っていたのですが、いくつかのグッズで銃剣のイラストを使っているようです(溜息。誰か止める人はいなかったんでしょうか?これじゃキューブリックの『恐怖…』は『コンバット!』のパクリ(あるいは逆に『コンバット!』は『恐怖…』のパクリ)などと誤解されかねません。内容が似ているだけに両者ともにいい迷惑です。  ここで明言しておきます。キューブリックの劇場用映画処女作『恐怖と欲望』と、アメリカABC製作のTVドラマ『コンバット!』。この両者には何の関係も、関連性もありませんし、影響云々もありません。全てはキノ・ローバー社が恣意的に(と考えざるを得ない)ライフル銃と銃剣のイラストをパッケージに採用したのが元凶です。その「元凶」は、日本版の販売元にも誤解を与えて(この事実を知らなかったとすれば)しまいました。こういった販売戦略は中小の配給会社や販売代理店ではよくある事とはいえ、コンプライアンスが叫ばれて久しいというのに、甚だ残念という他ありません。

【作品論】恐怖と欲望(Fear and Desire)

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Fear and Desire(IMDb)  キューブリック初の劇場用長編映画『恐怖と欲望』。若干25歳のキューブリックが作り上げたこの作品にははっきりとキューブリックの強い意志が込められている。それは通常の劇映画ではあまり試みられてこなかった「映像で語る」という手法だ。短く挿入されるインサート・カットやヴォイス・オーバーの多用、凝ったカメラアングルや画面構成、影を巧みに使った演出など、後にキューブリックのスタイルを象徴する手法が頻出している。キューブリックは最初から「演劇的映画」との決別を考えていたのだ。  だがそれは後年の洗練さとはかけ離れた、いかにも青臭く、気取りだけが鼻につく稚拙なものだった。加えていかにも低予算ありきで作られた雑な脚本、敵と味方が同一の役者で演じられるという苦し紛れのキャスティング、飛行機や敵基地等、必要な大道具やセットを用意できなかった為であろう安っぽい映像・・・。キューブリックが後年封印したがるのも無理のない低質な完成度だった。  斬新な映像表現にたいする自信と意欲、その反面求めたクオリティには到底及ばない様々な現実。キューブリックは次作『非情…』からはあえて「演劇的映画」へと舵を切り、まずは興行的成功と知名度のアップを目指すようになる。時折「映像で語る」という手法をチラつかせつつも、それは『ロリータ』まで約10年我慢しなければならなかった。  本作で着目すべきは、若干25歳にしてはっきりと自身の目指す映像表現のアイデアに確固たる自信と確信を持っていた、という事実だ。それを確認できるだけでもファンにとっては価値ある映像だろう。キューブリックが封印したという事実に鑑み、鑑賞を自粛する考えもあるようだが、未公開映像ならともかく、いったんオフィシャルに上映された以上それを取り消す事はできない。それはどのジャンルのアーティストも同じだ。これについてはキューブリックに諦めてもらうしかなさそうだ。

【オマージュ】『マッドメン』のキールナン・シプカが『シャイニング』の双子の少女に変身

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 これ最初に見たときフルCGかと思ったんですが、一人の女優を撮影してフォトショで合成してるんですね。  このモデルとなったキールナン・シプカですが、日本では全く知られていませんがTVシリーズの『マッドメン』に出演している女優だそうです。1999年11月10日生まれですからこの記事の時点で13歳ですか。しかもキューブリックが生きていた全く時代を知らない世代。そんな彼女がこの仕事を受けた理由がスティーブン・キングのファンだからそうです。  製作過程のビデオは興味深かったですが、完成した写真を見るとフォトショのスキルが著しく低いですね。合成感丸出しの影が違和感ありありです。せっかくセットまで立て込んだのにこれはないですね。

【イベント情報】『モンスター・マニア・コンベンション』に『シャイニング』の双子の少女、リサ&ルイーズがゲストとして来場決定

  『シャイニング』の双子の少女役で有名なリサ&ルイーズ姉妹がニュージャージーで3月に開催される 『モンスター・マニア・コンベンション』 にゲストとして来場するそうです。こういった公の場所に登場するのは1999年のTV番組以来ではないでしょうか。  なにかと情報の少ないリサ&ルイーズですが、ダニー・ロイドのように来場の様子がYouTubeにアップされるでしょうから、今から非常に楽しみです。それに合わせたのか、ご本人たちが ツイッターを開設 したようです。まだフォロワーが少ないようですので、フォローしてみてはいかがでしょうか。私もフォローしましたが、なんとリフォローして頂きました!すごい!!  『モンスター・マニア・コンベンション』は2014年3月7~9日、場所はニュージャージー・チェリーヒルのクラウンプラザホテルです。

【考察・検証】『アイズ ワイド シャット』が『アイズ・ワイド・シャット』でない理由

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 通常洋画の日本語版タイトルを決定する際、そのまま英文タイトルをカタカナで表記する場合は『スター・ウォーズ』の用に「・(ナカグロ)」を入れるのが慣例となっています。しかし『アイズ…』は『アイズ ワイド シャット』と単語の間に半角アキを入れろとの指示がキューブリックサイドから日本のワーナーに向けてあったそうです。その理由は「アイズ・ワイド・シャット」と各々文節として区切るのではなく、「アイズ ワイド シャット」という一文として扱いたかったのではないかと想像しています。つまり「アイズ ワイド オープン」という慣用句のもじりである事を念頭にした措置という事です。  文節を区切れば「目を・大きく(広く)・閉じる」になり、慣用句「目を見開く(Eyes Wide Open)」をもじった一文「目を見閉じて」とはずいぶんと印象が違います。トリッキーで不思議な違和感があり、そして少しドキっとするのは断然後者ですね。 結論:『アイズ・ワイド・シャット』を拒否し『アイズ ワイド シャット』とした理由は、『Eyes Wide Shut』を各文節単位ではなく、一文として認識して欲しかったためだと思われる。慣用句「Eyes Wide Open(目を見開く)」をもじったものであるという意図も明確にしたかかったのではないだろうか。  つまり『アイズ…』を論評する際、この「目を見閉じて」という一文の意味をどう捉えるかが重要になってきます。元の「Eyes Wide Open」には「ほら、目を見開いてしっかり見なさいよ!」という注意喚起のニュアンスも含んでいます。そういう意味からも『アイズ ワイド シャット』はキューブリックの「ほら、しっかり見ているか?お前はちゃんと見ているつもりでもなんにも見えていないじゃないか!」という注意喚起、つまり警鐘のような気がしてなりません。  まあ、単に英単語の間にナカグロを入れるという日本の風変わりな慣習に、キューブリックが「合理的な理由がない」と却下しただけ、という可能性も捨てきれないですけどね(汗。

【オマージュ?】ハリウッド版『GODZILLA(ゴジラ)』の予告編

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 いきなりジェルジュ・リゲティの『レクイエムII キリエ』が流れ出してびっくり。どこかにモノリスが登場するのかと思いきや・・・最後に登場したのは日本でもおなじみのあの「背びれ」でした。前回のローランド・エメリッヒ版『GODZILLA』はかなり評判が悪かったですが、今回は監督がゴジラ・ヲタのギャレス・エドワーズだそうで、ずいぶんと期待が集まっているみたいです。  でも何故『レクイエム…』を使ったんでしょう?オリジナルの日本版コジラは水爆実験の結果誕生した怪獣ですが、今回はひょっとして宇宙から飛来した生命体という設定?原発事故が収斂していない日本では、興行に支障があるので設定を変えたとか?まあ、これは観てからのお楽しみでしょうね。

【名曲】ジェルジュ・リゲティ/レクイエムII キリエ(Gyorgy Ligeti - Requiem II Kyrie)

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 『2001年宇宙の旅』の進化のテーマ曲が『ツァラトゥストラはかく語りき』なら、モノリスのテーマ曲はこの『レクイエムII キリエ』でしょう。モノリスが登場したシーン(400万年前の地球、月面のTMA-1発掘現場、木星衛星軌道上)には必ずかかっています。(最後の白い部屋のモノリスは『ツァラトゥストラ…』のみ)  ジェルジュ・リゲティ作曲のこの『レクイエム』ですが『イントロイトゥス』、『キリエ』、『ディエス・イレ』、『ラクリモーザ』の4つのパートに別れていて、『2001年…』で使用されたのはこの『キリエ』の部分。全曲は ここ で聞けますが、是非全曲通して聴いていただきたい。キューブリックは『2001年…』以降、『シャイニング』と『アイズ…』で好んでリゲティを採用していますが、それも頷けるほど声楽隊の圧倒的な声量と比類なき個性的なメロディで強烈な印象を残します。圧巻です。

【撮影・技術】ポストプロダクション (Post-production)

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『バリー・リンドン』を自宅で編集中のキューブリック  撮影後に行う編集、アフレコ、BGMや効果音などの音入れ、特殊効果の追加などの後行程の事で作業は多岐に渡る。キューブリックはプリプロダクションにも時間をかけるが、ポストプロダクションにも時間をかけるので有名で、特に編集とそれに合わせたBGMの選定には徹底したこだわりを見せている。

【関連記事】「スティーブン・キング原作映画ベスト10」米タイム誌が発表

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 米タイム誌が、現在クロエ・モレッツ主演のリメイク版「キャリー」が公開中の、モダンホラーの巨匠スティーブン・キング原作の映画ベスト10を発表した。  1974年に発表されたキングの処女作「キャリー」が、ブライアン・デ・パルマ監督によって映画化されたのが1976年。以来40年、変わらぬ創作意欲で新作を発表し続けるキングの小説は、その多くが映像化され、現在も複数の映画化企画が進行中だ。  以前、英Total Film誌がキングの原作映画50本をランキングしたことがあるが、一人の作家のシリーズ作品以外の映画化だけで50本を選ぶことができるのも驚嘆に値する。またキングは、米業界誌ハリウッド・レポーターが選ぶ「ハリウッドで最も影響力のある作家」2012年度版の第1位にも選ばれている。  タイム誌によるベスト10は以下の通り(製作年度順)。 ▽「キャリー(1976)」(ブライアン・デ・パルマ監督) ▽「シャイニング」(1980/スタンリー・キューブリック監督) ▽「デッドゾーン」(1983/デビッド・クローネンバーグ監督) ▽「スタンド・バイ・ミー」(1986/ロブ・ライナー監督) ▽「ミザリー」(1990/ロブ・ライナー監督) ▽「ショーシャンクの空に」(1994/フランク・ダラボン監督)原作「刑務所のリタ・ヘイワース」 ▽「黙秘」(1995/テイラー・ハックフォード監督) 原作「ドロレス・クレイボーン」 ▽「ゴールデンボーイ(1998)」(ブライアン・シンガー監督) ▽「シークレット・ウインドウ」(2004/デビッド・コープ監督) 原作「秘密の窓、秘密の庭」 ▽「ミスト」(2007/フランク・ダラボン監督) 原作「霧」 (引用: 映画.com ニュース/2013年11月24日 )  以前も似たような企画がありましたが、セレクトがちょっと違いますね。でも『キャリー』、『シャイニング』、『デッドゾーン』、『スタンド・バイ・ミー』、『ミザリー』、『ショーシャンク…』まではかぶってますから、この6作品は鉄板と考えてよさそうです。評価が定まった、とも判断できますね。もちろん、異論はないです。

【関連動画】ワーナー公式『時計じかけのオレンジ』の新しい予告編

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   なんだかネタバレしまくってますが、ブルーレイディスク発売に合わせて再編集された新しい予告編です。今風にカッコ良くは編集されていますが、やはりオリジナルにはかないませんね。

【関連商品】アイリス9000 ブルートゥース・スピーカー&スピーカーフォン(IRIS 9000 Bluetooth Speaker & Speakerphone)

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 要するにiPhoneと無線接続するHAL9000型ブルートゥース・スピーカーとリモコンのセットのようです。iPhoneのSiriや通話をする際、ちょっとHALっぽく遊べるガジェットですね。音声に合わせてHALのレッドアイがちらつくのはなかなか凝ったギミックですが、59.99ドル(約6100円)って。スピーカーやアンプの品質は高くなさそうなので音楽再生には向いていないでしょうから、Siriとのやりとりや通話程度にしか使えなさそうです。しかも充電機能が無いようですし・・・。誰か買う人はいるんでしょうか?

【ロケーション】グレイシャー国立公園(Glacier National Park)

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グレイシャー国立公園のセントメリー湖  『シャイニング』のオープニングの空撮(最後のティンバーライン・ロッジの空撮以外)が撮影されたロケ地で、アメリカ・モンタナ州のカナダ国境にある国立公園。世界遺産でもあります。ワーゲンが走る道路は「ゴーイング・トゥ・ザ・サン・ロード」で東のセントメリー湖と西のマクドナルド湖を結ぶ、全長85kmの風光明媚な観光道路(冬期閉鎖)。  オープニングはティンバーライン・ロッジの空撮である最後のワンカット以外、セントメリー湖からマクドナルド湖へ向かう映像が使用されていて、最初の湖のカットはそのセントメリー湖。湖に浮かぶ小島が特徴的。この小島は湖の大体中程にあります。  ちなみにトランス一家が改めてホテルに向かうシークエンスで使われたカットは、オープニングとは逆にセントメリー湖への復路の空撮が使用されたようです。

【交友録】ジョン・ミリアス(John Milius)

 『ダーティーハリー1/2』や『地獄の黙示録』の脚本家。後に監督業にも進出。黒澤明のフォロワーでも有名。  好戦的だとか右翼だとか批判の多いミリアスですが、キューブリックとも親交があり、『フルメタル・ジャケット』では『地獄の黙示録』の経験から色々キューブリックにアドバイスしたそうです。リー・アーメイは『地獄…』にも参加していますので、ミリアスかマイケル・ハーの推薦があったんではないでしょうか。  その『地獄…』のラストシーン、ミリアスが書いた当初の脚本では、ウィラードを含むカーツ軍団VSベトコンの大規模戦闘シーンが予定されていて、BGMは大音響でドアーズの『ハートに火をつけて(Light My Fire)』が流される予定でしたが、様々な事情から中止になり、現在の形になりました。  1944年4月11日、ミズーリー州セントルイス出身。

【ロケーション】『時計じかけのオレンジ』のロケ地を紹介した動画

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 『時計じかけのオレンジ』のロケ地訪問の動画です。映画との比較映像もあり、かなり丁寧に作られていて完成度が高いです。紹介しているロケ地は浮浪者が襲撃されたガード下、アレックスのアパート(外観)とその玄関(アレックスの部屋の撮影は許可されなかったようだ)、仲間割れを起こしたマリーナ、キャットレディの邸宅とその内部、ルドビコ医療センターの受付と建物、治療を受けた講堂、浮浪者に襲われたテームズ川のほとり、飛び降り自殺を図った邸宅、そして作家の家の玄関(に続く道路)です。  それぞれの場所は当ブログでも今後詳しく紹介したいと思っています。

【考察・検証】星新一の『2001年宇宙の旅』批判を検証する

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スクリーン 1968年7月号『SF映画の楽しさと問題点をさぐる』(画像加工済み)  日本を代表するSF作家、星新一が『2001年宇宙の旅』に批判的だったのは知っていたのだが、その批判記事を見つける事ができたので、それを検証してみたいと思う。 (注:※は管理人による注釈で、元記事にはありません)  シネラマ『2001年宇宙の旅』ぐらい、いろいろな意味で話題になった映画は最近においてないのではないかと思う。なにがなんだかさっぱりわからないのである。私は小松左京といっしょに映画を見たわけだが、帰りにビールを飲みながら数時間にわたり、ああであろうかこうであろうかと話しあった。私も彼も日本SF界では五指に数えられる(なんと作家の層の薄いことよ)のはずだかが、いわく不可解というのが結論だった。  もっとも、見るにたえない愚作というわけではなく、むしろ一見の価値のある精密さと幻想美をそなえた作品ではある。ただそれが調和していず、はじめは科学の如く、終わりはナゾナゾの夢の如しという形のものだ。 〈以下映画の感想なので中略〉  しかし、わけがわからないままというのもいい気分ではない。私は「SFマガジン」に電話をして「いったい原作の小説(※小説版の事)はどうなっているんだ」と聞いた。編集長の福島氏は不在だったが、SF翻訳家の伊藤典夫氏(※小説『2001年…』の翻訳者)がそこにいて、彼から説明を聞くことができた。そして、なるほどとはじめてわかった。 〈以下映画の解説なので中略〉 SFとしてはすぐれたアイデアであり、原作では描写もリアルで面白い物語だという。この映画について難解だという評があるが、製作者の説明不足というべきである。難解と説明不足とは意味が違う。  かくして私は筋を知りえたが、なぜこんなふうに仕上げたのかの疑問は残る。途中で予算を使い果たしたのではないか。クラークの原作小説を売るため(発売は映画封切り後である)わざと後半で手を抜くよう圧力をかけたのではないか。 〈以下星氏の映画製作の裏事情の推測なので中略〉 ・・・などといった傑作な意見も出てくるわけである。しかし、小松左京氏は、まじめで卓越な新説を出した。こうである。「超大型画面の映画となると、従来のように構成のきちっとした物語はむかぬのではないか。観客の想像や判断にゆだねる箇所を残しておく必要がある」  指摘されてみると、...

【関連記事】英誌が選ぶ「原作を超えた映画ベスト50」

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 英Total Film誌が、原作を超えた映画50本をランキングした。  第1位に選ばれたのは、フランク・ダラボン監督がスティーブン・キングの中編小説「霧(原題:The Mist)」を映画化した「ミスト」(2007)。激しい嵐が過ぎ去った町に不気味な深い霧が立ち込め、住民たちは身動きが取れなくなってしまう。やがて霧の中に潜んだ正体不明の生物が彼らを襲いはじめ……。  「ミスト」の原作とは異なる衝撃のラストには、原作者キングも称賛を送っている。また、見たあとに落ち込む鬱映画の傑作としても広く知られている。  ベスト20までは以下の通り(タイトルのあとは原作者名。映画と異なる場合のみ原作邦題を付記)。 「ミスト」(2007)/スティーブン・キング「霧」 「きみに読む物語」(2004)/ニコラス・スパークス 「The Painted Veil(原題)」(2006・日本未公開)/サマセット・モーム「五彩のヴェール」 「ダイ・ハード」(1988)/ロデリック・ソープ 「ティファニーで朝食を」(1961)/トルーマン・カポーティ 「ファイト・クラブ」(1999)/チャック・パラニューク 「ミーン・ガールズ」(2004)/ロザリンド・ワイズマン「Queen Bees and Wannabees」(邦訳なし) 「ジュリー&ジュリア」(2009)/ジュリア・チャイルド自伝&ジュリー・パウエルの同名原作 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(2007)/J・K・ローリング 「ジュラシック・パーク」(1993)/マイケル・クライトン 「プラダを着た悪魔」(2006)/ローレン・ワイズバーガー 「ノーカントリー」(2007)/コーマック・マッカーシー「血と暴力の国」 「L.A.コンフィデンシャル」(1997)/ジェームズ・エルロイ 「ジョーズ」(1975)/ピーター・ベンチリー 「羊たちの沈黙」(1991)/トマス・ハリス 「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」(1964)/ピーター・ジョージ「破滅への二時間(赤い警報)」 「トゥモロー・ワールド」(2006)/P・D・ジェームズ「人類の子供たち」 「ロード・オブ・ザ・リング」3部作/J・R・R・トールキン「指輪物語」 「サイコ(1960)」/ロバート・ブロック 「ミレニアム ドラゴン・タトゥ...

【関連記事】史上最高の宇宙体験ができる映画10選

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 宇宙は昔より身近なものになってきてはいるとはいえ、一般人にはまだまだ手の届かない存在です。金銭面だったり、肉体面だったり、精神面だったり、頭脳面だったり......様々な要素が満たされていないと無重力空間には行けません。  宇宙をリアルに体験出来る人は、ほんの一握りです。しかし、便利なもので、そんな私たち一般人でも、映画やドラマを通して美しい宇宙体験ができます。そこで今回は、io9がまとめた「史上最高の宇宙体験ができる映画10選」をお届け。  それでは、以下から詳細をどうぞ。ちなみに、リストは順不同です。 1. 『2001年宇宙の旅』  言わずと知れた、スタンリー・キューブリック監督のSF傑作『2001年宇宙の旅』。これまでに無かったタイプのSF映画であると同時に、時代を先取りしたビジュアルと、壮大な宇宙と小さくてちっぽけな人間のコントラストは、人々に驚異と畏怖の念を抱かせました。  また、45年も前に作られた映画にも関わらず、その映像は「美の境地に達している」と言っても過言ではありません。宇宙とSFを語る上で外すことの出来ない名作です。 2. 『エウロパ・レポート』  民間の宇宙船乗組員が、地球外生物の生存確立が高いと言う木星の月を探査する中で、恐ろしい事実に直面する『エウロパ・レポート』。  本作は、膨大な量の調査と、NASAやJPLから得た月の表面のマップデータを元にビジュアルを製作している為、正確に描かれていることがウリのひとつ。リアルな宇宙体験を描くために、余計な効果音や派手な演出(地球外生物等は除く)はありません。『2001年宇宙の旅』が好きな人にオススメの作品です。 3. 『ブラックホール』  1979年、VFXが一般的で無かった当時、ディズニーが56億円という巨額の制作費をかけて製作した『ブラックホール』。マット画の上を、複雑に作り込まれたミニチュアをゆっくりと動かしながら撮影した宇宙は、今見ても惚れぼれする美しさです。 4.『ウォーリー』  宇宙が恐ろしい未知の場所ではなく、遊び心が満載で快適、だけど満たされすぎているから退屈で怠慢を引き起こす場所として描かれている『ウォーリー』。ゴミだらけの地球で、ただひとり、せっせと働く心優しいお掃除ロボットとのギャップの激しさが、宇宙をよりファンキーで楽しい場所に見せてくれます。 5. 『サンシャイン 20...

【台詞・言葉】私も踊りは好きじゃないわ(I don't like dancing either very much)

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 『ロリータ』のダンスパーティーのシークエンスで、ジェーンがハンバートに向かってこう言うのですが、実はジェーンを演じたダイアナ・デッカーはTV等で活躍したミュージカル歌手兼女優で、50年代に こんな ダンサブルで軽快なブギを歌っています。つまり、歌手で有名なダイアナが「私も踊りは好きじゃない」と真顔で言うのは「笑うところ」なんですね。うーん、当時の流行や背景を知らないと、ちょっとこれは厳しいです。  しかしまあハンバート氏、熟女にモテまくってますね。でも自身は強烈なロリータ・コンプレックス(少女偏愛者)なので全く眼中になし。ここも笑う所、です(笑。

【撮影・技術】ディゾルブ(Dissolve)

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 前の映像から次の映像に移る際、前の映像に溶け込むように次の映像が現れる編集方法。キューブリックはこのディゾルブについて、  「私は特にディゾルブが好きではないのでそれを使わないようにしている。しかし一つのシーンが前のシーンに続いた同じ場所であるときや、時間の経過を明確にしたいときには、ディゾルブはしばしばそのことを示す最も簡単な方法だ」(引用:『イメージフォーラム増刊 キューブリック』) と発言している。  上記の動画は『シャイニング』のタイトル・シークエンス。最初の湖の空撮のカットと次の森の空撮のカットを溶け込みように繋いでいるのが「ディゾルブ」。

【パロディ】コンカーズ・バッド・ファー・デイ(Conker's Bad Fur Day)のオープニングが『時計じかけのオレンジ』だった件

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 可愛いキャラとは裏腹に結構過激なゲームみたいです。『時計じかけのオレンジ』がパロディにされるのもさもありなん、という感じでしょうか。睨みつける表情や挑発的なヴォイス・オーバーはなかなかな再現度。そういえばアレックスはなんとなくリスっぽい顔していますんで、違和感は少ないかも。でも、もう15年以上も前のゲームですから、ポリゴンとか動作とかぎこちないのはしょうがないですね。

【関連記事】関係者が認めていないS・キューブリックのドキュメンタリーが気になる!

 20世紀最高の巨匠スタンリー・キューブリックの『シャイニング』(80)を徹底分析するドキュメンタリー映画『ROOM237』。サンダンス、カンヌと映画祭で注目されてきた話題作が2014年1月25日(土)より全国順次公開となる。  リゾートホテルを呪われた迷宮に見立てた『シャイニング』を多角的に解明する本作は、筋金入りのキューブリック研究家たちのコメンタリーと共に進行していく。ビル・ブレイクモア(ジャーナリスト)、ジェフリー・コックス(歴史学者)、ジュリ・カーンズ(作家)、ジョン・フェル・ライアン(ミュージシャン)、ジェイ・ウェイドナー(作家、映画製作者、神秘学者)。この5人が斬新かつユーモラスな極私的『シャイニング』論を披露し、映画を読み解いていく。  ただ、本作はキューブリックの家族や『シャイニング』の製作者などには一切承認されておらず、完全に独自の解釈であることも明らかにされており、予告編も“本作は私見である”という内容の注意文から始まる。  いったいどんな映画に仕上がっているのか。日本公開が待ち遠しい!   (引用: MovieWalker /2013年11月29日 )  例の『シャイニング』に関する妄想とこじつけを並べただけの例のゴミ・サギ映画『ROOM237』ですが、ステマを始めたらしくあちこちで記事になっています。いちいち反応してもしょうがないんでスルーしようかと思っていたのですが、さすがに映画の内容に問題アリと判断したのか、記事の煽りがここにきてトーンダウン。「私見」や「独自解釈」、「好き勝手」など微妙な言い回しが増えています。まあ、不幸にも観てしまった方へのクレーム対策でしょうかね、さすがにこの段階で「『シャイニング』の真の姿が暴かれる!」というような煽り文句は危険だと判断したのでしょう。「この言い回しから内容を悟ってね」と言わんばかりです。  さて、こんなゴミ・サギ映画を輸入し、金儲けを企んだ素晴らしい配給会社をご紹介しましょう。ブロードメディア株式会社です。でもまあそのうち社名を変えたりして、したり顔で生きながらえるんでしょうがね。

【パロディ】スタバで「 I am Spartacus!」

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 スターバックスを狙ったフラッシュモブと呼ばれるイタズラ動画が話題となっています。   剣闘士の男性は注文待ちの行列に並び、飲み物を注文しました。 そして準備が出来て店員が”スパルタカスさん”の呼び出しを行ったとき、 男性や他の仲間達が「私がスパルタカスだ!」と口々に叫んだのです。 これはスタンリー・キューブリックの「スパルタカス」の有名なシーンを再現したものでした。 事情を知らないスタッフや他の客はこの光景に衝撃を受け、そして大声で笑うしかなかったそうです。   最後に剣闘士の男性はゆっくりと余韻を残し、「私がスパルタカスだ。どうもありがとうございました。」と言いました。 この一連のパフォーマンスに店の中は拍手の渦に包まれました。   いたずらを主催したグループは、他にも数々の動画を撮影し、ネット上にアップロードしているとの事です。  (引用: Mirror News/2013年11月29日 )  ちょっと笑わせていただきました(笑。真面目な話をすれば、このシークエンスは『スパルタカス』で脚本を担当したダルトン・トランボが、共産主義者は仲間を売るようなマネはせず、連帯が強い事を示す意味で採用したものです。しかし時代は流れ、そんな共産主義の理想などこんなギャグのネタ程度にしかならなかったようです。  キューブリックもこんな偽善まみれの嘘くさいシークエンスなど撮りたくはなかったでしょうけど、我慢して仕事に徹したんでしょう。その不満は次作『ロリータ』での このセリフ で皮肉ってます。  そんなキューブリックの態度に怒り心頭だったのが主演のカーク・ダグラス。その怒りは有名な「才能あるクソッタレ」へと繋がっていきます。  でも、こうしてパロディにされるほど、このシークエンスは定番ネタとして定着しているって事ですよね。この事を存命中のカークはどう思っているのでしょうか。キューブリックはいち早く次作でパロディにしていますから、世の中は当時キューブリックが感じていた方向に動いた、と言えるでしょうね。

【関連記事】【MOVIE BLOG】キューブリックの“頭の中”を分析する

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 前作『マラヴィータ』から180度方向転換した新しい担当作品『ROOM237』が2014年1月25日(土)より全国順次公開されます。  20世紀最高の巨匠スタンリー・キューブリックの『シャイニング』を徹底分析するドキュメンタリー映画。とてもとてもレアな作品です。ある1本の“映画”を題材にしたドキュメンタリー自体、かなり珍しいのではないでしょうか。これも謎多き傑作『シャイニング』だから成立するのですが。  この『ROOM237』を宣伝するにあたり、実はとても大きな条件があります。本作の劇中では当然のごとく『シャイニング』の映像がたくさん使われており、コマ送りや画面分割など好き勝手に検証しています。また、キューブリックの長編デビュー作『恐怖と欲望』から遺作『アイズ ワイド シャット』までの全作品の映像を引用しています。劇中に登場するこれら映画の映像およびスチールをポスターや予告編などの宣材に使用できないという、宣伝マン泣かせのしばりがあるのです。  ただ、この条件を逆手に取り、“見せない”“伝えない”ことが、本作の宣伝コンセプトとも言えます。ある5人のキューブリック研究家(『シャイニング』マニア)が大胆かつ奇抜に繰り広げる、『シャイニング』論。あらゆる映画ファンの知的好奇心を刺激する作品です。  伝説の恐怖映画『シャイニング』に残された、想像もつかない壮大な“ミステリー”とは――?ぜひ劇場で<237号室>の扉を開いてみてください。 <『シャイニング』を読み解くキーワード> 1.オーバールック・ホテル 2.カルメット 3.先住民 4.タイプライター 5.ホロコースト 6.存在するはずのない窓 7.双子の姉妹 8.ダニーの三輪車 9.アポロ計画 10.スティーヴン・キング 11.ルームナンバー237 (引用: cinemacafe.net/2013年11月29日 )  もちろんワーナーやキューブリックサイドが宣材にキューブリック作品のビジュアルの使用許可など出すはずがありませんね。上記の記事では「好き勝手に検証」としていますが要するに「デタラメのオンパレード」です。『シャイニング』のドキュメンタリーとなっていますが、『メイキング・ザ・シャイニング』のようなものを想像していはいけません。正確には「『シャイニング』に関する根拠の無い妄想とこじつけを並べる過程のドキュメンタリー」...

【関連記事】キューブリック幻の脚本&スピルバーグ製作ミニシリーズ、バズ・ラーマンが監督か?

 伝説の映画監督スタンリー・キューブリックが脚本を執筆したが未製作に終わったという、フランスの英雄ナポレオン一世を題材にした作品。この作品をスティーヴン・スピルバーグがテレビ・ミニシリーズ化。監督にレオナルド・ディカプリオ主演『華麗なるギャツビー』(13)のバズ・ラーマンの名前が挙がっている。  今年のカンヌ国際映画祭でフランス滞在中にスピルバーグが製作を発表したという同作。Deadlineによると、まだ初期段階の話だそうだがスピルバーグはラーマン監督に狙いを定めているという。同作は米HBO局でミニシリーズとして製作される予定だが、製作時期など詳細は現在不明。  フランスのテレビ番組に出演したスピルバーグは、キューブリックにとって夢の企画だったと話していたという。1971年に映画製作会社の幹部に書簡を送り「最高傑作になる」と太鼓判を押したキューブリックだったが、製作費が下りず、製作を断念した作品だそう。キューブリックは同年、『時計じかけのオレンジ』が欧米で公開。以後、『シャイニング』(80)や『フルメタル・ジャケット』(88)などの話題作を世に送り出した。2001年作『A.I.』は1999年に他界したキューブリックからスピルバーグが引き継いだ作品だ。  ナポレオンを題材にした作品は他にもこの11月に、米ワーナー・ブラザーズが映画化を発表。同作はフランス映画『ハートブレイカー』(11)のジェレミー・ドネルが脚本、『スノーホワイト』(12)のルパート・サンダースが監督に決まっている。  今やアメリカのテレビ・ミニシリーズとなれば映画に匹敵する規模と豪華さ。キューブリック、スピルバーグ、ラーマンの3者の名前が揃えば、話題性も相当なるもの。ラーマンが監督に決まれば、HBO局が作品の製作に早急に動き出すだろうと、Deadlineは見ている。 (引用: アメーバニュース/2013年11月27日 )  バズ・ラーマンですか。最適な人選かどうかはちょっとわかりませんが、無難な線ではあります。まあ製作にヤン・ハーランを始め旧キューブリック組がどこまで参加できるのか、どこまで製作に関与できるのかが重要ですね。何にしても実現させる事を期待しています。日本だとDVD化されるまで観れないかもしれませんけど。

【関連記事】ヴィヴィアン・キューブリック。偉大な監督スタンリー・キューブリックの孤立娘が反政府主義者アレックス・ジョーンズの集会に現れる

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映画界の巨匠スタンリー・キューブリックの隠遁生活を送る娘、ヴィヴィアン・キューブリックが反政府アレックス・ジョーンズ集会に出席  先週、いくつかの報道機関が、反政府、陰謀論者のラジオ司会者アレックス・ジョーンズとダラス保安官代理との衝突について否定的な記事を書いた。  オースティン在住のラジオパーソナリティは金曜日、ジョン・F・ケネディ暗殺50周年を記念する市の公式行事に抗議するデモ行進を率いるためダラスにいた。ジョーンズと彼の支持者たちは「隠蔽はやめろ!」などのスローガンを唱えながら行進したが、ある時点で警官らは彼らに別の場所に移動するよう求めた。その後押し合いになり、ジョーンズと彼の支持者たちは警官らに長々と激しい非難を浴びせたが、結局誰も逮捕されなかった。  昨日、このイベントから新しいビデオ(下記参照)が公開され、そこには意外な参加者がいた。故スタンリー・キューブリック監督の娘で、どうやらジョーンズのファンだったようで、スターに夢中になっている様子のヴィヴィアン・キューブリックだ。  ビデオの中で、ジョーンズとキューブリックは、ダラスの保安官の行動に対する衝撃について話し合い、オバマ大統領の「暴政」について悲惨な予測をしながら、彼女の父親の映画に対する熱烈な賛辞を交わしている。 〈中略〉  ヴィヴィアンはサイエントロジーの指導者とともに父親の葬儀に出席したと伝えられている。彼女と家族との隔たりはその後さらに深まり、2009年に姉のアンヤが癌で亡くなったとき、子供の頃からずっと仲が良かったにもかかわらず、ヴィヴィアンは葬儀に出席しなかった。  ヴィヴィアンが社会から孤立していることは、彼女を弟子のように扱っていた有名な父親に痛感された。彼女はまだ17歳で、父のホラー映画の古典『シャイニング』の制作過程をドキュメンタリーで撮影し、24歳で『フルメタル・ジャケット』の音楽を作曲した。しかし、彼女はサイエントロジーに身を捧げていたため、『アイズ ワイド シャット』の制作を手伝うという父親の申し出を断った。  「スタンリーはヴィヴィアンに音楽の作曲を依頼したが、最後の瞬間に彼女は断った」とキューブリックの未亡人クリスティアンは2009年にガーディアン紙に語った。「2人は大喧嘩をした。彼はとても不幸だった。彼女を取り戻そうと40ページにも及ぶ手紙を書いた。カリフォルニア...

【関連作品】海を見た少年(Le Garcon sauvage)

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  『恐怖と欲望』のポスターでポルノ男優のように扱われたフランク・ヴィラール(右)  全く稼がなかったキューブリックの劇場用映画第一弾『恐怖と欲望』と、二本立てで公開された『THE MALE BRUTE(野生の男)』ですが、LACMAで展示されたこのポスターでは「A Story of SIN,SEX and PASSION!(罪とセックスと情熱の物語)」とまるでポルノのように扱われています。ところが別の広告によると「The Story of a FRENCH PROSTITUTE ... and(フランスの売春婦の物語、そして・・・)」となっていますので、どうやらフランス映画のようです。 LACMAで展示されたポスター 「The Story of a FRENCH PROSTITUTE ... and」 の表記 出演はMadeleine RobinsonとFrank Villardとある  調べてみると出演俳優はMadeleine RobinsonとFrank Villardであった事が判明、ここまで来るとあとは簡単です。 IMDdに情報 がありました。を見つける事ができました。フランスでの原題は1951年公開の『Le garcon sauvage』、日本では『海を見た少年』としてVHS化された(劇場未公開)名匠ジャン・ドラノワ監督の作品です。  ストーリーは「シモンは母親マリー(売春婦)に引きとられてマルセイユに戻ったが、キザな男ポールと、母の気ままな生活ぶりに反抗し・・・海の生活にあこがれる、多感な少年の姿を生き生きと撮った名匠ドラノアの作品」と、全くポルノではありません。原題を訳せば「野生児」となり、英題の『野生の男』は間違いじゃありませんが、「男」とはポールを指すのではなくシモン少年を指しているのであれば、『恐怖…』と同様、完全にプロモータ側のポルノへのミスリード戦略である事がわかります。  この作品も『恐怖…』と同様、ジョゼフ・バースティン社が配給しています。つまり、当時キューブリックの後見人的役割を果たしていたジョゼフ・バースティンが、思うように稼がなかった『恐怖…』と『海を見た…』を抱き合わせ、映画には登場しないリースの半裸をビジュアルにした広告を制作、両作品をほとんどポルノとして上映し、なんとか出資金を回収しようとしたという経緯が想像できます...

【パロディ】イマジン・ドラゴンズ/オン・トップ・オブ・ザ・ワールド(Imagine Dragons - On Top Of The World)

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 どうやらビートルズの4人になぞられたメンバーが宇宙飛行士になり、月へと向かうが実はそこは・・・というストーリーの様です。いきなりローアングルの三輪車とシャイニング・カーペット。2001という番地の家からサイケ野郎はジョン、六角サングラスがポール、ヒッピーはジョージ、ライダー風はリンゴのつもり?その4人が横断歩道でアビイ・ロードして、0009LAHという監視カメラに、双子の少女ならぬ少年もいますね。  つれてこられた月面セットにはディレクターチェアーに座ったいかにもユダヤ人くさい風貌でアーミーパーカーを来た人物、多分これがキューブリックですね。その隣のうさんくさい政治家はニクソンでしょうか。思いっきり『アポロ陰謀説』を茶化しています(笑。  このイマジン・ドラゴンズ、サマソニに来日経験もあるそうですが全く知りませんでした。wikiにはラスベガス出身の4人組で、ジャンルはオルタネイティヴ・ロックとなっていますが、オルタナって広義過ぎて掴みどころがないんですよね。この曲は南米?フレーバーが特徴的ですが、どうやらこのバンドはドラム、特にバスドラにこだわっているようで、いわゆる大太鼓的な音色を好んでいるようです。スケールの大きいワールドミュージック系オルタナという感じでしょうか。  ただこういうバンドは日本では一部の愛好家以外全く受けないでしょう。日本で洋楽と言えばダンス系かR&B、あってもヘビメタやハードロックくらい。しかも市場は縮小の一途・・・どうしてこうなった?

【パロディ】ホームコメディ版『シャイニング』

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 もうずいぶんと前から知っている動画ですが、HD版がアップされていたのでご紹介。 オリジナル版 の再生回数は300万回到達目前ですね。  ただ・・・個人的には全く面白くないし笑えない。アイデアは悪くないのですが、BGMと映像の合わなさ加減と編集の無理矢理感がどうしても感じられてしまい、面白がるより先に「それらしいシーンを集めるのに苦労したんだろうな」と思ってしまうからです。多分これをヒントに日本の方が編集した こちら の方がはるかに面白いです。

【サウンドトラック】『シャイニング』のサウンドトラックの自主制作コンピレーション

 『シャイニング』のサウンドトラックについては、ほとんど話題になりません。何故ならオフィシャル・リリースが8曲収録のアナログ盤のみだからです。その8曲も非常に中途半端なチョイスで購買意欲をかき立てるものではありません。それは廊下で双子の霊に遭遇する際、印象的に使われていた『デ・ナトゥラ・ソノリス第1番』やエンディングで重要な役割を果たす『真夜中、星々と君』、ゴールドルームで印象的に流れていた『イッツ・オール・フォーゴットン・ナウ』などが未収録だからです。  では不足曲はどうやって手に入れるかという事ですが、映画未使用曲や別テイクを集めた2枚のCDがウェンディ・カルロス名義で『Rediscovering Lost Scores, Vol. 1』『同Vol. 2』としてリリースされています。つまりそれに収録されている曲+ペンデレツキの残りの曲+アル・ボウリーの楽曲を集めればそれなりに充実したサントラが出来上がる、という訳です。  しかし、レーベルなのか著作権の問題なのか、未だにワーナーからオフィシャルCDのリリースはありません。業を煮やしたファンを当て込んでいくつか非公式(海賊版)でCDがリリースされている始末です。  上記の動画はそうやって集められた楽曲のひとつで、リストはこちらになります。これだけ集めただけでも充実度はアナログ盤と全く違います。早急なサウンドトラックCDのオフィシャルリリースもしくはiTunes等のダウンロード販売を希望します。 ※動画は削除されました

【サウンドトラック】『シャイニング』オリジナル・サウンドトラック(The Shining Original Sound Track)

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『シャイニング』オリジナル・サウンドトラック(ワーナー公式のアナログ盤) A面 Main Title "The Shining" (3:27)/メイン・タイトル『シャイニング』(ウェンディ・カーロス&レイチェル・エルキンド)Rachel Elkind, Wendy Carlos / Wendy Carlos And Rachel Elkind Rocky Mountains (3:01)/ロッキー山脈(ウェンディ・カーロス&レイチェル・エルキンド)Rachel Elkind, Wendy Carlos / Wendy Carlos And Rachel Elkind Lontano (10:11)/ロンターノ(ジョルジ・リゲティ)Gyorgy Ligeti / Ernest Bour, Sinfonie Orchester Des Sudwestfunks Music For Strings, Percussion And Celesta (8:07)/弦楽器,打楽器とチェレスタのための音楽(ベラ・バルトーク)Bela Bartok / Herbert von Karajan, Berlin Philharmonic Orchestra B面 Utrenja (3:33)/ウトレンニャ(キリストの埋葬)〈抜粋〉/クリシュトフ・ペンデレツキKrzysztof Penderecki / Andrzej Markowski, Symphony Orchestra Of The National Philharmonic, Warsaw The Awakening Of Jacob (7:55)/ヤコブの目覚め/クリシュトフ・ペンデレツキKrzysztof Penderecki / Krzysztof Penderecki, Polish Radio National Symphony Orchestra De Natura Sonoris (8:56)/デ・ナトゥラ・ソノリス第2番(クリシュトフ・ペンデレツキ)Krzysztof Penderecki / Krzysztof Penderecki, Polish Radio National Symphony Orchestra Home (3:09)/ホーム(ヘンリーホールとザ・グリニーグルズ・ホテル...

【関連記事】名作『シャイニング』の謎に迫るドキュメンタリー映画が来春公開決定

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 恐怖映画の名作として知られる『シャイニング』の謎に迫り、その内容を徹底的に検証するドキュメンタリー映画『ROOM237』が来年1月25日(土)から日本公開されることが決定した。本作を愛してやまない者たちが完璧主義者で知られるスタンリー・キューブリック監督が手がけた作品の謎に迫っている。  『シャイニング』は、冬季閉鎖しているホテルの管理人をすることになった作家のジャックと妻、不思議な力を持つ息子が、ホテルのもつ邪悪な力によって想像を絶する恐怖を体験する様を描いた作品。スティーヴン・キングの同名小説を“原作”としながら、徹底的な脚色が行われた“キューブリック作品”として知られている。自作についてはエンドロールの1コマにいたるまで徹底的にこだわったキューブリック監督は、280日間におよぶ撮影を敢行し、ジャック・ニコルソンら出演者たちを自身が仕掛けた“迷宮”に誘った。撮影は複数の場所で行われ、編集によって物語の舞台となる“オーバールックホテル”を描出。浮遊するカメラワークと、シンメトリー(左右対称)の構図、謎と隠喩に満ちた物語は多くの観客や批評家、研究者を魅了し続けている。  本作は今もなお謎に包まれている本作を多角的に検証するドキュメンタリー。タイトルになった“237号室”は、主人公ジャックが老婆の悪霊と出くわす客室番号だ。劇中では、ジャーナリストのビル・ブレイクモア、歴史学者のジェフリー・コックス、作家のジュリ・カーンズ、音楽家のジョン・フェル・ライアン、神秘学者のジェイ・ウェイドナーが映画『シャイニング』に隠された謎に迫るという。 『ROOM237』 2014年1月25日(土)シネクイントほか全国順次公開 (引用: ぴあ映画生活 )  いくつか同じ記事が出ていますが、日本で公開するという事はそれなりに興行収入が見込めると判断したと言う事でしょうか?もしそうならまあバカにされたものです。キューブリックのアシスタントとして当時スタッフとして参加していたレオン・ヴィタリは「全部たわごと」と言い切っています。まあ内容は上記の自称研究者達が、事細かな映像の瑕疵をあげつらい、こじつけと妄想を並べているだけですから、そんなものに金を払う義理などこちらには一切ありません。  大体彼らが研究対象にしていたのは『シャイニング』のビデオテープです。それを逆再生したところメッセージが現れ...

【関連記事】スティーブン・キング氏、「シャイニング」続編について語る

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Stephen King(IMDb)  ホラー作家のスティーヴン・キング(Stephen King)氏(66)に、何からアイデアを得ているかなんて聞かないほうがいい。彼自身、アイデアの由来については分からないのだから。  そんなキング氏だが、1977年に出版した「シャイニング(The Shining)」のインスピレーションをどこから得たかは覚えている。  当時、コロラド(Colorado)州に住んでいたキング氏が、ホリデーシーズンが終わる頃の週末に、妻と山へ行ったときだ。滞在したスタンリーホテル(Stanley Hotel)の宿泊客はキング氏らだけだった。  「私たちはかなりシーズンから外れていた。みんながチェックアウトしてるところに、チェックインしたのだから」と、キング氏は振り返る。「外は吹雪で風のうなる音が聞こえたし、いすは全てテーブルの上に乗せられていて、気味が悪かった」  夕食後、妻は部屋に帰っていった。誰もいない殺風景な食堂に残されたキング氏は、その「雰囲気に浸った」という。「それから私も部屋に戻ろうとしたとき、壁際の消防ホースを見て思ったんだ。『うわっ、もしこれがヘビになって襲ってきたらどうなるだろう』とね。部屋に帰るまでには、頭の中でストーリーが全部できていたよ」  「シャイニング」は、人里離れたホテルに閑散期の管理人としてやって来たジャック・トランス(Jack Torrance)が妻と息子を殺そうとする話だ。1980年には、スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)監督、ジャック・ニコルソン(Jack Nicholson)主演で映画化された。  そして初版から35年以上たった今年、キング氏は続編「ドクター・スリープ(原題、Doctor Sleep)」を出版した。続編の主人公は、前作では超能力を持つ少年として描かれていた、ジャックの息子ダニー・トランス(Danny Torrance)だ。死んだ父と同じようにアルコール依存に陥り、暴力性を抱えた中年になるが、ホスピスで働きながら超能力を使って患者の安楽死を手伝っている。そしてテレバシー能力を持つ子供アブラ(Abra)と出会い、過去が呼び覚まされる。  いつもは続編を書かないと、キング氏は言う。「ストーリーを書き終えたら、登場人物とも別れる。彼らを嫌いになるわけではなく、次に何が起こるかな...

【関連記事】ルパート・サンダース、巨匠キューブリックも断念したナポレオン映画に挑戦

 映画『スノーホワイト』(2012年)を手がけたことで知られる映画監督のルパート・サンダースが、革命期フランスの軍人・政治家であるナポレオン・ボナパルトの伝記映画制作へ向けて監督候補に挙がっているという。  晩年の巨匠スタンリー・キューブリック監督も、ナポレオンの映画化に執念を燃やしていながら実現に至らなかったという、映画界では曰くつきの題材ではあるものの、現在ワーナー・ブラザースは、クリステン・スチュワート主演作『スノーホワイト』でおなじみのルパートに白羽の矢を当てて、ついに映画化の実現に漕ぎ着けようとしている。  脚本を担当しているジェレミー・ドナーは、数々の革命を成し遂げて、フランス皇帝の座につき、さらにロシア遠征に挑もうとした野心家・ナポレオンの栄枯盛衰を、アル・パチーノ主演作『スカーフェイス』のタッチで描こうとしているらしい。「ワーテルローの戦い」をきっかけに転落していくナポレオンは、晩年を亡命の身で過ごしている。  歴史スペクタクル『300〈スリーハンドレッド〉』のジャンニ・ヌナリがプロデューサーとしてこの企画を進めているが、現時点ではまだ初期段階であることもあり、キャスティングの人選などは行われていない。  そんな大テーマに挑む可能性に出てきたルパートだが、クリステンとの不倫が取り沙汰された『スノーホワイト』以降は、新作SF『ザ・ジュリエット』、フレデリック・フォーサイス原作『ザ・キル・リスト』の映画化、そしてドラッグ戦争がテーマの『90チャーチ』など数々の企画に参加を検討している。 (引用: マイナビニュース/2013年11月15日 )  またこんなニュース。題材が同じナポレオンで配給がワーナーなだけで、キューブリックとは関係ないし。キューブリックが遺したナポレオンの脚本はスピルバーグが引き継いでテレビシリーズとして企画が進行しているはず。キューブリックと絡めて記事にすれば注目度が上がるという、安易な思惑で記事起こしするのはいいかげん止めて欲しいものです。

【インスパイア】PlayStation3のアメリカ版CM

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  PlayStation4(PS4)が北米で発売されたようで話題になっていますが、前機種のPS3のアメリカ版CMがモロに『2001年宇宙の旅』なのでご紹介。開発スタッフによると「PS2の筐体デザインは地球から宇宙へのメッセージを発信する黒い箱(モノリス)をイメージして作られている」そうなので、進化したPS3のCMはまあこうなるのは自明かと。PS4は奥行きがあってぽてっとしてしまい、モノリス度が落ちてしまったのがちょっと残念。  で、このPS3のCM、筐体にスター・チャイルドが映り込んでいるのは『2010年』の予告編を思い出します。それにしてもこのスター・チャイルド、まるでチャッキー人形のようでちょっと不気味です。

【関連動画】アナログシンセを解説するデヴィッド・モーリー氏の動画

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 アナログシンセのモーグを解説するシンセ・アーティストのデヴィッド・モーリー氏。この名前だけでピン!と来た方は相当なキューブリック通です。そう、『バリー・リンドン』で落馬して死んでしまうバリーの息子、ブライアンを演じた俳優、デヴィッド・モーリーなのです。  立派な大人になっていて一安心ですが、なんとなく面影はありますね。現在はベルギー在住でミュージシャンとして、またマスタリングエンジニアとしても活躍中とのことです。今後どこかで目にするかもしれませんね。

【登場人物】ブライアン・リンドン(Bryan Patrick Lyndon)

  『バリー・リンドン』でバリーとレディ・リンドンとの間に生まれた一粒種。誕生日に買ってもらった馬から落馬して死んでしまう。

【インスパイア】フィギアスケート2010年欧州選手権でのアルバン・プレオベールのショートプログラム

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 フランスのフィギア・スケート選手(現在は引退)のアルバン・プレオベールが2010年の欧州選手権のショート・プログラムで披露した演技の映像です。しかし、この曲でやりますか・・・。完全に『時計じかけのオレンジ』のサントラ収録のウェンディ・カルロスのアレンジ版です。2曲目の『ウィリアム・テル序曲』は再生スピードを落としているみたいです。テンポが早すぎて演技できないからでしょうね。曲の構成も演技に合わせて入れ替えていますが、そうまでしてこの曲を使いますか。衣装も『時計…』を意識してのチョイスのように見えますが、ウィリアム序曲は例の3Pシーンですから、元ネタ知ってるとものすごくヤバい気がするんですけど。本人の選曲かどうかは分かりませんが、知らないで見る分にはコミカルで面白いから、という事なんでしょう。  ちなみに本大会でのプレベオールの順位は総合7位でした。 

【関連記事】デヴィド・クローネンバーグは「キューブリックはホラーを理解していないし『シャイニング』は偉大な映画ではない」と語った。

デヴィッド・クローネンバーグ「スタンリー・キューブリックはホラーを理解していなかった」  クローネンバーグ監督は『シャイニング』を酷評し「私はキューブリックよりも親密で個人的な映画製作者だ」と語る  監督のデヴィッド・クローネンバーグによると、スタンリー・キューブリックは「商業志向」の映画製作者であり、スティーブン・キングのカルト的名作『シャイニング』を映画化した際にホラーの本質を理解できなかったという。  先週、トロント映画祭で自身の作品を振り返るイベントでスピーチをしたカナダのボディホラーの先駆者であるキングは、20世紀で最も背筋が凍るようなスリラー映画の一つとしての『シャイニング』の地位に異議を唱える最新の著名人となった。キング自身も最近、 1977年の自身の著書の続編となる新作小説『ドクター・スリープ』の宣伝活動中に、1980年の映画に対する否定的な立場を改めて表明した。  「私はキューブリックよりも親密で個人的な映画製作者だと思っている」とクローネンバーグはトロント・スター紙に語った。「だから『シャイニング』は素晴らしい映画ではないと思う。彼はホラーというジャンルを理解していなかったのだろう。自分が何をやっているのか理解していなかったのだと。原作には印象的なイメージがいくつかあり、彼はそれを理解していたが、それを本当に感じていなかったと思う」  クローネンバーグ監督はこう付け加えた。「奇妙なことに、彼は高水準の映画芸術家として尊敬されているが、もっと商業志向で、ヒットし、資金を得られる作品を探していたと思う。彼はそのことに非常に執着していたと思う。私ほどではないが」 〈以下略〉 (引用: The Guardian/2013年11月5日 )  カナダの映画監督デヴィッド・クローネンバーグのキューブリック批判記事ですが、クローネンバーグならそう言うだろうな、という内容です。批判の文脈はほぼスティーブン・キングと一致しますね。「原作にはいくつか印象的なイメージがあったが、キューブリックはそれを感じ取れていない」なんてキングやかつてのキングファンと同じ事言っています。また、「彼はハイレベルな映画アーティストとして尊敬を集めているが、彼は遥かに商業志向であり、きっちり資金のチャンスを得られる題材を探していたと思う」とも。  『シャイニング』は今までのホラーの概念を覆...

【トリビア】フェイル・セーフ(Fail Safe)

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原題はそのものずばりの『フェイル・セーフ』の映画『未知への飛行』  なんらかの装置・システムにおいて、誤操作・誤動作による障害が発生した場合、常に安全側に制御すること。またはそうなるような設計手法で信頼性設計のひとつ。これは装置やシステムは必ず故障するということを前提にしたものである。 (引用: Wikipedia『フェイルセーフ』 )  『博士…』に登場したCRM114回路がそれに当たり、核攻撃において敵の妨害工作で作戦遂行に支障が出るのを防ぐため、確実に作戦を遂行するための「安全装置」。これが逆に核攻撃を中止する際の最大の障壁になるのだから皮肉なものである。また、敵の核攻撃によって指揮系統が混乱した際に確実に核報復を行うシステム「R作戦」もフェイルセーフ思想に基づいて考えられたもの。敵に核攻撃を思いとどまらせるために策定した計画が、逆に核戦争を招いてしまうという皮肉な結果に、原発事故を招いた日本人は笑えません。

【ロケーション】シャルフォント・セイント・ジャイルズの邸宅

  アメリカニューハンプシャー州ラムズデイルにあるとされたヘイズ邸。実際はロンドンの北西、シャルフォント・セイント・ジャイルズにある住宅地の一軒家が外観に使用された。

【ロケーション】ドーチェスター・ホテル(The Dorchester)

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 ロンドンにある五ツ星ホテル「ザ・ドーチェスター」。セレブも愛用し、格調の高さでは世界でも指折りのホテルで、『2001年宇宙の旅』の「白い部屋」のモデルとなった。 ここ で部屋の写真はいくつか見られますが、いかんせん『2001年…』はもう半世紀も前の話、家具等改装されていると考えるのが妥当でしょうね。

【関連記事】『非情の罠』のヒロイン、アイリーン・ケーン死去

スタンリー・キューブリック監督の映画『非情の罠』の主演女優アイリーン・ケインが死去  スタンリー・キューブリック監督の1955年の映画『キラーズ・キス』で主演を務めたアイリーン・ケインさんが、膵臓癌のためニューヨークで亡くなった。  ケインは後に結婚後の姓であるクリス・チェイスで著名人の自伝の共著者となり、キューブリックの犯罪ドラマでボクサーに恋するダンサーを演じた。  女優は後に「ばかげた映画だった」と語った。、外部の「お金も名前もないまま作られた」  10月31日に亡くなったケインは、ジャーナリズムの世界に転向する前に、ブロードウェイやテレビに出演していた。  ハリウッド・レポーターによると、外部の彼女の家族は死亡時の年齢を確認することを拒否した。  元モデルの彼女は1962年に、ピューリッツァー賞を受賞した劇作家メアリーの息子でテレビプロデューサーのマイケル・チェイスと結婚した。  彼女はその後、女優のロザリンド・ラッセル、コメディアンのアラン・キング、元ファーストレディのベティ・フォードの自伝の共著者となった。 (引用: BBC News/2013年11月4日 )  『非情の罠』でヒロインのグロリアを演じたアイリーン・ケーンが10月31日に膵臓がんでニューヨークにて死去しました。アイリーン・ケーンは1962年にテレビプロデューサーのマイケル・チェイス(ピューリツァー獲得の脚本家メアリー・チェイスの息子)と結婚し、クリス・チェイスの名前でジャーナリストとして活躍、女優のロザリンド・ラッセル、コメディアンのアラン・キング、フォード元大統領の妻のベティ・フォードの自叙伝を共同執筆しました。  生年月日、享年齢は不詳。故人のご冥福をお祈りいたします。

【配信情報】2013年11月のワーナー・フィルムズ・オンラインシアター〈月額見放題コース〉はスタンリー・キューブリック特集

  GyaO!で配信されている『ワーナー・フィルムズ・オンラインシアター〈月額見放題コース〉』の2013年11月の特集はスタンリー・キューブリックで、ワーナーが権利を持っいる7作品『アイズ ワイド シャット』『フルメタル・ジャケット』『シャイニング』『バリー・リンドン』『時計じかけのオレンジ』『2001年宇宙の旅』『ロリータ』を配信中です。視聴にはYahoo! JAPAN IDと月額997円の登録料が必要ですが、11月の1ヶ月間は見放題になります。キューブリック作品以外では『2001年…』の続編のロイ・シャイダー主演『2010年』、『時計…』でアレックスにナンパされた少女役のジリアン・ヒルズが出演しているミケランジェロ・アントニオーニの『欲望』あたりがおすすめでしょうか。未視聴の方は是非この機会にどうぞ。

【名曲】アラム・ハチャトゥリアン/ガイーヌのアダージョ(Aram Khachaturian - Gayane's Adagio)

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 『2001年宇宙の旅』でジュピター・ミッションのパートの冒頭で使用されたアラム・ハチャトゥリアン作で、ロジェストヴェンスキー指揮、レニングラード・フィルハーモニー交響楽団の演奏によるもの。ディスカバリー号とその船内生活のシークエンスで叙情的、悲劇的に流されている。  このガイーヌのアダージョ、4幕によるバレエ曲だそうで、旧ソ連の共産主義思想の色彩がかなり強い。あらすじからいろいろ深読みはできそうですが、まずはこの探査旅行が悲劇的であるとの印象を与えたくて使用したと考えるのが順当でしょう。超有名な『剣の舞』もこのガイーヌの中の一曲。この曲があまりにも有名になりすぎてしまった事に関して、ハチャトゥリアン本人は「こうなると知っていたらこの曲は書かなかったよ」とぼやいていたそう。  でも『2001年…』ってこのあたりから眠くなるんですよね。で、気がついたら「ハル!ハル!」と叫ぶボーマンの声で目が覚めると。何度この失敗をしたことか(笑。

【企画作品】アーリアン・ペーパーズ(Aryan Papers)

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ターニャの衣装合わせをするヨハンナ・テア・ステーゲ  ルイス・ベグニーの『五十年間の嘘』を原作にキューブリックが映画化を構想し、ポストプロダクションまで進んだが、中止された企画。主人公マチェックには『ジュラシック・パーク』のジョゼフ・マゼロ、叔母のターニャにはヨハンナ・テア・ステーゲがキャスティングされ、テスト撮影や衣装製作、ロケハンなどが進められていた。  しかし、1993年に『シンドラーのリスト』公開され、それと内容が似ていたため、またキューブリック自身がホロコーストを正確に描写できるかどうか疑問だと感じたため、この企画は中止された。  キューブリックは原作の原題『戦時下の嘘(Wartime Lieys)』を『アーリア人証明書(Aryan Papers)』に変更した。その理由ははっきりとわからないが、原作では二人が決定的な危機から逃れる場面でこの証明書は登場しない。この事からいろいろと推察はできそうだが、今のところ情報があまりにも少なすぎるので現時点ではそれは控えたい。  とにかく、どうしてこの小説にキューブリックが惹かれたのか、それはホロコーストのありのままの姿がこの小説には描かれているからに他ならない。それは殺戮としてのホロコーストだけではなく、その原因と本質だ。キューブリックは企画中止の理由に「ホロコーストを正確に描写できるかどうか疑問」と発表している。それはこの問題の根深さと複雑さを表していると言えるだろう。

【俳優】ジョゼフ・マゼロ(Joseph Mazzello)

  『アーリアン・ペーパーズ』の主人公の少年、マチェックにキャスティングされていた子役。実際にテスト撮影もされていたそうだ。現在も俳優として活躍中。『ジュラシック・パーク』(1993)のティム少年役が有名。上記写真はその時のもの。  他の主な出演作は『推定無罪 』(1990)、『ロックン・ルージュ』(1992)、『ラジオ・フライヤー』(1992)、『永遠(とわ)の愛に生きて』(1993)、『激流 』(1994)、『WISH ウィッシュ/夢がかなう時 』(1995)、『マイ・フレンド・フォーエバー』(1995)、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(1997)、『サイモン・バーチ』(1998)、『ソード・シャドウ スリーピー・ホロウ:リターンズ』(2004)、『プリティ・ヘレン』(2004)、『ソーシャル・ネットワーク』(2010)、『G.I.ジョー バック2リベンジ』(2013)など。  1983年9月21日ニューヨーク州ラインベック村出身。

【原作小説】五十年間の嘘(Wartime Lies)

 ユダヤ人の美しい伯母と少年が、ナチスドイツのホロコーストから逃れるために第二次世界大戦下のポーランドを点々としながら出自を偽り、嘘に嘘を重ねながらも逞しく生き延びようとする話・・・こんなあらすじからどんな物語を想像するだろうか?多分ほとんどの人がそのあまりにも残酷なホロコーストという現実に負けずに生き延びた、ユダヤ人の美談を想像するのではないだろうか。残念ながらここにはそんな美談は全くと言っていい程ない。それどころかユダヤ人がいかに醜くヨーロッパ全土を寄生虫のごとく蝕み、貶めているばかりか、当のユダヤ人がユダヤ人こそ最も憎み、蔑むべき民族だと考えるその心根が淡々と綴られてさえいるのだ。  確かにナチスドイツや、それに協力したポーランド人が働いた無慈悲な残虐行為、それにソ連軍の蛮行も触れられてはいる。だが、自分と家族さえ生き延びればそれでいいと良心的なドイツ人やポーランド人を欺き続け、それにあまり痛痒を感じていない姿とか、強制連行や銃殺、ゲットーへの襲撃など、他のユダヤ人が迫害されている様を淡々と眺めていたり、あまつさえユダヤ人でありながらキリスト教の洗礼を受け、キリスト教の慣習を真似てキリスト教徒に偽装する事をニヒリスティックに受け入れているその姿は、他の民族(特に共同体意識と相互扶助、それに正直さこそ美徳だと信じきっている日本人)にとって非常に異質に映る。  それ故、読後に残るのはこの伯母と少年に全く同情の感情は湧かない、という事実だ。そして気づかされるのは、だからこそ二千年以上に渡って流浪の民でありながら生き永らえる事ができたのだという、そのしたたかさと逞しさ、そして狡猾さだ。ユダヤ人がユダヤ人たらしめているものがその「狡猾さ」だとするならば、それこそが他の民族の反感を買いやすく、故にユダヤ民族に厄災を招く原因になりかねないのだと、作者のルイス・ベグニーは自分が生きた1933年から第二次世界大戦終了時までを振り返ったこの小説で、客観的かつ冷静に、そして自虐と皮肉を込めて指摘している。  本書はドイツで三十万部を超す大ベストセラーとなり、全米でも高い評価を受けたそうだ。そこにユダヤ問題の根深さ、ドイツ人の本音、ひいては世界全体におけるユダヤ人に対する「印象」が透けて見えるような気がする。

【関連記事】スタンリー・キューブリックが好んだ映画のマスター・リスト(初出版)

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※元記事が更新されましたので新たに翻訳し直しました。 こちら をごらんください。この記事は旧記事になりますが念のため削除せずに掲載したままにいたします。 以下参考にご覧ください。  以前自身の発言としてベスト10ムービーを公表していましたが、それは1963年の話なので近作が含まれるこのリストは貴重です。既知の情報も多いですがけっこう知らない作品もチラホラ。それにファンタジーやコメディなどキューブリックの作風とは異なる作品もチョイスされているのは興味深いです。  ただ 元記事 を当たってみると、リストアップされている作品は気に入ったというレベルから絶賛レベル、そして衝撃を受けたレベルまで、また、製作者の立場だったり視聴者の立場だったりと、評価の基準やスタンスがバラバラです。それなのに単純に元記事から作品名を抜き出し、リストアップしただけの記事にしてしまうと、キューブリック本人や取材に協力したヤン・ハーラン、カタリーナの真意が伝わらないどころか誤解を広める結果になりかねない、と判断し、元記事で関係ない部分を省いた全文を稚拙ながらできる限り訳してみました。その結果記事に起こすのにかなり時間がかかってしまった事をお詫びいたします。  訳は管理人ですので怪しい部分も多々あります。もしお気付きの点がありましたらご指摘ください。また、念のため元記事もご参照ください。あまり知られていない作品などもありましたので、個人的に調べたり、原文で不明瞭な部分は※印で補足しておきました。また アンダーラインの文章 は管理人の記事に対するコメントですので元記事にはありません。  キューブリックを理解する上で、このリストはかなり重要だと思っています。和訳の精度を上げるために今後加筆・修正をする可能性が高いです。それを踏まえた上、記事をご覧下さい。 映画ファンとしてのスタンリー・キューブリック  スタンリー・キューブリックの85回目の誕生日のこの日(※2013年7月26日)、ニック・リグレー(※元記事の筆者)はキューブリックの右腕であるヤン・ハーランの助けを借りて、監督のお気に入りの映画や鑑賞の習慣を探ります。 ~ 略歴と序文は省略 ~ 【初期の頃】  若きキューブリック。毎日プレイしていたチェスの他に、彼が大いに愛した時間はミシェル・シマンの言葉によると「ニューヨーク近代美術館での上映に真面目に出...